■<国旗・国歌>「強制は違憲」日弁連が初の意見書
学校行事での「日の丸」「君が代」を巡る教職員の処分について、日本弁護士連合会は21日「処分を伴う国旗・国歌の強制は、教職員の思想・良心の自由に許容範囲を超えた制約を課すもので憲法に反する」とする初の意見書を文部科学相に提出した。
全国の教育委員会にも送付する。
(2月21日20時44分配信 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070221-00000117-mai-soci
日弁連総第86号
2007(平成19)年2月20日
東京都教育委員会
委員長 木村孟 殿
日本弁護士連合会
会長 平山正剛
警 告 書
当連合会は、東京都公立学校「日の丸」・「君が代」の強制に関する人権救済申立事件(2005年度第12号)について調査した結果、貴委員会に対し、以下のとおり警告する。
警告の趣旨
貴委員会が2003(平成15年)10月23日に発した「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」(以下「本件通達」という。)は、教職員の思想良心の自由及び教育の自由を侵害するものであり、また、貴委員会が申立人青木茂雄、同蔵野博、同金子潔、同蒲生正久及び申立外根津公子に対して行った別紙「当連合会の認定した人権侵害事実」記載の(1)ないし(5)の各行為は、申立人青木、同蔵野、同金子及び申立外根津につき思想良心の自由を、申立人蒲生につき教育の自由をそれぞれ侵害するものである。
したがって、当連合会は、貴委員会に対し、
1 本件通達を直ちに廃止すること、
2 申立人青木に対する戒告処分、同蔵野に対する戒告処分及ぴ再雇用職員合格取消決定、同金子に対する再雇用職員合格取消決定並びに申立外根津に対する減給処分及び停職処分をいずれも取り消すこと、
3 申立人青木らに対して行った人権侵害行為を繰り返さないことを求める。
(略)
第四 結論
以上の次第であるから、本件通達は、教職員の思想良心の自由及び教育の自由を侵害するものとして違憲であり、また、本件通達及ぴこれに基づく職務命令に従わなかったことを理由とする貴委員会の申立人青木、同蔵野、同金子及び申立外根津に対する不利益処分等は、同人らの思想良心の自由を、また、貴委員会の申立人蒲生に対する行為は、同人の教育の自由をそれぞれ侵害するものであるので、貴委員会に対し、本件通達を直ちに廃止するよう求めるとともに、申立人青木らに対する人権侵害につき意見を通告して反省を求め、かつ、不利益処分がなされている者に関してはその取消しを求める必要がある。
よって、頭書のとおりの結論が妥当であると考える。以上
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公立の学校現場における「日の丸」・「君が代」の強制問題に関する意見書
2007年2月16日
日本弁護士連合会
本意見書について
日弁連は、1999(平成11)年7月、「国旗及び国歌に関する法律案」国会提出に関する会長声明において、「日の丸」・「君が代」に対する国民の考え方の多様性について述べた上、「国旗・国歌が尊重されるのは、国民的心情によるものであるべきで、法制化によって強制の傾向が強まることは問題である」と指摘していました。
しかしながら、今日の公立の学校現場では、入学式、卒業式等の学校行事において、国歌斉唱時に国旗に向かって起立しなかったこと等を理由として、教職員に対し、懲戒処分等の不利益処分がされるという事態が生じています。
日弁連は、公立の学校現場において、教育上の指導の域を超え、不利益処分を伴う国旗・国歌の強制がされている現状に鑑み、教育は、自主的かつ創造的になされるべきであって、教育の内容及び方法に対する国家的介入については抑制的であるべきであるという憲法上の要請をふまえ、子どもの権利の保障や教職員の思想・良心の自由等の観点から、2007年2月16日付で意見書を取りまとめました。
本意見書は、2007年2月21日に文部科学大臣、同月23日までに各都道府県・各市区町村教育委員会に提出されています。
意見の趣旨は、以下のとおりです。
各都道府県及び各市区町村教育委員会は、
(1)各公立学校校長に対する通達ないし指導を介し、入学式、卒業式等の学校行事において、不利益処分ないし不利益取扱いをもって、教職員や児童・生徒に対し、国旗に向かって起立すること、国歌を斉唱すること、国歌斉唱の際にピアノ伴奏をすることを強制しないこと。
(2)上記の通達を発している場合は、直ちに当該通達を廃止すること。
(3)入学式、卒業式等の学校行事において、教職員に対し、国旗に向かって起立しなかったり、国歌を斉唱しなかったり、国歌斉唱の際にピアノ伴奏をしなかったりしたことを理由として、いかなる不利益処分も行わないこと。
(4)教職員に対し、既に上記の不利益処分を行っている場合、直ちに当該不利益処分を取り消すこと。
文部科学大臣は、学習指導要領の「日の丸」・「君が代」条項に関し、同条項が、教職員に対し、入学式、卒業式等の学校行事において、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務を負わせているとの教育委員会による解釈の下、公立の学校現場において、教育上の指導の域を超え、不利益処分を伴う国旗・国歌の強制がされている現状に鑑み、このような解釈がなされないよう同条項の見直しを検討すべきこと。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/070216.html
(※本文はPDFファイルをご覧下さい)
意見書全文(PDF形式・89KB)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/data/070216.pdf
学校行事での「日の丸」「君が代」を巡る教職員の処分について、日本弁護士連合会は21日「処分を伴う国旗・国歌の強制は、教職員の思想・良心の自由に許容範囲を超えた制約を課すもので憲法に反する」とする初の意見書を文部科学相に提出した。
全国の教育委員会にも送付する。
(2月21日20時44分配信 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070221-00000117-mai-soci
日弁連総第86号
2007(平成19)年2月20日
東京都教育委員会
委員長 木村孟 殿
日本弁護士連合会
会長 平山正剛
警 告 書
当連合会は、東京都公立学校「日の丸」・「君が代」の強制に関する人権救済申立事件(2005年度第12号)について調査した結果、貴委員会に対し、以下のとおり警告する。
警告の趣旨
貴委員会が2003(平成15年)10月23日に発した「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」(以下「本件通達」という。)は、教職員の思想良心の自由及び教育の自由を侵害するものであり、また、貴委員会が申立人青木茂雄、同蔵野博、同金子潔、同蒲生正久及び申立外根津公子に対して行った別紙「当連合会の認定した人権侵害事実」記載の(1)ないし(5)の各行為は、申立人青木、同蔵野、同金子及び申立外根津につき思想良心の自由を、申立人蒲生につき教育の自由をそれぞれ侵害するものである。
したがって、当連合会は、貴委員会に対し、
1 本件通達を直ちに廃止すること、
2 申立人青木に対する戒告処分、同蔵野に対する戒告処分及ぴ再雇用職員合格取消決定、同金子に対する再雇用職員合格取消決定並びに申立外根津に対する減給処分及び停職処分をいずれも取り消すこと、
3 申立人青木らに対して行った人権侵害行為を繰り返さないことを求める。
(略)
第四 結論
以上の次第であるから、本件通達は、教職員の思想良心の自由及び教育の自由を侵害するものとして違憲であり、また、本件通達及ぴこれに基づく職務命令に従わなかったことを理由とする貴委員会の申立人青木、同蔵野、同金子及び申立外根津に対する不利益処分等は、同人らの思想良心の自由を、また、貴委員会の申立人蒲生に対する行為は、同人の教育の自由をそれぞれ侵害するものであるので、貴委員会に対し、本件通達を直ちに廃止するよう求めるとともに、申立人青木らに対する人権侵害につき意見を通告して反省を求め、かつ、不利益処分がなされている者に関してはその取消しを求める必要がある。
よって、頭書のとおりの結論が妥当であると考える。以上
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公立の学校現場における「日の丸」・「君が代」の強制問題に関する意見書
2007年2月16日
日本弁護士連合会
本意見書について
日弁連は、1999(平成11)年7月、「国旗及び国歌に関する法律案」国会提出に関する会長声明において、「日の丸」・「君が代」に対する国民の考え方の多様性について述べた上、「国旗・国歌が尊重されるのは、国民的心情によるものであるべきで、法制化によって強制の傾向が強まることは問題である」と指摘していました。
しかしながら、今日の公立の学校現場では、入学式、卒業式等の学校行事において、国歌斉唱時に国旗に向かって起立しなかったこと等を理由として、教職員に対し、懲戒処分等の不利益処分がされるという事態が生じています。
日弁連は、公立の学校現場において、教育上の指導の域を超え、不利益処分を伴う国旗・国歌の強制がされている現状に鑑み、教育は、自主的かつ創造的になされるべきであって、教育の内容及び方法に対する国家的介入については抑制的であるべきであるという憲法上の要請をふまえ、子どもの権利の保障や教職員の思想・良心の自由等の観点から、2007年2月16日付で意見書を取りまとめました。
本意見書は、2007年2月21日に文部科学大臣、同月23日までに各都道府県・各市区町村教育委員会に提出されています。
意見の趣旨は、以下のとおりです。
各都道府県及び各市区町村教育委員会は、
(1)各公立学校校長に対する通達ないし指導を介し、入学式、卒業式等の学校行事において、不利益処分ないし不利益取扱いをもって、教職員や児童・生徒に対し、国旗に向かって起立すること、国歌を斉唱すること、国歌斉唱の際にピアノ伴奏をすることを強制しないこと。
(2)上記の通達を発している場合は、直ちに当該通達を廃止すること。
(3)入学式、卒業式等の学校行事において、教職員に対し、国旗に向かって起立しなかったり、国歌を斉唱しなかったり、国歌斉唱の際にピアノ伴奏をしなかったりしたことを理由として、いかなる不利益処分も行わないこと。
(4)教職員に対し、既に上記の不利益処分を行っている場合、直ちに当該不利益処分を取り消すこと。
文部科学大臣は、学習指導要領の「日の丸」・「君が代」条項に関し、同条項が、教職員に対し、入学式、卒業式等の学校行事において、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務を負わせているとの教育委員会による解釈の下、公立の学校現場において、教育上の指導の域を超え、不利益処分を伴う国旗・国歌の強制がされている現状に鑑み、このような解釈がなされないよう同条項の見直しを検討すべきこと。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/070216.html
(※本文はPDFファイルをご覧下さい)
意見書全文(PDF形式・89KB)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/data/070216.pdf
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