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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

大飯を止めていても全く問題が無かった。電力は大余裕

2012年08月27日 | フクシマ原発震災
たんぽぽ舎です。【TMM:No1551】
2012年8月22日(水) 地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
                           転送歓迎
 ▼ 本日、大飯原発4基分をも超える=522万kwの電力を隠した電力会社のからくり
 猛暑なのに、原発2基しか動いていないのに「電力は大余裕あり」は困るから、「大飯原発2基は動かす必要なかった」という事実が広まると困る電力会社 (電力需給データの検証 8月22日分)
山崎久隆(たんぽぽ舎)

 本日は、おそらく今年夏最後の猛暑日になるかもしれない。というわけで、電力使用のデータを取ってみたところ、看過できないデータが取得できたので報告します。
 まず、最大電力使用設備に関するデータです。

単位万kw
北電 東北 東京 北陸 中部 関西  中国  四国 九州  合計
 461 1,361 4,954 529 2,351 2,589 1,050 482 1,442 15,219 最大使用

北電 東北 東京 北陸 中部 関西 中国 四国 九州  合計
 511 1,458 5,506 569 2,666 2,986 1,162 571 1,608 17,037 供給力

比率は以下の通り(単位%)
北電 東北 東京 北陸 中部 関西 中国 四国 九州 合計
 90.2 93.4 90.0  93.0 88.2 86.7  90.4 84.4 89.7 89.3

東側(北電、東北、東京)と西側(北陸、中部、関西、中国、四国、九州)の合計を比較すると次のようになります。
   東側         西側
   6,776         8,443
   7,475         9,562
   90.7%         88.3% 
ただし西側電力各社の間では融通が行われています。
その電力間融通は次のような状況です。
   北陸   中部  関西  中国  九州
   ▲ 7  ▲ 76   147  ▲ 64
   ▲ 3  ▲ 65      ▲ 42  110
この融通をなかったこととしてみましょう
融通分は当然ながら各社の電力設備そのものです。

北電 東北 東京 北陸 中部 関西 中国 四国 九州 合計
 461 1,361 4,954 529 2,351 2,589 1,050 482 1,442 15,219 最大使用

北電 東北 東京 北陸 中部 関西 中国 四国 九州 合計
 511 1,458 5,506 579 2,807 2,839 1,268 571 1,498 17,037 供給力

比率は以下の通り(単位%)
北電 東北 東京 北陸 中部 関西 中国 四国 九州 合計
  90.2  93.4  90.0  91.4  83.8  91.2  82.9  84.4 96.3 89.3

 では、広域融通をしているデータから、大飯原発の2基を止めてみましょう
この場合、追加で火力設備などは投入しません。
          関電      西側
  (2,986-118-118)=2,750      9,326
          94.2%      90.1%
 そうすると、関西電力の設備は2,750万kwになります。使用電力2,589万kwとの比率は関電単独で94.2%になります。たしかに厳しくなりますが、西日本の広域連係をさらに行えば十分カバーできます。西側全部の設備から大飯原発を抜いたデータで90%です。10%の予備率は問題のない水準です。
 と、ここで終わったのでは前回報告に最新データを当てはめただけですから、新たな情報はありません。しかし、このデータと前回以前のデータを見比べたら、そのからくりが分かるのです。
 電力会社(というより経産省か電事連か?)は、今年夏、電力が逼迫してもらわねば困るわけですが、既に報道などで「大飯を止めていても全く問題が無かった」などと書かれています。
 そこで、本日は猛暑日、練馬以北はかなり気温が上がっています。こんな日が日本全国で90%に達しないというわけにはいかないということで、逼迫感を演出しはじめました。最大使用を引き上げるというわけにはいかないので、供給力を減らしたのです
 今年夏に各電力会社が用意した供給力のうち、最大のものを本日用意したとすれば、現在よりも少なくても522万kw分も余分に用意できるのです。
 実際のデータは次のようになります。

北電 東北 東京 北陸 中部 関西 中国 四国 九州 合計
461 1,361 4,954 529 2,351 2,589 1,050 482 1,442 15,219 最大使用

北電 東北 東京 北陸 中部 関西 中国 四国 九州 合計
511 1,506 5,580 594 2,716 3,029 1,293 598 1,732 17,559 供給力

北電 東北 東京 北陸 中部 関西 中国  四国 九州  合計
  0 ▲48 ▲74 ▲25 ▲50 ▲43 ▲131 ▲27 ▲124 ▲522 単位万kw

 驚いたことに、全国足すと522万kw分も供給力を落としています。大飯原発4基分をも超えるのです。その結果が89.3%だから、粉飾も甚だしいというわけ。
 一体どれほど削減したかというと、次の通りです。
北電 東北 東京 北陸 中部 関西 中国 四国 九州 合計
  0  96.8 98.7 95.8 98.2 98.6 90.0 95.5 92.8 97.0%

 北海道電力は本日の供給力が最大なので0なのですが、後は軒並み供給力を落としており全体で3%もの供給力の低下になっているのです。
 今年最大の供給力で本日の最大使用率を割り出すと、全国では88.5%、それから大飯原発の2基分を差し引くと89.7%と、それでも90%には達しないのです。
 「大飯を止めると9割越え」という図式を作り出しているのが電力側。
 ますます、大飯再起動は何ら必要なかったことになり、そう言われたくない電力業界上げて、90%を超えるように意図的に供給力調整を行ったという実態が明るみに出てきました。
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