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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

中学校教科書検定結果など(2)

2005年06月16日 | 平和憲法
◆公立小・中学校で使用される教科書は、複数の市町村で共同して採択されることが多いようです。教科書を実際に使う現場の教職員の声は反映されているのでしょうか。

 日教組は、教科書採択について学校単位でそれぞれの教育課程に合わせて教科書を採択することを展望しています。
 当面、採択地区の小規模化のとりくみ、教科書の調査研究に教職員が関与できる条件整備を求めてとりくみをすすめていきます。
 このことは政府も97年3月に閣議決定しているにもかかわらず、実現していません。
 いままでの採択状況を見ると、教科書センター以外に「学校巡回」「地区巡回」で教科書の展示が実施されたところもあります。しかし、「教科書見本本が閲覧できない」「学校巡回の時間が短い」「教科書研究の時間保障がない」など、教職員の意見が反映されにくい実態があります。子どもたちと直接かかわる教職員が教科書の調査研究に関与できる条件整備をさらにすすめるとりくみが必要だと考えています。
 近年、非常に問題なのは、教科書採択が、政治的な動きの中ですすめられている状況があることです。
 前回の検定から都道府県教委が指導により市町村教委の採択基準を変更させ、「学校票」の制度を廃止するなど教職員の意見を反映させないような動きもあります。
 また、選定委員会(採択地区に設置)や教科用図書選定審議会(都道府県教育委員会に設置)の審議内容は公開されていないのが現状です。
 密室で、だれも知らないうちに子どもたちが使用する教科書が決められていくのではなく、公正・公平・透明性を確保し、その地域の学校の教職員や保護者・地域住民の意見が十分反映された「より開かれた」採択としていくことが重要だと考えています。
 教科書の調査研究に当たる教職員の数を増やし、調査研究に必要な十分な時間確保、展示会場を増やし開設の期間や時間を延長するなど、より多くの保護者や市民の意見反映を図ることこそ重要です。

◆日教組は、どのような視点から、教科書採択にあたろうとしているのでしょうか。

 日教組は、中学校教科書の採択に向けて社会科(歴史・公民分野)の教科書白書を作成し、6月上旬には各単組・支部に配布します。
 全教科について検討資料を作成できませんでしたが、是非、学校現場での教科書研究に役立てていただきたいと思います。
 子どもたちが、自ら問題を見つけて調べたり、考えたりすることができる教材の構成になっているか、世界やアジアの歴史と結びついた日本の歴史事実を正確に伝えているか、平和・人権を尊重する共生社会の実現に結びついた歴史認識、国際認識を育てる内容になっているかなどの観点をもつことが必要です。
 今後、8月の教科書採択を前に6~7月は、各採択地区・市区町村教委での採択作業という山場になります。
 子どもたちにアジア諸国をはじめ、世界の平和、共生社会の実現をめざす実践力を育むために、内容豊かな教科書の採択に向けたとりくみをすすめていきましょう。
 教科書採択を期に、各学校の教育課程のあり方とどのような教科書がふさわしいかについて、職場で大いに議論してほしいと思います。
 そして是非、保護者、地域住民と一緒に教科書展示会場に出向き、実際に教科書を見比べてほしいと思います。


(「日教組教育新聞」2005.6.1から)
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