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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ひのきみ全国ネット 不当処分抗議・思想転向研修抗議声明

2016年05月12日 | 日の丸・君が代関連ニュース
東京都教育委員会 教育長 中井敬三 様
2016年5月11日
許すな!「日の丸・君が代」強制、止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊
全国ネットワーク★連絡先:「ひのきみ全国ネット」代表世話人・小野政美

 ◎ 東京都教育委員会による田中聡史さんへの憲法違反の「服務事故再発防止研修」に断固抗議する!

 1.本日、5月11日、東京都教育委員会が東京都立石神井特別支援学校教員・田中聡史さんに対して行う日本国憲法で保障された「思想・信条・良心の自由」を侵害する「服務事故再発防止研修」を中止せよ。
 1.東京都教育委員会による東京都立石神井特別支援学校教員・田中聡史さんへの憲法違反の卒業式「君が代」不起立に対する「懲戒処分」(減給10分の1、1,月)に断固抗議する。東京都教育委員会は、田中聡史さんへの憲法違反の不当処分を直ちに撤回せよ。
 本抗議声明・要請書に対する誠意ある回答を、「ひのきみ全国ネットワーク」連絡先宛に求める。
 なお、「ひのきみ全国ネット」としての抗議・要請書は、東京都教委宛に、既に3月29日付と4月5日付で提出している。しかし、4月22日付で、東京都教育庁総務部教育情報課長名のたった2行、「要請書に対する回答」が、「処分撤回は、考えておりません」、「個別の職員の人事に関する事項については、お答えできません」(所管:人事部職員課)との無礼千万な「回答」が届いた。今回の都教委による誠意のかけらもない「回答」に断固抗議する!
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 1.私たちは、卒業式「君が代」不起立による被処分者である田中聡史さんに対して、私たちの中止要請にもかかわらず、東京都教育委員会が本日、2016年5月11日、東京都教育研修センターにおいて行う、憲法違反の「服務事故再発防止研修」に断固抗議する。田中聡史さんへの「服務事故再発防止研修」即時中止せよ!
 2.4月15日、東京都教育委員会は、私たちの不当処分を行うなとの要請にもかかわらず、2016年3月24日の東京都立石神井特別支援学校卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかった教員・田中聡史さんに対して、4月14日の東京都教育委員会第6回定例会決定により、「懲戒処分」(減給10分の1、1月)の発令を強行したことに対し、怒りを込めて抗議するものである。
 今回の処分により、田中聡史さんに対する「君が代」不起立処分は、「減給10分の1、1月」が7回、「戒告」が3回、合計10回の処分となった。
 東京都教委による今回の処分は、この間の東京都教委による「君が代」不起立処分に関する裁判において、最高裁判決及び東京地裁・東京高裁判決が確定した、「懲戒権者の裁量権の範囲を超え、違法」を理由に減給以上の処分を取り消した判決の流れに対抗するものであり、東京都教委が直ちに不当処分を撤回することを求めるものである。
 3.私たちは、3月24日、東京都教育委員会が、第5回定例会において、東京都立高校2校の卒業式で起立しなかった教員2名、式場に入場しなかった教員1名の懲戒処分(「戒告」)を決定し、3月25日、東京都教育庁人事部職員課管理主事が2校に出向いて処分発令を強行したことに強く抗議する。
 さらに、東京都教委が4月5日に行った「君が代」不起立など都立高校卒業式関係被処分者2名への「服務事故再発防止研修」にも重ねて強く抗議し、処分の撤回を求めるものである。
 4.東京都教育委員会が教育に支配介入し、「子どもの最善の利益」を保障する教育を破壊し、都教委の政治介入「10.23通達」を発出し、「君が代」起立を拒否する教職員を処分すること、全教職員が起立する姿を見せることによって、子どもたちに「日の丸・君が代」の尊重を刷り込むことは、「個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求する人間の育成」を目的とする教育条理に反し到底許されるものではない。「君が代」不起立処分は、この間の東京都教委による「君が代」不起立処分に関する裁判において、最高裁判決及び東京地裁・東京地裁判決が確定した、「懲戒権者の裁量権の範囲を超え、違法」を理由に減給以上の処分を取り消した判決の流れに対抗するものであり、東京都教委による教育支配介入、「君が代」不起立による処分が国際社会に通用するものではないことは自明の理である。
 5.ここ数年の「君が代」訴訟において、澤藤統一郎弁護士のまとめによれば、以下のように、東京都教委は12連敗の敗訴が続いている。
①2013年12月東京地裁判決。再発防止研修未受講事件(原告Fさん・都立高校)で減給6月の処分取消。控訴なく確定。
②2014年10月東京高裁判決。都立高教員の再任用更新拒否損害賠償請求を認容。都教委上告せず確定。
③2014年12月東京高裁判決。都立高教員条件付き採用免職事件で勝訴。都教委上告せず確定。
④2015年1.月東京地裁。都立高教員免職処分執行停止申立を認容決定。
⑤2015年5.月東京地裁判決。再雇用拒否撤回二次訴訟(原告22名)原告勝訴。都側が控訴し高裁でも敗訴(下記⑩)。
⑥2015年5月東京高裁判決。河原井さん根津さん停職処分取消訴訟で逆転勝訴。都側が上告。
⑦2015年10月東京地裁判決。岸田さんの停職処分・人事委修正裁決取消訴訟で原告勝訴。都教委が控訴し高裁で係争中。
⑧2015年10月東京地裁判決都立高校教員0さん免職処分取消。都教委が控訴。
⑨2015年12月東京高裁判決。東京「君が代」裁判三次訴訟。都教委敗訴(5名の減給・停職処分取消)について上告を断念。
⑩2015年12月東京高裁再雇用拒否撤回二次訴訟判決原告勝訴。都教委が上告受理申立。
⑪2016年1月東京高裁、都立高校教員0さん免職事件執行停止決定。
⑫2016年3月都立高校教員0さん免職事件控訴棄却東京高裁判決。
 東京都教委が処分者として関わった教育裁判で12連敗もしているのである。その内、7件が「日の丸・君が代」強制関係、その他が5件である。
 その他の5件も含めて都教委による教育・教職員への強権を表すもの以外の何物でもない。都教委は、これらのすべての裁判の上告受理申立を即刻中止しなければならない。
 6.2014年7月24日に発表された国連・自由権規約委員会の「総括所見」においては、「日の丸・君が代」に関して、以下のように表明されていることも確認されなければならない。
 ★「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約
 22本委員会は、「公共の福祉」の概念はあいまいであり、無制限であるということ、そして、規約(arts.2,18and19)の下で許容されるものを大きく超える制約を許容するかもしれないということへの懸念を改めて表明する。
 本委員会は、以前の最終所見(CCPRICIJPNICO/5,para.10)を想起し、第18、19条の第3項における厳しい条件を満たさない限り、思想、良心、宗教の自由や表現の自由の権利に対するいかなる制約をも押し付けることを差し控えるように締約国に要求する。
Restriction of fundamental freedoms on grounds of "public welfare"
 22.The Committee reiterates its concern that the concept of "public welfare" is vague and open-ended and may permit restrictions exceeding those permissible under the Covenant (arts. 2, 18 and 19).
The Committee recalls its previous concluding observations (CCPR/C/JPN/CO/5, para. 10) and urges the State party to refrain from imposing any restriction on the rights to freedom of thought, conscience and religion or freedom of expression unless they fulfil the strict conditions set out in paragraph 3 of articles 18 and 19.
 上記の見解は、委員会が18条だけでなく、19条にも言及した背景に、学校における「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱に抵抗した教員に対する懲戒処分が、思想、良心、宗教の自由を侵害するものであるという主張について考慮された見解である。
 国連・自由権規約18条第3項に該当しない「思想・良心・宗教の自由」に対する制約は、国際規約上許されるものではないので、「10.23通達」及び、「10.23通達」に基づく職務命令は、国際条約違反であり、職務命令違反の処分は全て無効である。
 7,私たちは、この間、東京都教委が卒業式・入学式「君が代」不起立を理由にした被処分者への「服務事故再発防止研修」として、長期にわたる所属校研修・月1回の教職員センターの指導主事所属校訪問研修・教育センター研修を行っていることに強く抗議するものである。
 東京都教育委員会が行う被処分者に対する「服務事故再発防止研修」は、私たちが再三指摘しているように、日本国憲法で保障された「思想・信条・良心の自由」違反、自由権の国際基準違反であり、自分で考えずに指示に従う子どもや教職員にすることになる「思想転向研修」とも言える「研修」である。
 被処分者は、「思想・信条・良心の自由」を侵害され、個人の尊厳を奪われ、精神的苦難と減給による経済的損失を与えられる不当処分を受けるとともに、「再発防止研修」という名の「思想転向研修」を強制されるのである。
 8.「再発防止研修」に関しては、2004年7月、不起立・不伴奏者対象に初めて再発防止研修が行われる直前の執行停止申立に対して東京地裁・須藤裁判官は、2004年7月23日、本件研修が未実施であることから現段階では却下と決定したものの、実際に実施される研修が「例えば、研修の意義、目的、内容等を理解しつつ、自己の思想、信条に反すると表明する者に対して、何度も繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容されている範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生ずる可能性があるといわなければならない」として、やり方によっては「違憲・違法」の問題が生ずることを指摘していたことを改めて確認しなければならない。私たちは、「君が代」不起立被処分者に対するすべての「服務事故再発防止研修」の中止を強く求めるものである。
 9.私たちは、東京都教育委員会による「日の丸・君が代」強制、「日の丸・君が代」不起立処分、そして「日の丸・君が代」不服従被処分者への転向強制研修の3点をセットにした東京都教育委員会による権力的行為が、学校現場で、子どもたちや教職員の人間の尊厳を奪い、「思想・信条・良心・教育の自由」を全面的に破壊していることに対し断固抗議する。
 10.私たちは、東京都教委が行っている「都教委という行政権力の命令・行為にひとりの不服従者も許さない」ことにより「もの言わぬ教員」をつくろうとする暴挙が、2016年3月29日の安保法制の施行により「新たなる戦前」に向かう日本の「軍国主義教育」の新たなる始まりと密接に繋がっていることも重視している。東京都教育委員会は、安倍政権による集団的自衛権行使容認と安保法制施行を前提に、戦争準備体制の強化と軍国主義教育の開始とが密接に結びついた事実を積み重ねているのである。
 11.日本の戦前の教育は、国家が教育を全面支配し、学校は「教育勅語」に基づく教育によって、忠君愛国の精神で天皇のために命を捧げる「少国民」を育成する場として、子どもたちと人々を侵略戦争に動員する上で決定的な役割を果たした。そのことを、歴史的事実としてだけでなく、現在の話として想起しなければならない。「教室から、学校から戦争は始まる」。
 12.東京都教育委員会による「10.23通達」から13年が過ぎた現在、2016年3月の東京都教育委員会による不当処分により、卒業式・入学式などで「君が代」斉唱時の起立・斉唱、ピアノ伴奏を強制する都教委の2003年「10。23通達」による処分者数は、延べ478名となった。
 東京都教委の「君が代」強制に対し、処分をされ不利益を受けようとも、どのような処分や脅しを以ってしても、「君が代」不起立者はこれからも絶えることはないであろう。
 それは、「君が代」不起立が、間違った職務命令には従ってはならないという、子どもたちへの直接に教育責任を負う教員としての良心からの行動であり、東京都教委による憲法違反の「君が代」強制に対する「思想・信条・良心・教育の自由」に基づく正当な権利行使としての「君が代」不起立だからである。
 13.私たち、〈許すな!「日の丸・君が代」強制、止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊全国ネットワーク〉は、全国各地の現職教員や退職教員、保護者、市民、労働者とともに、今回の都教委の不当処分を撤回させるまで、全国各地で抗議の意思を表明していく。
 私たちは、日本国憲法で保障された内心の自由・良心の自由・思想の自由・表現の自由を侵害し、自分で考えずに指示に従う子どもや教職員にすることに繋がる「君が代」処分を断固として許さず、また「服務事故再発防止研修」中止を強く求めていく運動を進めていくものである。
 さらに、私たちは、東京都教育委員会が行う「君が代」不起立被処分者への不当な「センター研修」・「訪問研修」という名の「思想転向研修」を止める日まで、東京都民・全国各地の教員・保護者・市民とともに、日本国憲法違反の「センター研修」・「訪問研修」の中止を求め、徹底して抗議の声を上げ闘い続ける決意である。
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