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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「都議選惨敗」でも油断できないアベ改憲攻勢

2017年07月24日 | ノンジャンル
 ◆ 憲法の危機状況は続く
   壊憲勢力に壊滅的打撃を
(週刊新社会)
ジャーナリスト山口正紀(「人権と報道・連絡会」世話人)

 ◆ アベの9条改憲の執念
 何が何でも、自分の首相任期中に「9条改憲」を実現したい-安倍晋三という極右政治家の言動には、そんな執念を感じる。
 憲法施行70年の5月3日、『読売新聞』一面トップ記事の見出しにギョッとした。 《憲法改正20年施行目標/首相インタビュー/9条に自衛隊明記》
 -内容は、①憲法改正を実現し、東京五輪が開かれる2020年の施行を目指す②9条の1項2項を残したまま、新たに自衛隊の存在を明記するよう議論を求める③教育無償化に関する日本維新の会の提案を歓迎する、というものだった。
 9条1・2項を残して自衛隊の存在を明記する?自民党はいつそんなことを決めたのか。公明党の加憲論、維新の教育無償化論に迎合した唐突な主張だ。
 9条2項に手を付けなければ改憲発議に必要な「3分の2」を固められると考えたのか。20年と言えば、あと3年足らず。だが、東京五輪と「改憲」には何の関係もない。まさに、目を疑う内容だった。
 自民党はこれまで一貫して「戦力不保持と交戦権否認を定めた9条2項を改め、国防軍を創設する」と主張してきた。その大転換を、安倍首相は一新聞紙上でいきなり発表した。
 『読売』はこれに呼応し、同日付の社説《憲法施行70年/自公維で3年後の改正目指せ/「本丸」に着手するなら戦略的に》で、《首相自らが、あえて改正の目標年を明示して、議論の活性化を図ったことは評価できよう》と持ち上げた。
 記事掲載10日前の4月24日、安倍首相と渡邊恒雄・読売新聞グループ本社主筆は都内の料理店で会食していた。
 安倍首相は5月8日、衆院予算委員会で民進党議員から「改憲発言」の趣旨を質問されると、「自民党総裁の考え方は読売新聞に書いてある。ぜひそれを熟読して頂いてもいい」と答弁した。国会を軽視し、「お気に入りメディア」と組んで壊憲へ突っ走ろうというのだ。
 同じ8日、安倍首相は自民党役員会で「いよいよ憲法改正への歴史的な第一歩を踏み出したい」と述べて「年内に案をまとめるよう」求め、12日には自民党憲法改正推進本部の保岡興治本部長に改憲原案作りを指示した。
 ◆ 横暴・無分別な改憲日程
 6月15日、安倍政権と与党は、参議院法務委員会の採決を飛ばして本会議採決という騙し討ちで「共謀罪法」を可決・成立させた。
 「戦争する国づくり」に抗する市民運動や労働組合を監視・弾圧する現代版治安維持法だ。
 「森友・加計疑惑」追及を封じ、通常国会を乗り切ったと考えたのか、安倍首相は24日、神戸で講演し、「秋の臨時国会までに自民党の改憲案をまとめ、年内に衆参の憲法審査会に出したい」と述べた。
 25日付『読売』は「改憲日程」として、①17年秋以降、自民党改憲案を衆参憲法審査会に提出、②18年の通常国会で議論し、6月に改憲発議、③18年8~12月に国民投票実施④20任施行-と報じた。
 『読売』関連記事は《自民党が検討を進める憲法改正の4項目》の一つに緊急事態条項を挙げた。麻生太郎・副総理推奨の「ナチス式改憲」も盛り込もうとしているのだ。
 ◆ 新たな壊憲勢力構築か
 しかし、安倍一強に傲り、国政を私物化し、疑惑にフタをして強引な国会運営を続けた政権・与党を世論は許さなかった。
 国会閉会後の19日、各紙が一斉に世論調査結果を発表。内閣支持率は軒並み10ポイント以上も急降下し、『毎日』調査ではついに、「不支持」が「支持」を上回った。
 さらに7月2日投開票された東京都議選では、自民党は過去最低の38議席も大きく下回る23議席と惨敗した。
 それでも安倍首相は強気の姿勢を崩さず、4日付『毎日』に掲載されたインタビューで、「今秋の臨時国会に自民党の憲法改正案を提出する方針は変わっていない」と述べた。
 支持率急降下都議選惨敗で、安倍首相の描く「改憲日程」の実現は難しくなった、との見方・報道もある。
 しかし、少なくとも19年12月まで、衆参国会で壊憲勢力が「3分の2」を占める「憲法の危機」状況が続く。
 「都民ファースト」を率い、都議選で大勝した小池百合子都知事は当面「反自民」を装うだろうが、「反安倍」「反改憲」ではない。
 かつて「維新」を率いた壊憲派の橋下徹・元大阪市長とも親和的だ。「小池新党」が作られたとしても、安倍首相はそれも取り込んで、「新たな壊憲勢力」形成に動く可能性がある。
 私たちは壊憲阻止に向け、さらに闘いを強める必要がある。「20年改憲」の危険性を伝え、国会内外の幅広い共闘を通じて、次期総選挙で壊憲勢力に壊滅的打撃を与えたい
『週刊新社会』(2017年7月18日)

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