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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

2012年当時の生活水準に戻すには7%の賃上げが必要、実際の賃上げは2%

2019年06月05日 | 格差社会
  =19春闘を振り返って(週刊新社会)=
 ◆ 生活改善に遠い回答
   ベアは大手のみ 困窮生活は続く!


 19春闘回答は、3月13日の自動車・電機などJC大手主要労働組合からはじまった。
 安倍首相の茶番劇「経団連会長に賃金引き上げをお願いしたい」(12月26日)の一幕もあったが、政府と経営側が結託して「ベアよりも年収ベース」に追いやられた。
 トヨタは、定昇含む月例賃金表示で、2年連続でベア公開もしない。
 自動車の日産は3000円、ホンダが1400円。
 電機は、軒並み昨年を下回る1000円となった。
 トヨタ経営者は、春闘を前にコメントし、「トヨタを基準にすると他産業に迷惑をかける。トヨタの平均年収は770万円。ベア回答を公表すると水準も上がり混乱をきたす。トヨタの出番は控えさせていただく」と労使で確認した。
 トヨタのコメントは、「大手回答で中小に波及する」春闘構図を否定したものだ。
 春闘回答は、年間べースで固められた。一時金、手当などの決着が主流を占め、大手から中小への配給効果が行き届かない。
 JC大手低額ベア回答は、他産別のベア回答を凍結させた。
 私鉄大手こぞってベアゼロ、一時金プラスαの回答で押さえつけられた。
 中小に至っては、べアどころかだ定昇相当分さえ確保できない。それでも経営側は、「定昇を賃上げ」と規定して労働者の賃上げ意識を惑わしている。
 圧倒的多くの正社員が定昇のみの賃金確保で、非正規雇用労働者に至っては、定昇さえ確保もできない。
 春闘のトップバッターJCなど大手組合の賃金回答が「抑圧バネ」になっている。
 これまでの19春闘集計は、①連合=6217円(2.10%)、②経団連=8310円(2・46%)。
 日本は、GDPで世界3位の経済大国(国民1人当たりのランキングは20位)。内部留床は446兆円に膨らみ、この1年で40兆円も伸ばした。景気回復も76カ月続く最長記録し続けていると政府は発表している。
 しかし、春闘回答時になると、貿易摩擦などを取リ出し「経営の先行き不安」を煽る。マスコミの論調も同様に「経済の厳しさ」に変わってくる。
 第2次安倍政権発足俊、実質賃金の低下が加速している。
 2012年当時の生活水準に戻すには、19春闘で大幅賃上げ、7・16%(2万3000円)まで引き上げないと生活の回復はできない。
 その持ち出し原資は、18・36%(内部留保の2・46%程度)。この1年間で40兆円も膨らませた資本のふところを見れば余裕の金額だ。
 賃上げの経済効果は18・77%に膨らみ、税収は1・38%も伸びる。
 資本家だけに潤いを与えるアベノミクスは、確実に労働者の生活を苦しめている。

『週刊新社会』(2019年6月4日)

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