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第9回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会資料から(16)全国②

2019年08月05日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 「一同御起立願います。礼」
2019.7.21. 千葉県高等学校教職員組合 石井 聡

 今年の入学式に出て思ったことがある。教頭による開式の辞が行われる前に「一同御起立願います。礼」が行われている。閉式の辞のあとも同様である。
 開式・閉式の前後に何でそんなことをするのか、開式・閉式の辞では起立しないのに、何かよくわからない「一同御起立」で全員を立たせている。
 「一同御起立」がない県立高校もある。
 前はなかったのに、いつのまにか式の前後に行われるようになったという声も聞く。式の前に「参加者一同、式をしっかりやりましょうという趣旨で行いたい」との説明で導入された高校もあるそうだ。
 しかし、この説明が偽善のなせる業であることは明らかである。
 「一同御起立」は、戦前、天皇の「御真影」に向かって行われたもので、それがなくなった今日、壇上に掲げられた日の丸を代用品として行っているのである。
 言わば、人ではなく、旗というモノに挨拶を強要する行為なのである。

 スイスの『ヴィルヘルム=テル伝説』のなかに、悪代官ゲスラーが代官所の門柱に自分の帽子を載せ、「代官所の前を通る時にはこの帽子にお辞儀をせよ」とスイス人に強要する場面がある。
 モノに挨拶するなんてバカらしいと思ったテルがお辞儀をしなかったら逮捕されてしまう。
 それと同じことが入学式・卒業式で行われている訳である。これをどのように考えたらよいのだろうか。
 数年前から私は、この「一同御起立」を不起立しているが、その結果、1回の式典で3回不起立することになる。時間にして合わせて1分ほどであるが、これに指導が入った場合、合わせ技1本でいきなり停職になるのだろうか。
 昨年度、千葉県の高校には1人1台業務パソコンと抱き合わせで静脈認証システムが導入された。
 コンピュータ配布と同時に「では、静脈認証をしてください。生徒の個人情報を守るためです」と、同意書もとらずに静脈情報が奪い取られた。静脈情報は生体情報であり、指紋と同様、究極の個人情報である。
 認証の強要は、憲法13条が保障する「身体の自己決定権」を侵害することであろう。どうも千葉県にとっては、生徒の個人情報は大切だが、教員の個人情報は大切ではないらしい。
 後から「嫌だったので、静脈データを返してくれ」と申し出た職員に対し、県は「認証をした段階で同意したものとみなす」と、突っぱねている。
 「情報が漏れたら、誰が責任をとるのか?」の質問には、県は「業者が補償する」と言い、県の責任は認めていない。
 しかし、その業者は富士通の系列会社で、10年ほど前に千葉県の仕事で情報漏洩を起こしている。これで大丈夫なのだろうか?一度流出したら、生体情報は変更することができない。
 銀行などのセキュリティを静脈認証で行っている教職員の不安はぬぐえない。

 職場では、認証拒否者に対して「仕事に支障をきたすので、認証してください。あなたがしないので迷惑しています」という同調圧力がかかっている。静脈認証も君が代と同様、踏み絵になっているのである。しかも、こちらは業務とリンクしているので余計に始末が悪い。
 圧力は跳ね返すにしても、仕事に支障をきたすので困っている良心的拒否者もいる。今や、千葉県の県立高校教職員1万人強のうち、拒否し続けているのは、20名くらいであろうか。ちなみに、千葉県当局は「静脈認証はお願いであって強制ではありません」と言って責任逃れをしている。
 したがって、認証したくない人は、仕事の際には管理職に申し出て、管理職の静脈を使って、その都度システムに入れるようにしてもらえばよいのである。
 追記:私の職場では、9月から職員会議はパソコン持ち込みで行い、ペーパーレスにするとのお達しがあった。認証を拒否している2名の運命や如何?
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