◎ ホロコースト犠牲者を想起する国際デー(1月27日)に寄せる
アントニオ・グテーレス国連事務総長ビデオ・メッセージ
アントニオ・グテーレス国連事務総長ビデオ・メッセージ
私たちはきょう、ホロコーストで命を奪われた600万のユダヤ人の男女や子どもたち、ロマやシンティの人々、未曽有の恐怖と計画的な残虐行為の数えきれないその他の犠牲者を追悼します。
ホロコーストは、国連を定義づけました。
国際連合という名称はまさに、ナチス政権およびその協力者と闘う連合を表すものとしてつけられたのです。
国連憲章は、ダッハウ強制収容所の解放とともにサンフランシスコで起草されました。
国連は常に、反ユダヤ主義やその他の形のすべての宗教的偏狭、人種主義との闘いの最前線に立たなければなりません。
今日、私たちは憂慮すべき排外主義や憎悪の再燃を目の当たりにしています。
最も古く最も根強い偏見の形である反ユダヤ主義が、ふたたび広がりつつあります。
ホロコーストを軽視したり完全に否定したりする試みが急激に増えています。
不合理や不寛容から逃れられる社会はありません。
ホロコーストは、防ごうとすれば防げたものであることを、決して忘れてはなりません。
犠牲者の必死の嘆願は顧みられませんでした。
あまりに僅かな人しか声を上げず、また耳を貸しませんでした。連帯して立ち上がった人はさらに少数でした。
過去を思い起こすことは、未来を守るために極めて重要です。
憎悪に対する沈黙は、共犯なのです。
私たちはきょう、他者の苦しみに決して無関心とならない、そして起きたことを決して忘れたり忘れたままにさせたりしないと決意しましょう。
常に警戒を怠らず、すべての人々の人権と尊厳を擁護しようではありませんか。
ありがとうございました。
『国際連合広報センター』(2022年01月27日)
https://www.unic.or.jp/news_press/messages_speeches/sg/43420/
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