◆ “日本メディア 独立性に懸念” 国連特別報告者 (NHKNEWS)
世界の表現の自由の状況を監視する国連の特別報告者が、スイスで開かれている国連人権理事会で、日本のメディアの独立性に懸念を示す報告書を提出しました。これに対して日本政府は「表現の自由は憲法で最大限に保障されている」と反論しました。
国連の特別報告者でアメリカ・カリフォルニア大学教授のデービッド・ケイ氏は26日、スイスのジュネーブで開かれている国連人権理事会に出席し、日本のメディアの独立性に懸念を示す報告書を提出しました。
報告書の中でケイ氏は、日本では政府当局者が記者に直接・間接的な圧力をかけたという報告があったとしたうえで、特定秘密保護法などの影響で、政府を批判する報道や調査報道が萎縮してしまっていると指摘しています。
ケイ氏は2年前にも日本政府に対し、法律を改正するなどしてメディアの独立性を強化するよう勧告する報告書を国連人権理事会に提出していますが、「改善に向けた進展は見られない」と指摘しています。
これに対し、理事会に出席した在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の岡庭健大使は「表現の自由は憲法で最大限に保障されている。日本政府は民主主義や自由といった基本的価値観を守るための取り組みを進めている」と反論しました。
ケイ氏はトルコやイスラエルなどの表現の自由の現状についても報告書をまとめていて、国連人権理事会で合わせて議論されました。
『NHK政治マガジン』(2019年6月27日)
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/19310.html
◆ 日本メディアの独立懸念
国連報告者「政府は勧告未履行」 (東京新聞)
【ジュネーブ=共同】 言論と表現の自由に関する国連のデービッド・ケイ特別報告者が、日本では現在もメディアの独立性に懸念が残るとする新たな報告書をまとめたことが四日分かった。日本の報道が特定秘密保護法などで萎縮している可能性があるとして同法の改正や放送法四条の廃止を求めた二〇一七年の勧告を、日本政府がほとんど履行していないと批判している。
報告書は、六月二十四日開幕の国連人権理事会に正式に提出される予定。
報告書によると、日本政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法四条は効力を持ち続けており、事実上、放送局への規制になっていると指摘。
政府に批判的なジャーナリストらへの当局者による非難も「新聞や雑誌の編集上の圧力」と言えるとした。「政府はジャーナリストが批判的な記事を書いても非難は控えるべきだ」としている。
ケイ氏は一七年に公表した対日調査報告書で、日本政府に十一項目を勧告。勧告に法的拘束力はないが、政府は不正確な情報に基づくと反論していた。ケイ氏は調査の結果、九項目が履行されていないとしている。
◆ 勧告11項目と履行状況
デービッド・ケイ特別報告者が日本政府に勧告した十一項目の主な内容と履行状況に関する評価は次の通り。
【ジュネーブ=共同】デービッド・ケイ特別報告者の報告書は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設への抗議活動などに日本の当局が圧力を加えたり、過度に規制したりし続けていると批判した。
特に抗議活動に絡み威力業務妨害などの罪に問われた沖縄平和運動センターの山城博治(やましろひろじ)議長に対し懲役二年、執行猶予三年の刑が確定したことについて、表現の自由の権利行使を萎縮させる恐れがあるとした。
報告書は、山城氏が長期間拘束されたことに国連の特別報告者や恣意(しい)的拘束に関する作業部会が国際人権規約違反などとして日本政府に是正を求めたと指摘した。
その上で、集会と表現の自由は「密接に関連し、互いに補強し合っている」と強調した。
『東京新聞』(2019年6月5日【夕刊】)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201906/CK2019060502000286.html
『今 言論・表現の自由があぶない!』(2019/7/1)
https://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/29659877.html
世界の表現の自由の状況を監視する国連の特別報告者が、スイスで開かれている国連人権理事会で、日本のメディアの独立性に懸念を示す報告書を提出しました。これに対して日本政府は「表現の自由は憲法で最大限に保障されている」と反論しました。
国連の特別報告者でアメリカ・カリフォルニア大学教授のデービッド・ケイ氏は26日、スイスのジュネーブで開かれている国連人権理事会に出席し、日本のメディアの独立性に懸念を示す報告書を提出しました。
報告書の中でケイ氏は、日本では政府当局者が記者に直接・間接的な圧力をかけたという報告があったとしたうえで、特定秘密保護法などの影響で、政府を批判する報道や調査報道が萎縮してしまっていると指摘しています。
ケイ氏は2年前にも日本政府に対し、法律を改正するなどしてメディアの独立性を強化するよう勧告する報告書を国連人権理事会に提出していますが、「改善に向けた進展は見られない」と指摘しています。
これに対し、理事会に出席した在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の岡庭健大使は「表現の自由は憲法で最大限に保障されている。日本政府は民主主義や自由といった基本的価値観を守るための取り組みを進めている」と反論しました。
ケイ氏はトルコやイスラエルなどの表現の自由の現状についても報告書をまとめていて、国連人権理事会で合わせて議論されました。
『NHK政治マガジン』(2019年6月27日)
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/19310.html
◆ 日本メディアの独立懸念
国連報告者「政府は勧告未履行」 (東京新聞)
【ジュネーブ=共同】 言論と表現の自由に関する国連のデービッド・ケイ特別報告者が、日本では現在もメディアの独立性に懸念が残るとする新たな報告書をまとめたことが四日分かった。日本の報道が特定秘密保護法などで萎縮している可能性があるとして同法の改正や放送法四条の廃止を求めた二〇一七年の勧告を、日本政府がほとんど履行していないと批判している。
報告書は、六月二十四日開幕の国連人権理事会に正式に提出される予定。
報告書によると、日本政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法四条は効力を持ち続けており、事実上、放送局への規制になっていると指摘。
政府に批判的なジャーナリストらへの当局者による非難も「新聞や雑誌の編集上の圧力」と言えるとした。「政府はジャーナリストが批判的な記事を書いても非難は控えるべきだ」としている。
ケイ氏は一七年に公表した対日調査報告書で、日本政府に十一項目を勧告。勧告に法的拘束力はないが、政府は不正確な情報に基づくと反論していた。ケイ氏は調査の結果、九項目が履行されていないとしている。
◆ 勧告11項目と履行状況
デービッド・ケイ特別報告者が日本政府に勧告した十一項目の主な内容と履行状況に関する評価は次の通り。
(1)政府による介入の根拠となる放送法四条の廃止=未履行◆ 沖縄抗議への圧力批判 山城氏有罪 表現の自由萎縮恐れ
(2)歴史的出来事に関し教材で示された解釈に対し介入しない=未履行
(3)教科課程の作成過程の完全な透明化を保証する=一部履行
(4)国連の真実・正義などに関する特別報告者の訪日の招請=未履行
(5)政治活動を不当に制限するような公選法上の規定を廃止する=未履行
(6)特に沖縄における平和的な集会と抗議の権利を保障するために、あらゆる努力をする=未履行
(7)特定秘密保護法で安全保障上問題なく公益に資する情報については、開示しても処罰されない例外規定を設ける=未履行
(8)公益に資する情報の報道を促進する社会的規範の原則づくりを進める=評価できるだけの十分な情報がない
(9)特定秘密保護法の執行が適切に行われるように、専門家による監視組織を設置する=未履行
(10)広範に適用できる差別禁止法を制定=未履行
(11)将来的に通信傍受に関する法律を制定するに当たっては、独立した法機関の監視下で、極めて例外的な場合にしか、通信傍受は行わないと明記する=未履行
【ジュネーブ=共同】デービッド・ケイ特別報告者の報告書は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設への抗議活動などに日本の当局が圧力を加えたり、過度に規制したりし続けていると批判した。
特に抗議活動に絡み威力業務妨害などの罪に問われた沖縄平和運動センターの山城博治(やましろひろじ)議長に対し懲役二年、執行猶予三年の刑が確定したことについて、表現の自由の権利行使を萎縮させる恐れがあるとした。
報告書は、山城氏が長期間拘束されたことに国連の特別報告者や恣意(しい)的拘束に関する作業部会が国際人権規約違反などとして日本政府に是正を求めたと指摘した。
その上で、集会と表現の自由は「密接に関連し、互いに補強し合っている」と強調した。
『東京新聞』(2019年6月5日【夕刊】)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201906/CK2019060502000286.html
『今 言論・表現の自由があぶない!』(2019/7/1)
https://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/29659877.html
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