《被処分者の会通信から》
◆ 2019年卒・入学式の状況
「10.23通達」から16回目の卒入学式が終わりました。今年は不起立などでの処分者は一人もいませんでした。卒業式での処分がなかったのは、10.23通達発出以降初めてのことです。
3月30日、卒入学式対策本部主催の「卒業式総括集会」が行われました。卒入学式対策本部から、今年の卒業式を巡る状況が報告され、会場からも発言が相次ぎました。
「予行で国歌斉唱を行っていた」「式典では標準服を着ることになっている学校でセーター・カーディガンを下に着てはいけないという指導をすることになり、生徒が寒くて困っていた」等、今年の卒業式に起こったことを現職の教員が語りました。
例年、卒業式の日校門の外でビラまきを行っている都教委包囲ネットのメンバーから
「学校によっては受け取りが悪くなっている。A高校では、教室の窓を開けてビラを受け取るなと大声で叫ぶ生徒がいた。B高校では、受け取っていきなり目の前でビラを破った生徒がいた。C高校ではビラを配っている人に文句を言って身体を押してきた保護者がいた。D高校は警察を呼んできた」という活動報告があり、参加者から驚きの声が上がりました。
卒業式に派遣する職員に対して、都教委が「国旗に8回礼をすることや、声高らかに国歌斉唱すること」を指示したという会場からの発言には、卒業式の管理統制も次の段階-国旗敬礼や声量チェック-にまですすむのかと背筋が寒くなりました。
また、「再任用打ち切りの事前通告」という都教委の新たな攻撃も焦点となりました。56歳から60歳までの間に処分を受け、今年3月退職の教員への「懲戒処分がある職員に対する事前通告」という文書が1月24日の夜、人事部から校長にメールで送られました。
年金支給開始年齢に達するまでは都労連との合意があるので採用するが、その後は処分歴があるから任期を更新しないし、非常勤教員にも採用しないというとんでもない内容です。1年更新の再任用・非常勤教員の採用について、3年後は採用しないということを事前に通告するなんてあまりにも理不尽です。
改元、退位即位、オリンピックと、国旗国歌を強制しようとする空気は、今後学校外でも強まっていくに違いありません。先日集会で出会った女性から「フィギュアスケートの試合で君が代が流れた時起立しなかったら、周りの人からよってたかって責められた。」という話を聞きました。
また職場の同僚は「最近プロ野球の試合の前にも国歌斉唱が行われるようになった。昔はなかったのに。違和感があって私は起立しなかった。」と話していました。
不起立等の可能性のある教員が、担任にしてもらえないなど卒入学式から排除されている状態は続いており、これからは不起立などでの被処分者があまり増えないことが予想されます。しかし、「10.23通達」撤回を目指す闘いがなければ、状況はますます悪くなっていくでしょう。
私の職場にJETプログラムで配置されているアメリカ人青年は、卒業式の国歌斉唱で副校長がチェックして回っている様子を見て、「オーウェルの『1984』の世界を初めて目の当たりにした。恐ろしい」と言っていました。
こんな卒業式はなんとしても変えなければならないと思います。都立学校に自由と民主主義を取り戻すため、生徒のための卒入学式を取り戻すため、私たちは今後も粘り強く取り組みを続けます。
『被処分者の会通信 第123号』(2019.5.21)
◆ 2019年卒・入学式の状況
卒入学式対策本部・川村佐和
「10.23通達」から16回目の卒入学式が終わりました。今年は不起立などでの処分者は一人もいませんでした。卒業式での処分がなかったのは、10.23通達発出以降初めてのことです。
3月30日、卒入学式対策本部主催の「卒業式総括集会」が行われました。卒入学式対策本部から、今年の卒業式を巡る状況が報告され、会場からも発言が相次ぎました。
「予行で国歌斉唱を行っていた」「式典では標準服を着ることになっている学校でセーター・カーディガンを下に着てはいけないという指導をすることになり、生徒が寒くて困っていた」等、今年の卒業式に起こったことを現職の教員が語りました。
例年、卒業式の日校門の外でビラまきを行っている都教委包囲ネットのメンバーから
「学校によっては受け取りが悪くなっている。A高校では、教室の窓を開けてビラを受け取るなと大声で叫ぶ生徒がいた。B高校では、受け取っていきなり目の前でビラを破った生徒がいた。C高校ではビラを配っている人に文句を言って身体を押してきた保護者がいた。D高校は警察を呼んできた」という活動報告があり、参加者から驚きの声が上がりました。
卒業式に派遣する職員に対して、都教委が「国旗に8回礼をすることや、声高らかに国歌斉唱すること」を指示したという会場からの発言には、卒業式の管理統制も次の段階-国旗敬礼や声量チェック-にまですすむのかと背筋が寒くなりました。
また、「再任用打ち切りの事前通告」という都教委の新たな攻撃も焦点となりました。56歳から60歳までの間に処分を受け、今年3月退職の教員への「懲戒処分がある職員に対する事前通告」という文書が1月24日の夜、人事部から校長にメールで送られました。
年金支給開始年齢に達するまでは都労連との合意があるので採用するが、その後は処分歴があるから任期を更新しないし、非常勤教員にも採用しないというとんでもない内容です。1年更新の再任用・非常勤教員の採用について、3年後は採用しないということを事前に通告するなんてあまりにも理不尽です。
改元、退位即位、オリンピックと、国旗国歌を強制しようとする空気は、今後学校外でも強まっていくに違いありません。先日集会で出会った女性から「フィギュアスケートの試合で君が代が流れた時起立しなかったら、周りの人からよってたかって責められた。」という話を聞きました。
また職場の同僚は「最近プロ野球の試合の前にも国歌斉唱が行われるようになった。昔はなかったのに。違和感があって私は起立しなかった。」と話していました。
不起立等の可能性のある教員が、担任にしてもらえないなど卒入学式から排除されている状態は続いており、これからは不起立などでの被処分者があまり増えないことが予想されます。しかし、「10.23通達」撤回を目指す闘いがなければ、状況はますます悪くなっていくでしょう。
私の職場にJETプログラムで配置されているアメリカ人青年は、卒業式の国歌斉唱で副校長がチェックして回っている様子を見て、「オーウェルの『1984』の世界を初めて目の当たりにした。恐ろしい」と言っていました。
こんな卒業式はなんとしても変えなければならないと思います。都立学校に自由と民主主義を取り戻すため、生徒のための卒入学式を取り戻すため、私たちは今後も粘り強く取り組みを続けます。
『被処分者の会通信 第123号』(2019.5.21)
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