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大阪での「日の丸・君が代」強制による人権侵害について、国連にレポート提出

2020年07月15日 | 人権
  《大阪ネットニュースから》
 ◆ 国連自由権規約委員会へのレポート提出に向けて
   寺本 勉


 大阪ネットでは、国連自由権規約委員会(UNHRC)に、大阪での「日の丸・君が代」強制による人権侵害について、レポートを提出する準備をすすめています。
 このレポートの中では、特に国旗国歌条例や教育長通達・職務命令による卒・入学式での「日の丸・君が代」強制、不起立被処分者への再任用拒否、不起立三回で原則免職という職員基本条例による処分体制をとりあげて、こうした状況をやめさせるよう日本政府に勧告を出すように求めていく予定です。
 ◆ 国連自由権規約委員会とは

 国連自由権規約委員会は、国連総会で採択された自由権規約の履行状況を各国別に審査しています。審査にあたっては、各国政府の報告書、NGOなどからのレポートにもとづいて委員会が各国に「りスト・オブ・イシュー」と言われる質問を出します。
 それに対する政府からの回答やNGOなどからの追加レポートにもとづき、委員会が設定された会期中に審査して、総括所見という形で懸念事項や勧告を各国政府に出すことになっています。
 この勧告には法的拘束力はありませんが、その国の人権状況を示すものとして、大きな意味を持っています。
 日本については、過去6回の審査がおこなわれ、「日の丸・君が代」強制を含むさまざまな人権問題について、総括所見が出されてきました(注)。
 そして、今年10月に第7回審査が予定されており、大阪ネットからのレポートはこの第7回審査に向けたものです。
(注)第6回審査の総括所見の全体像については、日弁連のパンフレット「第6回政府報告書審査をふまえて自由権規約委員会は日本政府にどのような改善を求めているのか」に詳しく書かれています。「第6回政府報告書審査をふまえて」で検索すると、読むことができます。
 ◆ 「日の丸・君が代」強制をめぐる自由権規約委員会のこれまでの経過

 東京の「東京・教育の自由裁判をすすめる会」と「板橋高校卒業式事件から『表現の自由』をめざす会」を中心に、第6回審査(2014年)に向けて、それぞれレポートを提出し、東京における「日の丸・君が代」強制の実態とそれが自由権規約に違反していることを訴えました。
 その結果、自由権規約委員会は日本政府に対して、総括所見のパラグラフ22において、「...規約18条・19条のそれぞれ第3項に規定された厳しい条件を満たさない限り、締約国が、思想・良心・宗教の自由や表現の自由の権利に対していかなる制約を課すことをも差し控えるように強く要請する」とする懸念表明と要請をおこなったのです。
 しかしながら、日本政府は真剣にこの要請に向き合おうとはせず、依然として「日の丸・君が代」強制を続けている現状があります。
 ◆ 第7回審査に向けて大阪からもレポート提出を

 東京の仲間からは、大阪のレポート提出を望む声が以前から上がっていました。これに応えるとともに、大阪のひどい状況を国際的にも明らかにし、日本政府と大阪府に圧力をかけるために、今回、大阪ネットのレポート提出にとりくむことにしました。
 大阪ネットのレポートは、英訳もOFSETメンバーの協力を得てほぼ完成しています。
 ただ、新型コロナウイルスの影響で、3月の審査が途中で中断されたとのことで、本来なら10月12日から始まる会期でおこなわれる予定だった日本についての審査は延期される可能性もあります。どちらにしても、東京の仲間と連携しながら、審査中のロビー活動も含めて大阪の状況を訴えていきたいと考えています。
 大阪レポートも提出した段階で公開したいと考えています。ぜひご注目ください。

『大阪ネットニュース 20号』(2020年6月6日)

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