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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

全国ネット(準)の抗議・要請書

2015年04月01日 | 日の丸・君が代関連ニュース
東京都教育委員会 教育委員長 木村孟様
         教育長 比留間英人様
2015年3月31日(火曜)
許すな!「日の丸・君が代」強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク(準備会)
連絡先:「全国ネット」(準備会)世話人・小野政美

◎ 東京都教育委員会による不当処分抗議・要請書

 東京都教育委員会は、東京都立板橋特別支援学校教員田中聡史さんらに対して、「君が代」不起立を理由とした処分を絶対に行ってはならないという私たちの要請にもかかわらず、田中聡史さんに対して、「君が代」斉唱時に不起立だったことを理由とする懲戒処分(減給10分の1・1月)を行い、昨日3月30日に処分発令を行った。
 また、3月26日の東京都教育委員会決定に基づき、東京地裁判決(1月16日)で減給処分が取り消され、東京都教育委員会が控訴を断念し判決が確定した原告21名の内、現職9名の再処分を企み、そのうち1名(3月31日付退職予定者;処分時2008年3月東京都立蔵前工業高校在籍)に、3月30日、改めて戒告処分を発令(再処分を発令)した。
 東京都教育委員会による田中聡史さんらへの不当処分に抗議し、東京都教育委員会に対して、以下のことを強く要請する。なお、私たちが昨年度提出した要請書・要請項目に対して、東京都教育委員会は誠実な回答を行っていないので、今回の要請書に対しては、具体的な要請内容・理由を精査した誠実な回答を行うことをここに改めて要請するものである。
 本要請書に対する回答を、「全国ネットワーク」(準備会)連絡先宛に求める。

 ① 東京都教育委員会は、3月26日に行われた第5回定例会において、去る3月19日、東京都立板橋特別支援学校の卒業式において、「君が代」斉唱時に不起立であった当該支援学校教員田中聡史さんに対して、「君が代」斉唱時に不起立だったことを理由とする懲戒処分(減給10分の1・1月)を行い、3月30日に処分発令を行った。
 田中さんへの不当な不起立処分は、連続8回目であり、「戒告」3回、「減給1月」5回にも及ぶものである。この処分は、「懲戒権者の裁量権の範囲を超え、違法」として減給以上の処分を取り消した最高裁判決及び確定した下級審判決の趣旨を踏みにじるものである。東京都教育委員会による田中聡史さんへの不当処分に断固抗議し、即刻この不当処分を撤回することを要求する。
 ② また、3月26日の東京都教育委員会決定に基づき、東京地裁判決(1月16日)で減給以上の処分が取り消され、東京都教育委員会が控訴を断念し判決が確定した原告21名の内、現職9名の再処分を企み、そのうち1名(3月31日付退職予定者;処分時2008年3月東京都立蔵前工業高校在籍)に、3月30日、改めて戒告処分を発令(再処分を発令)した。
 東京都教委は、HPで、「本件服務事故については、平成27年1月の東京地方裁判所判決により、東京都教育委員会が発令した減給処分が取り消され、同処分の取消しが確定したことから、判決を踏まえて懲戒処分の程度を検討し、改めて戒告処分を行った」と説明しているが、東京都教委自ら控訴を断念して処分取消が確定したことを前提に当該被処分者に謝罪し、名誉回復・権利回復をすることこそが為すべきことである。しかし、7年前の事案で「減給処分ではなく戒告処分」再処分をすることは到底許されるものではない。このような東京都教委による不当な再処分に断固抗議するとともに、即刻、不当な再処分の撤回を求めるものである。
 ③ さらに、私たちは、被処分者である田中聡史さんに対する、東京都教育委員会による4月3日に予定されている「服務事故再発防止研修」の中止を強く求めるものである。
 東京都教育委員会が行う、被処分者に対する「服務事故再発防止研修」は、日本国憲法で保障された「思想・信条・良心の自由」違反、自由権の国際基準違反であり、自分で考えずに指示に従う子どもや教職員にすることになる「思想転向研修」とも言える「研修」である。私たちは、「君が代不起立」被処分者に対するすべての「服務事故再発防止研修」の中止を強く求めるものである。
 ★ 東京都教育委員会への要請とその理由について

 (1)去る3月19日、東京都立板橋特別支援学校の卒業式において、「君が代」斉唱時に不起立であった当該支援学校教員田中聡史さんが、「君が代斉唱時に不起立だった」と副校長に「現認確認」され、処分要件調整の手続きである「事情聴取」を理由に、東京都教育委員会に呼び出された。
 3月26日に行われた第5回定例会において、3月19日、東京都立板橋特別支援学校の卒業式において、「君が代」斉唱時に不起立であった当該支援学校教員田中聡史さんに対して、「君が代」斉唱時に不起立だったことを理由とする懲戒処分(減給10分の1・1月)を行い、3月30日に処分発令を行った。この田中さんへの不当な不起立処分は、連続8回目であり、「戒告」3回、「減給1月」5回にも及ぶものである。
 この処分は、「懲戒権者の裁量権の範囲を超え、違法」として減給以上の処分を取り消した最高裁判決及び確定した下級審判決の趣旨を踏みにじるものである。東京都教育委員会による田中聡史さんへの不当処分に断固抗議し、即刻この不当処分を撤回することを要求する。
 田中聡史さんは、2011年入学式から連続して都教委による「不起立処分」を受けている。最高裁判決は、不起立のみでの「戒告を超える重い処分は違法」と判じたが、都教委はそれをも無視し、2013年からは田中さんに「減給1か月」処分を出してきた。2011年、2012年の3回は「戒告」処分、2013年、2014年の4回は減給1ヶ月処分であり、都教委は、今回さらに不当な懲戒処分をおこなった。
 (2)東京都教育委員会は、2014年度の卒業式・入学式における「君が代」処分を行い、処分に関する東京都研修センターでの「服務事故再発防止研修」を強行し続けた。「センター研修」に続いて、田中聡史さんには、10月17日に「服務事故再発防止研修」強行し、「訪問指導」を、6・7・8月にも3回にわたり、管理主事・総括指導主事ほか数名によって行った。
 私たちは、東京都教育委員会が、人権侵害の「服務事故再発防止研修」を即時中止すること、そして、自分で考えずに指示に従う子どもや教職員にすることに繋がる「君が代」処分と「服務事故再発防止研修」の中止を強く求めるものである。
 (3)2013年度・14年度卒業式・入学式ともに「君が代」不起立をし、減給1ヶ月処分を受けた田中聡史さん(板橋特別支援学校教員)に対しては、半年で20回にも及ぶ「服務事故再発防止研修」を強行している。
 「服務事故再発防止研修」は、4月から始まり10月17日まで(2012年度は8月まで、2013年度は9月までだった「研修」が一段と強化された)、長期にわたる「研修」・「訪問指導」を受け、「研修」・「訪問指導」の度に、田中さん・井黒さんたちは、日本国憲法で保障された内心の自由・良心の自由・思想の自由・表現の自由・教育の自由を侵害されて、「反省」を求められているということに他ならない。
 2014年度の入学式での「君が代不起立」で処分された田中聡史さん(減給10分の1、1月)に対して都教委は、「再発防止研修」と称して、思想転向の研修を強要してきたが、(2012年の累積加重処分を原則違法とした最高裁判決までは年に1~2回だった)、2014年、田中さんに対しては、研修センターでの研修が2回、研修センターや経営支援センター(ともに都教委の出先機関)の統括指導主事が学校に出向いての「訪問研修」が3回、さらに学校長の研修が毎週1回(通産20回程度)と、5ヶ月間に計25回もの「研修」が課せられている。
 その「研修内容」も、今までは「地方公務員法(服務規律)について」だけだったが、2014年度からは「教育における国旗掲揚及び国家斉唱の意義と教育者の責務について」が加わり、思想転向をさらに強要するものになっている。この「研修」は、また、都教委が、不起立を続ける田中聡史さんに対し、「『反省』の機会を与えたのに『反省』がなく、職務命令違反を繰り返した」と、すなわち、「不起立前後の態度」がよくないとして、さらに重い処分をするために「再発防止研修」を行っていることも考えられる。
 (4)2014年9月24日(水曜)には、午後4時から5時まで、東京都教育委員会指導主事等3名による板橋特別支援学校における「訪問研修」が行われた。そこでの「研修内容」は、「これまでの訪問研修のまとめ」と称し、「服務事故再発防止研修」の「研修を通して理解できた内容について記述せよ」という脅しと都教委が求める「模範解答」を強制誘導する「研修」という名の憲法違反の「思想転向」強制以外の何ものでもないものであった。
 東京都教委指導主事による「設問」は、以下の①から⑧までの8点にわたるものであった。
 ①「地方公務員として上司の職務命令に従って職務を遂行しなければならないことについて」
 ②「適正な教育課程の実施にむけて関連法令や学習指導要領に基づいた教育活動を行わなければならないことについて」
 ③「小中高の各段階における学習指導要領の国旗国歌の指導に関する記述について」
 ④「国歌起立斉唱命令に関する最高裁の判決について」
 ⑤「高等部学習指導要領特活の編成の取り扱いの内容についてあなたは教員としてどのように指導を行うべきか」
 ⑥「今年の卒入学式でなぜ地方公務員としての行動がとれなかったか」
 ⑦「学習指導要領をふまえ、あなたはどのように国旗国歌を指導しなければならなかったか」
 ⑧「これまでの研修を通して、理解が深まったこと及び所感を記述せよ」。

 東京都教委指導主事による①から⑧までの8点にわたる「設問」に「模範解答」を書かされるということは、まるで戦前の特高の「取り調べ」という名の「転向」強制と同じく重大な人権蹂躙である。私たちは、都教委が「研修」という名で行っているこの「取り調べ」が、「研修」を受けさせられる当事者の人間の尊厳と人権を根底から奪う暴挙であり、決して許すことができない。
 「日の丸・君が代」強制、「日の丸・君が代」不起立処分、そして「日の丸・君が代」転向強制研修3点セットにした東京都教育委員会による権力的行為が、人間の尊厳を奪い、「思想・信条・良心・教育の自由」を全面的に破壊し、「都教委という権力の命令・行為にひとりの不服従者も許さない」という暴挙に対し心からの怒りを覚えるものである。
 私たちは、東京都教育委員会に対し、一刻も早く、これまでの「日の丸・君が代」強制、「日の丸・君が代」不起立処分、そして「日の丸・君が代」転向強制研修を全面的に反省し、当事者に対する謝罪とともに、「日の丸・君が代」強制・処分・研修を中止することを求めるものである。
 2014年4月の勤務する東京都立板橋特別支援学校の入学式で「君が代」不起立をした田中聡史さんは、2014年7月の「センター研修」の最後に、「今後は二度と服務事故(不起立のこと)をおこさない」というチェック項目があったが、それはできないと断った。わたしの「君が代」不起立は、思想・良心の自由、教育の自由に基づいて行ったものなので、服務事故に問われるようなものではないと確信している」と「研修」後に語っている。
 私たちは、ここに改めて、東京都の教員である田中聡史さんや井黒豊さんたちが、人間の尊厳を否定し、憲法違反である東京都教育委員会による「転向強制研修」に対し毅然として対処し、怯むことなく、屈することなく、諦めることなく、人間としての尊厳を掛けた抵抗を続けていることに心から連帯し、敬意を表するものである。私たちは、このような都教委による暴挙が、いつの日か必ず歴史に裁かれることを確信している。
 (5)東京都教育委員会が教育に支配介入し、「子どもの最善の利益」を保障する教育を破壊し、都教委の政治介入である都教委による「10.23通達」を発出し、「君が代」起立を拒否する教職員を処分すること、全教職員が起立する姿を見せることによって、子どもたちに「日の丸・君が代」の尊重を刷り込むことは、「個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求する人間の育成」を目的とする教育条理に反し到底許されるものではない。都教委による教育支配介入が国際社会に通用するものではないことは自明の理である。
 (6)なお、再発防止研修に関しては、2004年7月、不起立・不伴奏者対象に初めて再発防止研修が行われる直前の執行停止申立に対して東京地裁・須藤裁判官は、7月23日、本件研修が未実施であることから現段階では却下と決定したものの、実際に実施される研修が「例えば、研修の意義、目的、内容等を理解しつつ、自己の思想、信条に反すると表明する者に対して、何度も繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容されている範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生ずる可能性があるといわなければならない」として、やり方によっては「違憲・違法」の問題が生ずることを指摘していたことを改めて確認しなければならない。
 (7)東京地裁須藤決定直後の2004年8月に行われた当時の再発防止研修では、「地方公務員法を中心とする解説がなされたに過ぎず」、「『受講報告書』は、受けた研修の内容及びその所感について記載させるものに過ぎず、原告らが主張するような『反省の実質を有する文書』でもない」(研修命令取消訴訟における都教委代理人の主張)として、須藤決定の範囲に留まることを意識したような内容で行われ、以降このやり方が継承されていったが、2012年3月の通知から変更された今のやり方は、実施時期・回数とその研修内容において「合理的に許容されている範囲を超えるもの」となっている。
 実施期間が半年の長きに及び実施回数も大幅増したのみならず、内容において「地方公務員法違反」の処分事案にも関わらず、「学習指導要領国旗国歌条項」を持ち出して起立斉唱を強要するやり方は、「起立斉唱命令」が「思想及び良心の自由についての間接的な制約となる面がある」と判示した『最高裁判決』(2011/6/6)にも明らかに抵触するものである。
 自らの歴史観ないし世界観および教育的信念に基づく不起立者に対して、その行為を禁止したり反省を迫ったり変更を強いるような研修は、思想転向強要の実質を有する憲法違反の人権侵害と言わなければならない。
 (8)2014年7月24日に発表された国連・自由権規約委員会の「総括所見」においては、「日の丸・君が代」に関して、以下のように表明されていることも確認されなければならない。この見解は、委員会が19条だけでなく、19条にも言及した背景に、学校における「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱に抵抗した教員に対する懲戒処分が、思想、良心、宗教の自由を侵害するものであるという主張について考慮された見解である。
 国連・自由権規約18条第3項に該当しない「思想・良心・宗教の自由」に対する制約は、国際規約上許されるものではないので、「10.23通達」及び、「10.23通達」に基づく職務命令は、国際条約違反であり、職務命令違反の処分は全て無効である。
★「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約
22 本委員会は、「公共の福祉」の概念はあいまいであり、無制限であるということ、そして、規約(arts. 2, 18 and19)の下で許容されるものを大きく超える制約を許容するかもしれないということへの懸念を改めて表明する。
本委員会は、以前の最終所見(CCPR/C/JPN/CO/5, para.10)を想起し、第18、19条の第3項における厳しい条件を満たさない限り、思想、良心、宗教の自由や表現の自由の権利に対するいかなる制約をも押し付けることを差し控えるように締約国に要求する。
 (9)私たちは、東京都教育委員会による「日の丸・君が代」強制、「日の丸・君が代」不起立処分、そして「日の丸・君が代」転向強制研修をセットにした東京都教育委員会による権力的行為が、人間の尊厳を奪い、「思想・信条・良心・教育の自由」を全面的に破壊し、「都教委という権力の命令・行為にひとりの不服従者も許さない」「もの言わぬ教員」づくりという暴挙が、「新たなる戦前」に向かう日本の「軍国主義教育」の新たなる始まりと繋がっていることも重視している。
 東京都教育委員会は、政府の集団的自衛権の行使容認=自衛隊の海外派兵を前提に、戦争準備体制の強化と軍国主義教育の開始とが密接に結びついた事実を積み重ねている。日本の戦前の教育は国家が教育を全面支配し、学校は「教育勅語」に基づく教育によって、忠君愛国の精神で天皇のために命を捧げる「少国民」を育成する場として、子どもたちと人々を侵略戦争に動員する上で決定的な役割を果たしたことを、歴史的事実としてだけでなく、現在の話として想起しなければならない。「教室から戦争は始まる」のだ。
 (10)東京都教育委員会による「10.23通達」から早や12年が過ぎた。
 2015年3月26日の東京都教育委員会による、卒業式・入学式などで「君が代」斉唱時の起立・斉唱、ピアノ伴奏を強制する都教委の「10.23通達(2003年)」による処分者数は延べ465名となった。しかし、都教委の「君が代」強制に対し、処分をされ不利益を受けようとも、どのような処分や脅しを以ってしても、「君が代」不起立者はこれからも絶えることはないであろう。
 それは、「君が代」不起立が、間違った職務命令には従ってはならないという、子どもたちへの直接に教育責任を負う教員としての良心からの行動であり、都教委による憲法違反の「君が代」強制に対する「思想・信条・良心・教育の自由」に基づく正当な権利行使としての「君が代」不起立だからである。
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