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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

教員の職場はやることが決められた多忙な日常、ストレス度が高くいじめの温床になりやすい

2020年02月03日 | こども危機
 ◆ 学校空間のいじめを考える
   ~閉鎖的空間はストレス度が高い
(週刊新社会)
東京シューレ理事長 奥地圭子

 ◆ 神経がわからない
 神戸市の小学校で、教員同士のいじめが日常的に行われていることが明らかになりました。廊下にへたりこんでいる若い男性教員に、複数の教員が取り囲み、激辛カレーを無理に押し込み、嫌がっている様子を大笑いしている場面がSNSに流されていました。さらに、カレーを目にこすりつけていました。目にしみ痛くてたまらなかったはずです。
 これを撮影していた人がいたから動画配信できたわけです。どういうつもりで撮影していたのか神経がわかりません。この状況を誰も止めなかったとするなら、同じ教員のなかでおもしろがってカメラにおさめ、それをネットで飛ばして笑ってやろうという人たちだったのだと思います。
 被害者の教員をけったりすることが日常的にあったり、おとしめる暴言を吐いていたということです。
 ◆ 教員間も子ども同士とそっくり

 「えっ、それが教員のすることなの?」とびっくりする人も多いことでしょう。「まるっきり子どもじゃん」と言っていた人もいました。
 そうなのです。
 教員は、子どものいじめをちゃんと指導して、いじめのない学校にするように力を尽くしてくれる人と保護者は思っています。
 だから、子どもの様子がおかしいと担任に相談するのが一般的です。
 しかし、教員がこのようではあまりに情けなく、頼りなく感じ相談できないと思った保護者もいたと考えます。
 この事件を調べた警察の発表では、リーダー格の40代の教員が「あれは、かわいがっていた」と言ったそうです。何という荒廃でしょう。
 この事件発覚後の学校の対応がおかしすぎます
 給食に出すカレーを止めた、というのです。カレーに責任はありません。カレー好きの子どもはがっかりしたと思います。なぜ教員間でいじめが起きてしまうのか。防げないのか、そこがもっとも大事なことです。
 ◆ 温床となってる

 先生同士のいじめ報道のなかで私が真っ先に思ったのは、子ども同士のいじめとそっくりだということでした。
 いじめた教員たちの子ども時代は25年前とか15年前であり、学校のいじめは拡がり、社会問題化していました。
 いじめの加害者か被害者か、あるいは傍観者だったかは別にしてもいじめについて見聞きしていたはずです。
 教員になるためには大学入試のための受験勉強、教員試験を受ける勉強をしています。だけど人としての成長はできてこなかったのだろうと考えます。少子化のなかの点数競争をくぐることでも成長を歪めることがあります。
 その上、教員の職場、学校という空間は教員がのびのび子どもとかかわれる所ではなく、やることが決められており、多忙な日常、いわば閉鎖的な空間です。
 子どもも同じですが、閉鎖的な空間はストレス度が高く、いじめの温床になります。
 文科省は、昨年10月17日に2018年度の児童生徒の問題活動調査結果を発表しました。
 それによると小中学生のいじめ認知件数は過去最多で、54万3933件でした。これは前年度比3割増です。
 隠さないで認知するようになった面もありますが、こんなにいじめがある学校で、子どもに楽しく学ぼうと言えるのでしょうか。この数字は喫緊の問題を提示しています。
 いじめが自殺や不登校につながるなど「いじめ重大事態」の発生件数も過去最高の607件で前年度27%増しの状態でした。
 いじめが多ければ不登校も多く、小中堂生の不登校は、前年度より2万人増え、16万4528人になったと発表されました。
 とりわけ小学生の増加が顕著で、「学校が怖い」と感じる小学生たちが増加しています。
 この2万人増加は、教育機会確保法の成立や「9月1日自殺問題」から、若い父母たちが「学校が合わないなら無理に行かせても」とか、「学校以外もありかな」と考える人が増えていることも背景にあります。
 10月25日、「不登校児童生徒の支援の在り方について」(通知)が文科省から全国に発出されました。
 「学校復帰が前提」の文言があった4つの通知は廃止され、個々の状況に応じ自立支援を目指すことになり、閉鎖性も変わってくることが期待されます。
『週刊新社会』(2020年1月21日)

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