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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

経理や営業などの一般事務職は求人がゼロに近いのが実態

2017年09月05日 | 格差社会
 ◆ 数字の裏にカラクリあり
   有効求人倍率「1.52倍」の実態
(日刊ゲンダイ)


 「43年ぶりの高水準」――。こんな威勢のいい言葉が躍っている。
 厚労省7月の有効求人倍率が1.52倍だったと発表した。1974年2月以来、43年5カ月ぶりの高水準
 有効求人倍率は仕事を求めている人ひとりに対し、企業から何人の求人があるかを示す数字。倍率が高いほど仕事がたくさんあることになり、1.52倍はまことにけっこうだが、そこには裏がある。立教大教授の郭洋春氏(経済学)が言う。
 「有効求人倍率は正社員だけではないのです。パートや期間工、派遣社員も含まれます。その実態は、コンビニや飲食業界は人手が足りず銀行やIT企業は希望者が多すぎて仕事が足りないという、いびつな構成になっています。実際、今年の銀行の新卒採用は昨年より減少しました」
 要するにネクタイとスーツに身を包んだホワイトカラーは採用が極端に少ないのだ。人事コンサルタントの菅野宏三氏が言う。
 「今年1月の外食サービス業求人1480人に対して応募者が542人とかなりの売り手市場でした。この現象は小売業建設業などでも顕著。ただし、その多くはホワイトカラーではない。外食業界からは“大卒なのに焼き鳥の串を刺す仕事しか与えられない”といった悲鳴が聞かれます。
 一方、経理や営業などの一般事務職は求人がゼロに近いのです」

 菅野氏によると、都内のある自治体のシルバー人材センターが市役所や銀行の受付係を募集したところ、1人に対して200人が応募したという。実に200倍。“いい仕事”は過当競争なのだ。
 ■ 採用する体力もないのに……

 そもそも有効求人倍率には裏がある。

 「いわゆる『カラ求人』というのがあるのです。長年求人募集をしていないと、“あの会社は景気が悪いのでは?”と思われるため、採用する体力もないのにハローワークなどに募集を出す。ライバル社が求人しているのを見て“うちも出そう”と募集するケースもあります。だけど採用する気はありません」(郭洋春氏)
 転職に詳しいジャーナリストもこう言う。

 「各ハローワークには『求人開拓員』がいて、企業を回って求人募集を取ります。その際、企業によっては単なる付き合いで『経理マン募集』などと出すことがありますが、よほど優秀な人材が来ないかぎり採用しません
 それでも求人倍率を押し上げることになる。『求人開拓員』は清掃などの仕事よりも一般事務を取ると成績としてカウントされやすい。一般事務の採用をたくさん取ったハローワークは厚労省から評価されます」
『日刊ゲンダイ』(2017年9月1日)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/212566
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