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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「日の丸・君が代」強制が生む教育の陳腐化・劣化を解き明かした世取山講演

2019年08月19日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  =「日の丸・君が代」全国学習・交流集会=
 ◆ 国家主義教育はゴメンだ! (週刊新社会)


 『第9回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会』~教育の国家支配はゴメンダ!~が7月22日、東京都内で開かれ、124名が参加しました。
 最初に、新潟大の世取山洋介さん「『日の丸・君が代』と子どもの良心形成」という講演を行いました。
 講演では、①安倍政権下で進行しつつある「陳腐化しつつある教育」の実態を暴くとともに、②「日の丸・君が代」が国家への帰属意識・忠誠意識の涵養の手段になっていること、③これに対抗するには子どもの人格の全面的発達の保障に責任をもつことが重要であること、が語られました。
 とくに①のところでは、「2018年学習指導要領による全国的最低水準の維持のための統制から、方法にまでおよぷ全面的な統制へ」として、「方法改革を挺子にした教育の規格化・陳腐化(アクティブラーニングとICT(情報通信技術)活用による子ども・教師の相互的関係に基づく授業の排除)」が起きていることを紹介し、
 その結果、子どもたちにとっては「陳腐化した授業を受けることだけが学校に行くことの意味」になっていると述べました。
 まさに教育産業が作った最新の技術を用いて、「陳腐化した授業」が行われるようになっているのです。
 要するに、現在学校ではトップダウンの陳腐な教育と、②に見られる「国家主義教育」が幅を利かせ、教員や生徒たちの自主的創造的な教育活動がことごとく潰されつつあり、それに対抗するには③が大事だということでした。
 講演の後、各地、市民・諸団体から報告があり、計27名が発言しました。
 その中で〈東京の闘い〉では、「スマートスクール推進校」になっている都立高校の女性教員からの報告がありました。
 それによると、ICTを使つての授業を、全員が反対したにも関わらず校長か独断で導入し、「ストレス・チェック」などを平気で行うなど、日々バカバカしいことが次々と要求され、職場では不満が渦巻いているということでした。
 また彼女は本来なら定年後5年間働けたが、「君が代」不起立の処分歴があるために、年金支給までの3年間は雇うが、それ以降は非常勤でも雇わないと予告解雇を告げられました。
 同様のことは大阪からも報告され、「日の丸・君が代」強制に反対する教員は教壇から排除されるようになってきています。
 その一方、大阪の民間人校長のいる公立小学校で、「改元・代替わり」を利用して公然と〈皇国史観教育〉が行われ始めたことが報告されました。
 他方、広島からは教組が闘えなくなっているなか、最近有志7名の呼びかけで、「改憲・戦争阻止!教え子を再び戦場に送らない!広島教職員100人声明」というものを出したところ、それだけの数の教職員が賛同したことが報告されました。
 また、市民・諸団体からは、「君が代」不起立を貫く市議、大学祭での自衛隊勧誘を止めさせた区議の報告や、朝鮮学校無償化排除問題、五輪読本訴訟、生徒による自治委員会運動などの報告がありました。
 最後に、大阪の皇国史観教育に反対する「特別決議」「集会決議」を採択し、元気に銀座デモを行いました。
 (市民活動家・荒川渡)

『週刊新社会』(2019年8月6日)

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