第３回最高裁要請行動

　＜板橋高校卒業式＞　杜撰きわまりない高裁判決！
　☆☆ 偽証を見抜けない高裁判事は辞職せよ！ ☆☆
　★ 最高裁は国民が素直に理解できる公正な判決を！ ★
　　　　９月８日第３回最高裁要請行動を行いました

　■ 「最高裁に公正な判決を求める署名用紙」ダウンロード ↓ （ＰＤＦファイル）
http://www.sirobara.jp/090303fujita-syomei.pdf

「燃ゆる朝」 《撮影：佐久間市太郎（北海道白糠定、札幌南定、数学科教員）》

要　請　書

　最高裁判所　第一小法廷
　　櫻井龍子 殿
　　泉　徳治 殿
　　甲斐中辰夫 殿
　　宮川光治 殿
　　涌井紀夫 殿

１）「思想・良心の自由」「表現の自由」を「威力妨害」とすることにどうしても納得できません。　藤田さんが家宅捜索をうけ、板橋警察から事情聴取をうけ、そして起訴され、東京地裁、東京高裁での裁判と判決があり、最高裁に上告している現在までに、既に５年余が経過しています。その間、私たちがずっと思い続けていることは、藤田さんの行為が何故「威力妨害罪」になり、しかも裁判所では「有罪」とされてしまうのか、ということです。
　藤田さんは、教員最後の勤務校であり、生活指導を担当した生徒の卒業を共に祝うべく、来賓として都立板橋高校卒業式に参加し、保護者にコピーを配布し、自己紹介とコピーの説明、最後に「できたらご着席ください」と発言したにすぎません。そしてそれは、式開始予定時刻の１７分以上も前のことなのです。さらに式開始前に藤田さんは「退出させられ」ているのです。
　式開始前に互いに話を交わしている保護者に対して、卒業生と関わった元教員として、東京都教育委員会の問題点を書いた週刊誌のコピーを配布し、「保護者の思想・良心の自由を守る」呼びかけを行うことは、何ら卒業式を妨害するものではなく、「言論・表現の自由」から考えても当然のことと、私たちは考えます。
２）「威力の行使」も「業務の妨害」も全くありません。　判決は、藤田さんの発言内容を「威力妨害」の要素としていますが、これは大変な誤りであると考えるし、学校や学校に働く者への偏見であり、あってはならない「判断」だと考えます。判決は、全く当然のことですが、「保護者に起立・斉唱の義務はない」と述べています。つまり「校長はその職務として、保護者に起立・斉唱を強制することはできない」のです。ところが、藤田さんの発言は、「保護者に起立・斉唱させる校長の"権利"を侵害した」と言って、「妨害の要素」にしているのです。こんな論理矛盾による「威力妨害」の認定を、私たちは絶対に認めることはできません。
　高裁判決は又、発言について、その内容と外的事情を総合考慮したと述べて、その「外的事情」は「その場の状況にそぐわない大声」と言っているのみです。レコーダーの録音によれば、発言（約４０秒）の前段の自己紹介は録音されていず、それ以降も途切れ途切れであり、また「制止する声」も入っていません。
　又、判決文が言う「喧噪状態」とは、指導主事の指示を受けた校長による不当な「退去要求」後のことであり、その原因は、来賓である藤田さんを来賓席に案内せず、闇雲に強制退去させようとした校長の対応にあったことは明白です。
　「平穏な自己紹介、コピーの説明、最後の約５秒の呼びかけ」という約４０秒の発言は、来賓入場予定時刻９時４５分の約３分前、９時４２分頃であり、そのことが何故「威力業務妨害」という刑事罰になるのでしょうか。「威力」などないし、校長の「業務」を妨害したことなども全くありません。
３）「校長の管理権＝公共の福祉」論への大きな疑問　判決は又、藤田さんの行為を「校長の管理権を侵し公共の福祉に反する」としています。この「公共の福祉」論が、特に「政治性」を帯びさせられた事案に顕著に利用されているように、私たちには思われます。そして国民の権利が「管理権」「公共の福祉」という名の下に制限されることに疑問を感じています。憲法第１２条前段では、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」としています。これは「表現の自由」等の自由と権利を、国民が主体的に実践することが、その定着に必要であるとしていると考えられます。そういう点から考えると、判決は「公共の福祉」を国民の自由と権利を制限するためにのみ利用していて、大きな間違いではないかと思います。
　この点に関しては、昨年１０月の「国連自由権規約委員会最終見解」が、「日本の公共の福祉概念は曖昧かつ無制限」との危惧を表明していることを真摯に熟考していただくことを切に要望いたします。
４）時空の逆転（教頭は体育館到着後に校長室を出ている）は何故うまれたのか　判決文は、「田中（教頭）が被告人のコピー配布を制止し、・・・呼びかけを冒頭から制止し続けたと認定でき」と述べている。しかし、制止されている状態で話をするなどということは、声が入り乱れることなしには不可能です。レコーダーにはそのような乱れはありません。田中（教頭）の偽証を「事実」とすることは誤りです。
判決文は、「田中の体育館到着をレコーダー『５：４４』と推定して差し支えない」としています。又、判決の卒業式開始約２分遅れの認定の基礎にしているのは、レコーダー開始時刻９時３４分との認定であるから、「５：４４」は９時３９分４４秒となります。判決は一方で北爪、田中の校長室出発を９時４０分と認定しています。「田中は校長室出発よりも前に体育館に到着する」という人間にはあり得ない離れ技をしているのです。
　こんな誰が見てもおかしい矛盾を生んだのは、「田中の制止行動」を捏造するためなのです。この時間の齟齬一つだけでも、判決は破棄されるべきと、私たちは考えます。
　さらに付言すれば、「被告の監視に来ていた」後藤、鯨岡指導主事の記録には、田中の制止行動への言及は全くないのです。
５）真実に目を向けていただきたい　何故このような田中を中心とする偽証、それを最大の「根拠」にした「架空の事実の捏造」、それを基にした「威力妨害罪」適用が行われたのでしょうか。
　約９割の卒業生が、自らの意志で国歌斉唱の際着席したという「想定外の出来事」（横山教育長の議会発言）に驚愕した都教委と土屋都議が、みせしめとして弾圧すべく、即座に一部マスコミに「元教員卒業式を撹乱」などという偽りの記事を流させ、都知事が出席した都議会で「校長らの制止にかかわらずコピーを配布し、・・・大声で騒いだ。故に法的措置をとる。」と教育長（当時）が発言したことが、都教委・警察・検察一体の政治的公安事件に捏造されてきたというのが事の真相であると、私たちは考えています。
　そこには、卒業式は滞り無く進み、藤田さんが担当教員として心遣いした目の不自由な女生徒の伴奏で、最後に全員が心を合わせて「旅立ちの日に」を歌い、感動的に卒業式を終えたことなどは、全く隠蔽されてしまっているのです。これは余りにも不公平で、真実から目を背ける対応ではないでしょうか。
６）公平な裁判をつよく要請いたします。　藤田さんが家宅捜索を受けてから既に５年余が経過しました。本人の心労は想像を超えるものがあります。一審、二審の「事実認定」の疑義と誤りを正すべく公正な裁判のもとで、藤田さんへの嫌疑が晴れることを、最高裁判所につよく要請いたします。

２００９年９月８日　　藤田先生を応援する会