◆ 今、あらためて「日の丸・君が代」と天皇(制)の関係性を問う
1.平成→令和「天皇代替わり」と「日の丸・君が代」
中川信明(靖国・天皇制問題情報センター)
1.平成→令和「天皇代替わり」と「日の丸・君が代」
・「天皇代替わり」期は、意外と「日の丸・君が代」の露出が少なかった!2.卒業式・入学式における「日の丸」「君が代」をあらためて問う
・2019年4月の前天皇皇后の武蔵陵への退位「奉告」時の奉送迎の際の「日の丸」の小旗。
・2019年5月、11月の「日の丸」掲揚による祝意奉表通知。
・「国民祭典」における「君が代」斉唱と「日の丸」の小旗。
→共通点:「日の丸」は常に天皇・皇后に対して振られるもの、「君が代」は常に天皇・皇后に対して歌われるもの。したがって、天皇自身が主宰する一連の即位儀式では「日の丸・君が代」は無縁。
・明治期に学校諸行事の中で、「君が代」斉唱と「日の丸」掲揚が定着させられた。3.差別排外主義の道具としての「日の丸・君が代」
言うまでもなく、教育を通して民衆に天皇崇拝(崇敬)させるためである。ただし、「日の丸」「君が代」以上に、「教育勅語」「御真影」が大きな役割を果たした。
・戦後の教育改革の中で、「教育勅語」「御真影」は姿を消したが、じきに「日の丸」「君が代」は復活することになる。
・「君が代」が天皇賛美の歌であるという本質は、どんなに解釈しなおそうが消し去ることはできない。
・ただし、「日の丸」の学校行事(特に卒業式・入学式)における位置づけ方は大きく変わっている。
・戦前の「日の丸」は、校門掲揚や掲揚塔への掲揚など、むしろ補助的な役割を果たしていたが、戦後(特にこの30数年)の「日の丸」は、式場の正面に掲揚されるという「主役」に躍り出ている。
・正面は、戦前は「御真影」や「教育勅語」が奉納されていた場所であり、「日の丸」が「御真影」や「教育勅語」に代替されるようになった、つまり、「日の丸」が天皇を表象するものと言っても過言ではない。したがって、「日の丸」への礼は、天皇への崇敬行為そのものであり、10.23通達の言うところの「国旗に正対し、起立して国歌斉唱する」という作法の危うさを、あらためて厳しく問いなおす必要がある。
・従来から、街宣右翼はBGMとして「君が代」を流し、「日の丸」を旭日旗とともに振り回してきた。
・近年、それに加えて、ヘイトデモの現場で「日の丸」が目立っている。つまり、「日の丸」が林立するなかで、「○○人は殺せ」「○○人出て行け」など聞くに堪えないヘイトスピーチされるのである。
・一時期、「日の丸・君が代は、かつてのような軍国主義の旗・歌ではない」はないと言われたりしたが、現在、確実に「先祖がえり」しており、その本性を明らかにしていると言えよう。
・そして、天皇に対して振られる「日の丸」、オリンピックで振られる「日の丸」、卒業式で正面掲揚される「日の丸」、ヘイトデモで振られる「日の丸」は、同じ旗なのである。
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