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神奈川県教委「君が代強制」記述教科書"墨塗り"示唆

2013年08月25日 | こども危機
 ◆ 墨塗り教科書復活か
   神奈川"実教出版"版

永野厚男(教育ライター)

 「一部の自治体で公務員への君が代強制の動きがある」などと記述した実教出版の新教育課程版『日本史A』(以下『日A』)・『同B』教科書を選定した県立高校28校に対し、強く"再考"を求め、7月31日までにすべて他社版に変更させた神奈川県教育委員会が8月13日、現在『日A』を使用中の5校に"墨塗り"を強制する可能性にも言及した。
 変更強制問題で7月30日に質問書を出していた「公正な教科書採択を求める県民の会」(以下「会」。現・元教員らで構成)などは8月13日、横浜市内で県教委と交渉。教員側が「5校に"墨塗り"の命令を出す気なのか。このまま使用するべきではないか」と追及すると、高校教育指導課の木下靖副課長は「次回の臨時教育委員会の結論を得てから」と発言。
 交渉終了後、この発言の真意を複数の記者らが問うと、木下氏は「次回の会議で教育委員から意見・要望が出ればそれに対応し、意見等が出なければ教委事務局に一任ということで判断する」と回答。『日A』で教える教員に特定の教え方を強制するなど、現代版"墨塗り"指示の可能性を示唆した。
 だがこの『日A』は、県教委が昨夏、自らの責任で採択した上に、今年4月の使用開始から7月24日まで、一切問題視していない。ゆえにもし"墨塗り"を指示するなら、「問題あり」とする教科書の使用を4か月間、放置した県教委自らの責任も問われることになる。
 ところで「会」が8月17日、横浜市内で開いた集会で、神奈川県高教組(神高教)の馬鳥(ばとり)敦書記長と複数の現場教職員らは、①前記28校のうち出張中を除く27名の校長に7月24日、県教委が"再考"を求めた際、「実教出版を採択すれば右翼の街宣車が学校に押しかけて来る恐れがある」と脅迫発言をした幹部は志摩尚平参事監だった、②県教委は後日、27名の校長に「右翼が」発言を取り消すと電話を入れた、③地歴科教諭らに「変更すれば県教委は右翼から守ってくれる」と言った校長がいる、の3点を明らかにした。
 『週刊新社会』2013年8月27日号の永野厚男・教育ライターの執筆記事の原版(詳細版)から――
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