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文科省の原発副読本、国立市教委で「使用は不適」の見解

2011年07月02日 | フクシマ原発震災
 ▼ 文科省の原発副読本、国立市教委で「使用は不適」の見解
永野厚男(教育ライター)

 文科省等が制作し(発行は日本生産性本部)、全国の小中学校と区市町村教育委員会に各一部ずつ配布した、原発の“長所”を強調した副読本について、保護者らが提出した、「学校で使用するな」「文科省等に、再発行しないよう意見書を出して」の2点の陳情が2011年5月24日、国立市教育委員会定例会で審議された。
 冒頭、小学生の保護者が「社会の新学習指導要領は4年生で、『飲料水・電気・ガスの確保について見学等で調べ、人々に役立っていることを考える』旨規定している。指導要領解説は『原発が環境に配慮し、安全性確保に努めていることを取り上げることも考えられる』などと謳うが、児童が安全に社会科見学できるのは浄水場。この単元の配当時間は10時間だから電気を扱う学校はほとんどなく、実質、水だけを学んでいる。副読本(印刷・発送費含み3000万円)と2500万円のワークシートは税金のムダ。文科省は絶版にし、浮いた財源を『被曝量の多い学校の土壌入れ替え』に回すべき」と意見陳述。
 続いて渡辺秀貴・市教委学校指導課長が、「全小中に調査し、文科省の副読本を使った学校はゼロと報告。
 これを受け中村雅子教育委員が、小学生用『わくわく原子力ランド』の「スリーマイル島事故の放射性物質の放出量は1人当たり0.01ミリシーベルトで健康に問題のない低いレベルでした」との記述に関し、「毎時とか年間でなく、『1人当たり』などという無意味な被曝量を出しレベルが低い。学校で不使用と聞きほっとした」「副読本はスリーマイルの他、チェルノブイリも茨城JCOの事故もすべて『原発のシステムは問題ないが、作業員のミスで発生』と記述。その意図に疑問を抱く」と述べた。
 一方、作家の嵐山光三郎教育委員は「陳情者は広瀬隆氏の著書等も生徒に提供するよう求めているが、広瀬氏は反原発運動の中でも異論の多い人だ」と述べ、不採択にするよう求めた。
 「高木義明文部科学大臣が見直しを言明した。今すぐ意見書を出す必要なし」等の理由で、残念ながら陳情は不採択に。
 だが、米田雅子教育委員が「原発の安全神話は完全に崩壊。全校不使用と聞き安心した」、是松昭一教育長も「原発に大きな不安がある中、使う教員はいないだろう」と発言し、副読本を不適とする見解はハッキリと示された。

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