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コロナ禍の卒業式で全都立学校「君が代」斉唱①都教委の指示

2020年07月21日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 都教委指示全校で「君が代」 (東京新聞)
 新型コロナウイルス感染拡大中の三月、東京都立学校二百五十三校(当時)全ての卒業式で「君が代」が斉唱されていたことが、都教育委員会への取材で分かった。
 同月二日から全国一斉休校となり、飛沫(ひまつ)感染を懸念する学校もあったが、実施を求める都教委の指示に従っていた。
 専門家は「歌わない教職員の処分が繰り返され、合理的な判断ができなくなっている」と指摘する。(石井紀代美)=現場から疑問も18面
 ◆ 飛沫懸念 校歌もやめたのに

 都教委は毎年、都立校や区市町村立校から日の丸掲揚や君が代斉唱の「実施状況報告書」を集めている。本紙が入手した二〇一九年度の都立校の報告書によると、今年三月一日から同月下旬までに卒業式を行った中学、高校、特別支援学校など全校が「国歌斉唱した」と回答していた。
 都教委の説明などによると、安倍晋三首相が全国一斉休校を打ち出した二月二十七日までに、自治体から「飛沫感染防止策として歌わないことを考えている」「歌わないと、服務事故扱いになるのか」などの問い合わせがあった。
 都教委は翌二十八日、現場の判断に任せる旨の文書を送った上で、直接管轄する都立校には「国歌斉唱を行う方針に変更ありません」と文書で通知。
 世田谷区や杉並区の学校は歌わなかったが、都立校は全て斉唱した。

 ある校長は「歌わないことも考えたが、文書が来たので国歌だけ歌った。校歌など他の歌は感染リスクを下げるために歌わなかった」と話す。
 都教委の桐井裕美主任指導主事は「感染状況が現在ほどひどくなかったので、適切に教育課程を実施するため指示した。時間短縮や参加者制限などの環境も整え、適切だった」と説明。
 当時はマスクが品薄だったが、参加者の装着状況は把握していないとしている。
 新潟大の世取山洋介准教授(教育政策)は、思想・信条の自由から「君が代」斉唱時に起立しない教職員に都教委が処分を続けてきたことを挙げ、「何百人も懲戒処分してきた結果。歌わないことが合理的なのに、萎縮して判断できない教育現場の思考停止を表している」と話している。
『東京新聞』(2020年7月20日【一面】)

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