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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

派遣切りは現代の公害

2008年12月21日 | 格差社会
 ◎ 現代の公害企業
鎌田慧(ルポライター)

 仕事を中断しては、派遣労働者の集会に出かけている。本欄でも何回か書いたが、若い労働者を路頭に迷わせている、諸悪の根源「労働者派遣法」を廃止させたいからだ。
 この法律は、雨後の筍のように悪徳労働者供給会社を族生させ、違法行為を繰りかえさせる「天下の悪法」である。
 派遣会社を利用して膨大な利益をあげてきたのが、トヨタ、キヤノン、パナソニックなど、日本を代表する大企業なのが悲しい。
 これらの大企業が、いままで利益増大に貢献してきた*派遣労働者を、こんどはその利益を確保するために、非情にも矢継ぎ早に、冷たい師走の巷へ放りだしている。
 これは新たな公害である。かつて公害企業は自社の利益を確保するために、公然と海や川や空を汚染していた。それを長いあいだ社会は許していた。
 会社は公害対策費を使わずに、社内で不要になったものを塀の外に吐き出しては、周辺に迷惑をかけてきた。「社会的費用」を自己負担せず、外の社会に押しつけて平然としていたのである。
 あたかもゴミを捨てるかのように、派遣労働者を吐き出し、「あとは野となれ山となれ」の冷酷さ。
 これから政府が瀬戸際にいる命を救わなければならない。しかし、会社と株主だけがちゃっかり利益を確保し、失業者救済のツケを税金にまわすのは許されない。
 厳しい発生源対策が必要だ。

 『東京新聞』(2008/12/16【本音のコラム】)

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