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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

原発被災、自主避難者への偏見といじめ、ローマ教皇の支え

2022年05月04日 | フクシマ原発震災
 ▼ 原発被災者といじめ (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 政府は福島原発事故からの「復興」を強調するため、避難指示区域を解除しながら住民を地元に帰そうと躍起になっている。そのあおりを食らっているのが「強制避難」「自主避難」の家族だ。
 避難指示区域に入れらなかったいわき市など原発周辺地域に住んでいて、低線量被曝(ひばく)を回避するために「自主的に避難」した人たちには、涙金の補償しかなかった。
 避難先の仮設住宅からの追い立てを食らって、自治体に居住権を求め交渉したり、署名運動したり裁判で争ったりしたが、結局強制的に追いだされた。
 それでなくとも避難者の子どもたちは避難先でいじめられた。
 八歳でいわき市から東京に避難した鴨下全生(まつき)さん(19)は、いじめを受けて登校もできず、ただ昼も夜も寝ているだけ。
 死を考え、無力感に苛(さいな)まれてきた。
 「可哀想(かわいそう)だからいじめるのではない。不正に賠償金をもらっているとか、国を訴える悪い奴(やつ)だとかやっつける大義名分があるから、暴力をふるえるのです」(鴨下さん)
 父親の祐也さんは自宅が汚染され避難生活をせざるをえなかった損害賠償をもとめて、国と東電を相手に提訴した。
 しかし、週刊誌にバッシング記事を書かれ、いじめがさらに激しくなった。

 全生さんはローマ教皇に手紙を送ってバチカンで謁見(えっけん)、来日したとき再会した。教皇も離日して原発批判のコメントをだした。
『東京新聞』(2022年5月3日【本音のコラム】)


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