★ 「草津町『性被害デッチアゲ』事件」飯塚玲児(ライター)被告人裁判、傍聴記
2023年8月3日 前橋地裁
(1)「草津町『性被害デッチアゲ』事件」裁判の概要
「2015年1月8日、午前10時~11時、草津町町長室で面談中、町長から押し倒されて強制ワイセツ性被害を受けた」とする新井祥子被告人の主張について、それを事実として2019年11月11日、ライターの飯塚玲児(ペンネーム)被告人は電子書籍を発行。
町長は事実無根であるとして名誉棄損罪で、2019年12月、両人を民事刑事で提訴。民事については、新井被告人の主張を信じて町長に対する不信任案を提出した中澤康治町議(当時)も訴えられている。
検察は2022年11月31日、新井被告人について、名誉毀損罪と虚偽告訴罪で起訴した。その証拠が飯塚被告人の公判第1回において公開された。
なんと、当日の1時間、新井は町長に気づかれないように、ずっと盗み録音していたのである。それを、新井のパソコンを押収した検察は見つけて復元していたのであった。そして、その音声データにあったのは、新井がほぼ1時間中、町長にゴマをすり・迎合に次ぐ迎合をして途切れなく続いていた会話であり、性行為などをうかがわせるものは皆無だった。
つまり、新井の「性被害」はデッチアゲだったことが、この上なく明瞭に示されたのである。
それまで、新井は、ごく少数の中心的支援者には最初の15分のみをダビングしたものを聞かせた。それを聞けば、彼女は町長にアポを取って一人で町長室に入っていることが分かる。よって、町長の潔白の主張の「彼女がアポを取っていたのは副町長で、副町長と面談後、ついでに二人で町長室に入ってきて三人で面談し、15分くらいしかいなかった」という根拠は完全に嘘だと分かるものだった。
なぜ15分しか録音してなかったのかについては…15分で録音を切った後、しばらくして「押し倒され、下着を下ろされ」と主張…彼女は「町長が近づいて来たのでバレたと思って、15分ぐらいで録音を切りました。もし、1時間中の録音記録があれば、辛すぎて全部消去していたと思います」と、シャラシャラと真っ赤な嘘の説明をしていた。そして「性被害をなくしたい。声を上げた性被害者を孤立させてはならない」とする善良な支援者たちを3年間も騙し切っていたのだった。
この1時間の音声データが明らかになって、飯塚被告人は新井の性被害は嘘と認めて電子書籍を絶版にし、町長への謝罪を公開して公判が始まった。公判前整理手続が未だ終わっていない新井被告人とは結果的に分離公判となり、こちらは未だ公判は始まっていない。
(2)前橋地裁に行くまで
前橋は熱風と灼熱の太陽が半端なかったけれど、覚悟していたので何とかしのいだ…割合、緑が多いせいかもしれない。
前橋駅12時21分着で、開廷は13時半なので、県庁の高層階にある…31階…見晴らしのいいレストランでランチしようと思っていた。
ところが、なんと、レストランは「本日は貸し切り」とかでガックリ…職員さんに聞くと地階に安い食堂があるという。で、行ってみたら生協経営の食堂だった。でも、時間を見ると、何しろ、初めてのところでまごまごと動き回っていたので、時計はもう1時!?
どうしよう? 県庁から地裁は近いけれど、もう、注文していたら時間が無くなる…まよっていたら、隣の生協経営の売店でおにぎりを買って食堂で食べてもいい、ということを聞いたの。そこで、冷たい無料のお茶を入れておにぎりランチ! 危うく食いっぱぐれるところだった(笑)…
ということで、なんとか午後1時25分、傍聴席に入ることができた。
(3)傍聴しながら考えたこと(傍聴者は私を含め9人。草津町職員らしい人が1~2名)
●最初は弁護士尋問への答え。
「1時間の音声データを知り、まさか新井さんが嘘を吐いているとは思わなくて、不本意な結果になり、不法行為となったことは認める。」
「町長には謝罪し、電子書籍を絶版にした。その結果、執筆依頼は全くなくなり、メルマガで月に1万円程度の収入しかなく、妻に生活を頼り家事をしている」
どうも、このヒト、ボソボソして言語不明瞭、特に語尾は聞き取れないことが多かった。それについては弁護士にも注意されていたけれど、自信がないのか、慎重に言葉を選んだ結果なのか…執行猶予を狙っていることは確か。
●裁判長が質問
「新井さんは嘘を吐いていた、と認めるんですね?」に対してはハッキリ「はい」と答えた。ところが「騙された」ということは言いたくなかったようで「でも、嘘だってことは『騙された』ということでしょう?」と裁判長が詰めて、やっと「はい…結果的には…」と答えた。
何でしょう? 「騙された」と認めるとメンツが潰れる、という意識でもあるんでしょうか…
●検事尋問から分かったこと
電子書籍にある新井と町長のツーショット写真や、新井の「町長室で町長と気持ちが通じて嬉しかったです。」という、新井本人が書いて、時間湯の…48℃の高温浴で病気を治すという草津温泉の伝統だったが町長は危険だと廃止…湯治関係者に公表していた文書を飯塚被告人は手にしていた。その他に、新井本人が書いて、これも時間湯の湯治関係者に公表していた「Aと寝た。Bと寝た。Cと寝た。何回ホテルにいった」とかいうような文書も飯塚被告人は、新井本人と面会する前に手に入れていた。
つまり「新井は町長とも肉体関係を持ったに違いない」という予断を飯塚被告人は持っていた。だから、新井と面会してそれを質すと「言い淀み、黙ってしまう。そして目にいっぱい涙をためてうなづいた」ということで、電子書籍にそれを事実として書いた…
なにしろ、新井の演技力たるや、本当に演技賞ものの、鳥肌が立つレベル!? 性行為をうかがわせるもの全く無い町長との1時間の録音証拠を自分は持っているのに、さもさも、性行為があったかの如くリアリティーに満ち満ち、自信に満ち満ちた演技と発言!? その演技力には、私をはじめ、たくさんの人が3年間も騙され切っていた。私の場合は、彼女を「買春社会を考える会」に連れて来た人がフェミニストとして知られた人だったので、彼女が連れてくるような人なら真っ当な人物であろうと信じ切っていたこともあるけれど…
で、飯塚被告人も新井の演技力に完全に騙されていた…
検事は、町長に取材してないことを「片取材」「裏付け取材をするべきだったのでは?」等、ここをネチネチと質問していた。
私が一番、関心を持っていたのは、新井の性被害デッチアゲの証拠である1時間音声データについて、彼が知っていたか? ということだった。
というのは、新井は私に「1時間音声データを飯塚さんに送ったら、飯塚さんが『これは(性被害の証拠として)弱いね。』と言ったので、彼に当時は洗脳されていたので、彼の言うままに1時間音声データを消去したんです」と言っていたから。
しかし、これも、息をするように嘘を吐く新井の…いやはや、こ~んなにシャラシャラと嘘を吐くことができる人物の実物を見たのは、本当に73年の人生で初めて!?…罪を飯塚に転嫁するための嘘だった。
検事のこれについての質問に彼は「全く知りませんでした。記者会見で(町長を強制ワイセツ罪で新井が告訴した時にYouTubeで公開した15分テープ)見て、初めて知り『そんなものがあったのか』と思い、ビックリしました。」と…。
彼は、嘘を吐いてはいない。新井は彼には15分テープさえ、聞かせていなかった!? そう思う根拠は、もし、飯塚被告人がそれを聞いていたら、町長が主張する潔白の根拠が崩せるから「こんなふうに町長は信用できない人物なので、取材しなかったことは正当である」として、民事裁判に出さないはずはないのに、そういう主張は全くしていないからである。
「新井さんは、なぜ、こんな嘘を吐いたと思いますか?」という質問には「よく、分かりませんが、町長が新井さんを選挙で落とそうとしたことへの復讐ではないかと思います」
それは正答だと思う。彼女自身が、雑誌の取材やテレビのインタビューで臆面もなくそう答えているのだから…
町長は、まさかそんなクッダラナイ私怨から、あんな酷い嘘を吐いたとは夢にも思ってないようで「私が時間湯の廃止政策をとったんで、それをさせまいと、あんな嘘を吐いて、私を陥れようとしたのだろう」と言ってますが、彼女はそこまでのレベルではない。
新井は「草津町始まって以来の、唯一の女性町議」という地位身分を至高の地位身分と思い込んでいるようだった…普通に生活している市民にはそれほどの地位身分とは全く思われないけれども…
だから、それを脅かそうとした町長はどんな手段をとってでも陥れてやりたいと思っていたところに、運が良かったのか悪かったのか「押し強く迫られると誰とでも寝る女だから、町長とも肉体関係を持ったに違いない」と予断を持っていた飯塚ライターに出会ったのである。
飯塚被告人は時間湯で湯治して病気が快復したので、なんとしても廃止は避けたいと思っていたので、この「スキャンダル」を利用し、山本一太県知事…町長と仲が良い…に「『このスキャンダルを公開されたくなかったら、時間湯廃止を考え直すよう、町長に働きかけてほしい』などとメールを二度送った。しかし、無視されたので公表する」と愚かにも電子書籍に書いている。
こういう二人の思惑の一致が、草津町だけでなく大騒ぎを引き起こし、本当に性被害を受け苦しんできたフラワーデモの女性たちも新井に騙され、我が身に引き付けて「性被害者である」新井「支援」を広げてしまったわけである。
新井の罪は道義的には法廷の罪よりも、もっと重い。しかし、当人は「私は2015年1月8日の面談中、『押し倒された』というのは嘘だったけど、町長室で町長に触られたから、立派な性被害者」と主張し、在宅起訴中の身でシャラシャラとまたもや町議選に立候補し、27票で最下位落選した。26人の草津町民が未だ彼女に騙されっぱなし…。
10月13日(金)11時~12時、論告求刑。
11月 8日(水)11時半~12時半、弁論。
もう、傍聴の必要は感じない。年内に判決が出そうかな? まぁ、飯塚被告人の有罪は明らかだけど「謝罪しているし、電子書籍は絶版にして反省を示しているし、執筆依頼も来なくなるという社会的制裁も受けている」として執行猶予が付きそうな気が…
裁判長はとってもフランクな感じで、東京地裁・高裁の高圧的か、無表情な裁判官を見慣れていると、ちょっと新鮮だった(笑)。
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