パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

東京・教育の自由裁判をすすめる会による最高裁要請(2/4)

2016年06月20日 | 日の丸・君が代関連ニュース
最高裁第三小法廷 裁判官 御中
◎ 要 請 書
2016年6月14日
S(元教育庁事務局職員)

 私は、1964年東京オリンピックの年に東京都教育委員会に就職し、仕事としてオリンピックに関わり聖火リレーの記録写真を撮ったり、沿道で「日の丸」の旗も配りました。職場の先輩は皆さん戦争体験者ですから、個々人の思いは多々あったと思いますが「日の丸・君が代」は式典や競技でごく普通に使用されていました。
 1999年8月13日「国旗及び国歌に関する法律」(国旗国歌法)が公布・施行されました。国会では賛否の議論があり、時の小渕首相、有馬文相も「義務づけは考えておらず」との答弁も加味されるという経過をたどり成立したものです。
 しかし、都教委は「国旗国歌法」成立時の経過を何ら斟酌することなく2003年10月23日「日の丸・君が代」を強制する通達(10.23通達)を発し、これに従わない教職員を処分するという事態まで突き進み現在に至っています。
 東京都教育委員会に勤めていた私たちは、こうした事態がすすめば、取り返しのつかないことになると憂慮し、2004年(管理職を含め百名を超える元職員の要請署名)以降毎年、教育委員会教育長・委員長に以下の要請を行ってきています。
 ◎ 「入学式・卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」の通達の撤回と「日の丸・君が代」の強制をやめ、これまでの処分撤回等を求める要請書
 《要請内容》
 1 処分の根拠規定となっている「入学式・卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施につて」の通達(2003年10月23日付通達)は、違憲・違法であり、撤回すること。
 2 卒業式・入学式での「日の丸・君が代」の強制はやめること。
 3 「10.23通達」を根拠に行った教職員の処分はすべて取り消すこと。
 4 都民の求める教育条件整備に一層努力し、民主的教育の確立に専念すること。

 (《要請の趣旨》は省略)

 私たちが憂慮した事態が、都教委の「10.23通達」以降全国的に拡大し、教科書からは「侵略」や「慰安婦」の表現が削除され、「教育勅語」の礼賛、道徳の教科化、海外で戦争する国づくりが「日の丸・君が代」の強制と表裏一体ですすんでいることに心を痛めています。
 そして、この間制度改正や組織改正として、
・教育委員会の代表が委員長から教育長へ
・総合教育会議が設置され、会議招集は地方公共団体の長、構成は都知事及び教育委員会です
・社会教育部・体育部を廃止し、教育行政を学校教育に特化
・都内に6か所の都立学校支援センター設置
・教育庁処務規則に教育長の直接下に教育監を設置
 などがすすめられ管理・統制が強化されました。
 ● いま職場では
 教育委員会開催日は警備が強化され、「日の丸・君が代」強制で教職員の処分が案件となる日は、4フロアーすべてで入室制限、課長代理級の職員まで警備に動員されています。
 社会教育部・体育部を廃止し、専門職である社会教育主事・体育主事は事務職への変更か退職かを迫られ、多くの主事が退職、生涯学習の名のもとに指導部の中で学校支援に数名が残ったものの本来業務とは乖離した仕事に従事しています。
 支援センターでは、指導主事と事務職員が月1回の学校訪問、授業・職員会議を傍聴。センター長は、学校長の自己申告の評定者です、月1回学校訪問やヒヤリングを行っています。
 こうした現状に職場では、
  「本来業務に支障がでる」
  「成果が上がらない困難な仕事は避ける」
  「個人プレーが目立ち、組織的な達成感や連携が得られない」
  「教育監は決済区分が増えただけ」
  「支援センターは二重行政の弊害」
  「訪問やヒアリングは監視や密告の奨励となっている」
 などなど、教育行政とその手法を危惧する声が寄せられています。
 そして「職場は端末でつながっているが、心はつながっていません」という職員の声に象徴されるように、活かされるべき集団的な英知が活かされていません。
 都教委は、アウトになれば、ギリギリセーフまで戻ればよいという方針で教職員への処分を繰り返していますが、こうした姿勢は法の趣旨を歪めるものです。
 私は、2度と戦前の轍を踏まないよう、また、元教育庁事務局職員として、後輩が教育行政に従事して良かったと終われるよう、「10.23通達」を撤回し、教育行政を本来の姿に戻すためにも、「10.23通達」と校長の職務命令が違憲・違法であり、教職員に対する懲戒処分が不当であって撤回されるべきものであることを明確にして下さるよう、司法の賢明な判断を切に要望するものであります。
コメント    この記事についてブログを書く
« 東京・教育の自由裁判をすす... | トップ | アベを倒そう!(131)<高校... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日の丸・君が代関連ニュース」カテゴリの最新記事