ぴあピアノ教室 〜目白、池袋、椎名町

豊島区目白にある街のピアノ教室のブログです。日々の出来事を綴っています。

頑張り

2011-06-15 22:46:39 | 
いつも、しっかり、そして丁寧に練習をしてきてくれるHくん。

練習の賜物で、テキストもどんどんレベルアップ。
…で、ちょっと難しい曲に当たっていました。

Hくん。
ちょっぴり完璧主義…?
間違えたり止まったりすると、
「最初から…」と振り出しにもどり演奏します。
ノーミスで弾き切らないと気が済まないようなのです。

そのHくんが、難しい曲に挑戦していました。

最初の週は、大変そうだったけれど、
練習方法のアドバイスをするに留めました。

次の週は、
その曲本来のテンポで弾こうと突っ走るHくんを制止し、
「ゆっくり、ゆっくりね」と。
頭で理解し切れていないものを、高速で弾いても無理だから…。
でもHくんは、曲本来のテンポで弾きたくて弾きたくて、
そして、つかえると悔しがりながらも最初から弾き直し。

「弾けないところだけを練習してから、最初から弾こうよ」
と言っても、だんだん気持ちがいっぱいいっぱいになって来ていたので、
「ダメ、最初から!ちゃんと速く弾きたいんだ!」
と言って、必死になっていました。

その曲本来のテンポで弾こうとすることは、とてもイイ!
でも、難所をクリアしていないのに、いくら通し練習をしても、
しかも高速で練習しても、
時間ばかりがかかってしまって、つらくなってしまいます。

なんとかHくんにゆっくり練習してもらおうと促しましたが、
Hくんに届いているかなぁ~…?
と心配しながら再び一週間を過ごしました。

そして今日!
弾き始めたHくんは、ゆっくり、でも丁寧に弾き進みます。

おお!!!
すごい!
ゆっくり、だけど、とってもしっかり弾けている!!
Hくん、すごいぞ~!

と心の中で叫びつつ、黙って聞いていると、
突然、曲の途中でHくん、
「ここってさぁ~…」
と、家での練習で疑問に思ったことを質問。
せっかくあと少しで弾き終えるところだったのに、
弾くのを止めてしまったHくん。

質問に答えると、
「わかった。じゃぁ、最初からね」
と、やっぱり再び最初から、演奏してくれたのでした

Hくん!
すごいね。
がんばったね

色々な練習の仕方があること。
ゆっくり、少しずつ、教えてあげられたら…と思っています。
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心を整える

2011-05-10 22:24:34 | 
「心を整える」長谷部 誠

言わずと知れた、サッカー日本代表ゲームキャプテン長谷部の本。

全日本の中で最も気になる存在だった長谷部が本を出した。
本田や岡部のように直接ゴールで点を取るわけではないけれど、
何故か、無言でいてもチームの集まりどころになる選手。
私は、そういう表へのアピールなしに人を集めてしまう人に、
すごく心惹かれるのだ。

一言で言ってしまうと、すごく「真面目」。

人に対しても自分に対しても、とてつもなくまっすぐ。
私はこういう人が好きだ。

と同時に、試合に向けての心の整え方にすごく共感。
そっくり同じではないけれど、
実は私も本番に向けて、同じような「整える」作業を割とするタイプ。
もっとも、長谷部ほど儀式めいてはいないけれど(笑)


「酒を控える」
これは、全く同じ!
かなり集中して臨まなければいけない練習、本番。
であればあるほど、お酒は控えます。
お付き合いで1杯程度は飲むけれど、
決してそれ以上は飲まないようにします。私も。
お酒の残った身体で、中々ピアノは弾けません。私は。
でもお酒は嫌いじゃないので、飲む時は結構飲みます。
…そもそも酒に強い家系のようなのです…はい。

「睡眠でリズムを作る」
一緒、一緒♪
睡眠時間をしっかり確保するようにしています。
寝不足は頭の反応も鈍るし、体も指も緩慢になるから。
で、本番前数日は本番そのものの時間にピークが来るように、
身体のリズムをそこに合わせるようにしています。
起きてから5~8時間くらいが、私のベスト。

会場に入るのに合わせて音楽を…というのは、さすがにしません(笑)
「音楽で気分を盛り上げる」のは、たまにはしますが。
こちらから音楽を発信する方なので、テーマ曲もありません(笑)

長谷部の場合、
試合会場に到着するのに合わせて、
音楽もぴったり終わるように計算しているようで、
ちょっと驚きました。
他にも色々しているようでしたが、
(私も、他にも色々やっていますが)
何だか、同じようなことをしている人がいると知って、
ちょっと嬉しかったです。
ある意味、不器用?

かなり興味深いことばかりが書かれていた本でした。
また、時々、長谷部の本について触れるかも知れませんが、
読んでいると、気持ちが凛とする…そんな本です。
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アン

2011-01-14 22:04:42 | 
年末から年明けにかけて、
かなり重暗い「模倣犯」を読んでいた。
今度は何か明るい話を…と思っていたら、
誕生日ということで、稀有なことに旦那が「アンシリーズ1~5」をプレゼントしてくれた。
いずれ「大人買いしたる!!」と思っていたところに前半5冊をゲット

子どもっぽいと言われようと何だろうと、
私は「赤毛のアン」が大好きだ。
読み始めると、シリーズ全部を読まなければ気が済まなくなる。

ホントにいいのだ、アンは。。。

「模倣犯」で冷えた心を温っためよっと
コメント (2)
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「子供は眠る」「彼女のアリア」

2009-10-02 14:01:20 | 
森 絵都作…です。

この作家さんのお話に共通していること。
すご~くイヤなヤツが出てくる。
それも、当たり前にいそうなヤツ。
「あ~、いるいる」みたいな。

そして読んでいるこちらが腹をたててしまうのだが、
登場人物たちはそこで破壊活動には入らない。
それはそれとして、うまく折り合いをつけられるのだ。

リーダー風を吹かせまくる従兄が出てくる「子供は眠る」。
最初は子分状態だった弟分たちが、
次第に従兄を陰で馬鹿にし始める。
で、それがピークに達しどうなるのかとヒヤヒヤしていると、
なんと、対等に付き合える関係になってしまうのだ。
そうだよね、きちんと付き合う方法、どっかにあるんだよね。

大うそつきの女の子が出てくる「彼女のアリア」。
ま、こちらは優しさから始まったウソかも知れないけれど、
でもちょっとタチが悪い。
ウソが膨らみまくったところで、破たんするけれど、
卒業式が終わって、最後に彼女に会ったところで、
「ぼく」は彼女を責めない。
普通なら「なんであんな大ウソついたんだ?」と
問い詰めてしまうかもしれないのに。
彼女と付き合えてしまう。

どんな人も悪い人ではなくて、
きちんと向かい合えば分かりあえる、と
そう、この作家さんは教えてくれているようだった。

読み終えるととても温かい気持ちになれる。
そんな作品だ。

もう一本。
サティのおじさんなる変わったおじさんが出てくる
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」は、
ピアノの先生が出てきて、同業者ゆえ、
個人的な見方が入ってきたりして、
すんなり読めず、これについては語れない…。
悪しからず。

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あいうえおちゃん

2009-09-28 21:30:06 | 
森 絵都「あいうえおちゃん」

手にしてみたら、文庫本なのに絵本のよう。
この間読んだ「ラン」とは全く異なる世界。
…というか、森 絵都さん。
面白い人だ。

内容は無い。
単にリズム感と、表現が面白くて、
それを味わうだけ。
でも、面白かった。

「あきすに あったら あきらめな」
「えくぼの えがおに えこひいき」
「そうりも そろそろ そだいごみ」
「ねながら ねんじた ねがいごと」
などなど。


すべて4・4・5で統一されていて、非常に読みやすかった。

そこらへんに置きっぱなしにしていたら、
娘が読んでいた。

「あきすって何?」
「留守にしているお家にドロボーが入ること」
「えこひいきって何?」
「…辞書ひいてみてよ」と言うと、
懸命に辞書を引いている娘。
しかし我が家の国語辞典は大人向け。漢字がいっぱい。
でも読めないながら、一つ一つ辞書を引く姿がかわいかった。

「あいうえおちゃん」は全編ひらがななので
子どもにも読める。
でも、内容をきちんと面白く理解するには
小学校中学年から高学年からだと思った。
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ラン

2009-09-25 09:27:20 | 
「ラン」森 絵都。

この作家さんの本を読んだのは初めて。

森 絵都。「知らないなぁ~」なんて思いながらプロフィール見たら、
講談社児童文学新人賞やら、路傍の石文学賞やら、
たくさんの賞をとっていた人だった。
そして、直木賞受賞作家だった。
全然知らないなんて!

「ラン」
一言で言えば、面白かった。

この作家さんの本。きっとこれから読みまくるだろう。

面白いという表現は適切でないかもしれない。
人の生きるということに対する思いが、それぞれ違っていて、
それをとても温かく描いていて、どの人にも共感できた。
登場しているキャラクターは、どの人も個性的。
でも、みんながみんな、自分らしく迷いながら生きている。

生きる意味をなくしている環は、
死の世界にいる家族に会うためにひた走る。
そして走って走っているうちに、
生きることに前向きになっていく。
環が前向きになればなるほど、
家族は安心して成仏し、環が足を踏み入れられない世界へと昇っていく。
(悲しいね)

人間、色々不幸な面を抱えているけれど、
そこからどうやって生きるかが大事なんだ。
自分の不幸な面に寄りかからずに…。

仲間に出会う前の環は、とてもとても閉鎖的な人間だった。
誰とも深く付き合わず、できるだけ人を避けていた。
渋々だったけれど、人と関わるにつれて、
面倒なこともたくさん出てくるけれど、
人と繋がり、だんだん自分らしくいられるようになっていく。

自分とは違う世界の人。
と感じる人って、周りには結構いるけれど、
きちんと付き合っていくことで、
相手のことがきちんと分かって、
第一印象とは実は全然違う人で、
同じように悩みを抱えて生きる仲間なのだと分かることがある。

避けてばかりいては、その人の本質は分からない。
自分を分かってほしいと思うなら、
まずは自分が歩み寄らなければ。

そんなことを感じた。

ただ、「ラン」の中にはそんな思いだけではなく、
もっといっぱい、色々な感情が溢れている。
読み終わった後に、あったかい気持ちになれる。

よかったら、読んでみてください。




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こころ

2009-08-01 23:10:16 | 
こども、お勧めの本。
まだ読んでいます。

「こころ」。
そう、夏目漱石の作品。

まず、驚いたのが、この前読んだ「坊っちゃん」とは
かなりかけ離れた空気観をもった作品だったということ。
こんなに作品を変えただけで変わるものかしら?
とびっくりするほど。

ただ、読み進めていくと、
やっぱり似通ったところがあったな、
とホッとした部分もありました。

でも、圧倒的に「こころ」の方が重い。
自分を通し抜いた「坊っちゃん」に比べ、
ひたすら生きることへの懺悔である「こころ」。

共通していたのは、
どちらの主人公も、生き方が真面目すぎて、
それがために、生きにくい性格であったことだと思った。

こういった作品を読むと、いつも思う。
真面目に生きなきゃな、と。

こんなにも、自分の思いや考えや、
自分の気持ちに一生懸命に向き合って生きている。
不器用だけれど、がんばっている。

「こころ」に出てきた先生とKは、自殺してしまう。
二人とも、自分を肯定できずに…。
でも、やっぱり、死なないでほしかった。
生きていたら、苦しくても、別の抜け出せる道を見つけられたかも知れない。
年をとってから、あの時の自分はダメな部分もあったかもしれないけれど、
でも、よく頑張ったと、言ってあげられたかも知れない。

そんなことを感じた作品だった。
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坊っちゃん

2009-07-26 06:27:18 | 
坊っちゃん

言わずもがな、夏目漱石の作品。

今まで読んだことがなかったので、
「何か読みたい、何か」と、
娘が学校から持ち帰った「読書のすすめ」なる冊子を見て
何となく読む気になった。

読み始めて、一度、半分くらいで「やめよう」と思った。
けれど、結局結末を知りたくて、全部読んだ。
…そんな本。

もっと、気持ちのすっきりする
保守的なものなのかと、勝手に思っていたけれど、
勧善懲悪。
ただ、勧善懲悪にしても、坊っちゃん、
何となく面白いけれど、…考え方が…真っ直ぐ…と言うのか。
面白いけれど、賛同しにくい。

もちろん、勧善懲悪。
これは、大賛成。
でも、これでは、誰と会っても、自分、自分。
この作品の中の事件があるから、生きるけれど、
いい人ばかりの中に入ったら、
周囲の人々とどんな付き合い方をしたのか…。
事件はともかく、
そんなことを考えながら、読みとおした。
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容疑者Xの献身

2009-06-14 09:04:18 | 
久々に、そして、遅ればせながら
東野圭吾さんの
「容疑者Xの献身」を読みました。

この作家さん。
とてもとてもすごいんです。
何がすごいって
「ミステリー作家」だと言っていること。

確かに、ミステリーだし、
推理だし、サスペンス…。。。

でも、それとは別に
必ず最後に
「人の気持ち」というものを
考えさせられます。

今回の本。
結末を言ってしまうことになるけれど、
石神って重い。
本人ストーカーを演じて…なんて書いてあったけれど
実際に私の周りにこんなことしてくれちゃう人いたら
重い。重すぎる。完全なストーカーです。

ホントにホントに靖子のことを思っていたのなら…。
あ、でも違うか。
死のうとしていた石神を、
この世に押しとどめてくれたのが靖子なら…
靖子のためなら、なんだってできると。
そう思っても仕方ないのか。

…。石神の気持ちもよ~く分かる気もするけれど、
でも、やっぱり、
それを知った靖子はこの後、
どう生きていけばいいの?

あまりにもヒドい。

そしてこんなストーリーを考えだせる
東野圭吾さん。
常人ではない。

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