そもそも色んなことに逃げ腰なSくん。
目立つことやプレッシャーのかかること
面倒くさそうなことには
とーっても後ろ向き。
発表会も気乗りせず
何となく色々言いながら
逃げ回っていた。
失敗したら…
間に合わなかったら…
出なくてもいいもん…
やる前から逃げる気満々(笑)
今年、
「やるよ、出るよ」
と私が声をかけると
「マジか…」
とは言っていたけれど、
やってみようかな…
の気持ちを感じた。
このままじゃダメだと
自分からは言えなかったらしい。
「出てみたい」「やってみたい」
を口にして
自分にプレッシャーを与えるのを
避けていたようにも見えた。
発表会の練習が始まっても
「やらなかったから」
と言い訳出来るようにしておきたいのか
中々、なかなかな状況が続いていた。
ずっと黙って練習に
付き合っていたけれど
そろそろ間に合わなくなるかな?と
ガッツリ叱ったその週のうちに、
発表会を中止にせざるを得ない
状況になり、
目標にしていた発表会を
Sくんから奪ってしまった。
私は何のためにSくんを叱った?
Sくんは何のために叱られたの?
目標がなくなり
やってみようかな?
のSくんの貴重な気持ちが
消えてしまうかと
心配していたけれど、
実は真逆で、
Sくんはゴールが無くなっても
やってみようかな?
の気持ちは続いていた。
Sくんの「やってみよう」の
気持ちは走り続けていた。
昨日のレッスン。
何と、本番で弾いても
大丈夫なほどにまで
弾き込んできていた。
やっぱり間に合ったんだ。
やれば出来たんだ。
間近で聴いていて
ウルウル来てしまった。
涙出る。
みんなに聴いてもらいたかったな。
惜しい…。
悔しい…。
本来なら今日が発表会。
ゴールがあったら
もっと全速力で頑張ったのかな?
ゴールが無くなっても、
ずっと頑張り続けたんだね。
弾けなかったり、
大移動で上手く次に繋がらなかったり、
そんな部分を練習しながら、
「あれ?何でココ弾けないんだ?」
と言うSくんは
とっても楽しそう。
私が何にも言わなくても
勝手に繰り返し練習している。
弾ければ楽しい。
やればできる。
だから、
弾けなくてもへこたれない。
出来なくても楽しめる。
Sくんに拍手喝采の気分。
あー。
発表会。
惜しかったなぁ。
…コロナめ!