「これもこれも難しくて
片手ずつじゃなきゃ弾けなーい」
とレッスンが始まって
早々に言ったのはTちゃん。
え?
これとこれ?
どちらも片手練習の必要はない曲だよ。
無意味に片手で練習することは勧めない。
片手練習…が、
全面片手奏になるのは避けたいし。
なんで?なんで?
「だって出来なかったんだもん!
両手ではまだ弾けない」
涙目になって訴えるTちゃん。
おやおや。
ならばまずは一曲弾いて見せて
と無理矢理両手で弾いてもらう。
理由は数小節で判明。
対策をしてもう一回両手奏→弾ける。
出来たね?
弾けたよね?
もう一回一人で弾いてごらん。
一人(助け舟なし)でも
やっぱり弾けました。
驚くTちゃん。
じゃ、もう一曲、こちらはなんでだ?
やはり無理矢理両手で弾いてもらう。
こちらも数小節で理由が判明。
こちらで楽譜を見るポイントを
指差しながら弾いてもらう。
たったこれだけ。
弾けました。
さらに驚くTちゃん。
「でもここは絶対無理だよ」
と言うので、
同じように視点のポイントを絞って
弾いてもらう。
弾けました。
Tちゃん。
曲の流れに乗って
ビュンビュン弾きたい人。
しかも、最初から。
先の先の先まで見てしまって
どうしていいか分からなくなっていた。
だから、先の楽譜を隠して
今今の音符を見ることに
集中してもらった…これだけ。
すると、安堵の涙を見せたTちゃんが
立て続けに質問してくる。
「こういう時は?
こういう時は?」
色んな場面の練習の仕方、
どうすれば…?
の質問が溢れ出したみたい。
真剣なTちゃん。
一生懸命なTちゃん。
頑張り屋さんのTちゃん。
一人で懸命に考えて
できる練習をしてみていた。
えらいなぁ。
いつもちょっと心配になっちゃうくらい
勢いで弾いているTちゃんが、
この日はしっかりゆっくり、
すごく丁寧に弾き進めている姿も
たのもしかった。
格好よかった。
ちゃんと考えて
一人で練習していたTちゃん。
逞しくなったなぁ。。。