Nちゃんが決めた。
発表会に参加する、と。
ずっと人前でピアノを弾くのは嫌だと言っていた。
間違えるから。
恥ずかしいから。
それから、それから…。
発表会のお知らせを渡した時、
「わーわーわー」と
パニックの様子だった。
でも、私は知っていた。
Nちゃんが、出てみたい、
と思うようになっていること。
何となく雰囲気で。
この前のレッスンの時、
発表会に参加することについて、
私の考えをただただNちゃんに聞いてもらった。
緊張は、する。
間違えない保証はない。
失敗は、あるかも知れない。
でもね…と。
最後に
「決めるのはNちゃん自身。
私からはもう何も言わない。
参加すると決めたら、
全力でバックアップする。」
と話した。
その時「うん」とだけ
その時「うん」とだけ
返事をしたNちゃんの目が、
すごく真っ直ぐで、
決意したのだけは分かった。
そして翌週、
「今日は、すごい日。
ピアノのだよ。」
と言って、
Nちゃんが申込書を渡してくれた。
ホントだ。
Nちゃんの決意表明だ。
怖いけれど逃げない
と決めたみたい。
そんなNちゃんの顔。
Nちゃん、すごいな。
発表会、まだまだ先だけれど、
もう既に階段を何段か昇っちゃったみたい。
Nちゃんの気持ち。
目一杯、もらったよ。