英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

ブレアのブレ方

2006-06-28 | イギリス
89年5月(サッチャー)
90年1月(サッチャー)
91年4月(メージャー)
92年4月(メージャー)
00年4月(ブレア)
01年8月(ブレア)
これがこれまでロンドンを訪問した時期です。90年前後と今世紀とを比べてみて一番の違いは、景気がすごくよくなっているということ。街の活気が全然違います。89年に行った時の印象は、とにかく街中の通りに「TO LET」(貸します)の看板が溢れていました。それと銀行の支店がものすごくある、という印象も。92年に行ったときにも同様の感じでしたが、00年に行った時にはとにかくビックリ。「TO LET」看板は見つからないし、金融ビッグバンの成果か銀行は大規模な統廃合が進んだらしく名前も変わり、店舗数も大幅に減っている。国鉄は分割民営化されており、大型店舗の改装や増床も積極的に行われ、新業態の飲食店(例えば回転寿司)なんかが新しいトレンドスポットとして出現したりと、とにかく様変わりしていました。
最初の訪問中に迎えた89年5月3日はサッチャー政権が誕生してちょうど10年という日。TVでは特別番組が組まれ、その10年を振り返る企画が流されていました。面白かったのはサッチャーのそっくりさんが出てきて政治ネタで笑いをとるコメディーや、サッチャーや夫デニスも人形として出てくるマペットショーの番組などがどんどんBBCでも流されていたこと。イギリス人の政治的「笑い」はけっこう質が高く楽しめます。
その後90年にメージャー政権が後を継ぎ、小さな政府を目指しサッチャーが大鉈を振るった政策の仕上げを行うのですが、97年の総選挙ではニューレイバーとして第3の道を掲げた労働党ブレアが地滑り的な勝利で政権を奪取し今に至っています。
このブレア時代が何だったかを簡潔にまとめたのが

山口二郎「ブレア時代のイギリス」

保守党の政策を逆に取り込み、これまでの労働組合偏愛主義から脱却し新しい社会民主主義を目指すブレア時代とはどうだったのか。選挙スローガン「教育!教育!教育!」はどう実践され成果がどう表れているのか。イラクへの派兵は政治にどのような影響をあたえたのか。
メージャー政権末期から実は始まっていた好景気に後押しされ、3期連続の安定政権となったブレアさんですが、ここに来て人気にかげりが出ているようです。早期の禅譲が画策されていますがどうなりますことやら。
一方でわが国の小泉くん。相変わらず人を小馬鹿にした発言を繰り返してますが、彼の成し遂げたことっていったい何だったのでしょう。3歳の娘に言わすと「こいずみさんは、ゆうびんきょくをかえるひと」だそうですが、幼児にもわかる政治だったということでしょうか。それとも日本政治が3歳レベルということか。