英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

イタリア語でしゃべらナイト

2007-03-26 | イギリス
ジョン・グリシャム「大統領特赦」

外国語を短期間でマスターする方法って・・・・あるのでしょうか?有名なのは、トロイの遺跡を発見したシュリーマンの勉強法。ネイティブを雇い入れひたすら会話するというもの。ただ彼には、金持ちになって遺跡を発掘したいという尋常でない「情熱」があり、これでかなりの言語をものにしたのです。
本書の主人公バックマンはワシントンで凄腕ロビイストとして鳴らした人物。彼も突然イタリア語の習得が必要となり、イタリアへ行くことに。ネイティブの教師を雇っての勉強三昧なのですが、ちょっと普通の語学留学とはちがいます。毎日の食事は土地の有名レストラン(毎回違うレストラン)に連れていってもらい、お代はタダ。イタリア人の先生の報酬もタダ。費用を負担するズポンサーは「CIA」。つまり国費留学ってわけ。で、イタリア語を勉強する理由が、「命を狙われている」ってこと。風光明媚な街に暮らし、美味しい食事を楽しみ、魅力的な先生に習い、世界中の名うての暗殺者が命を狙って来る・・・。これで上達しないわけがない。
前半はまさにイタリア語初級講座とボローニャの街のグルメと観光ガイドブック。後半突然走り出し、ノンストップでエンディング・・・ってお話ですかね。
随所に「なんでよ?」がいっぱいのストーリーですが、グリシャムの面白さは出ています。でも法廷物がやっぱりいいよね。

ロンドンが舞台としてほんのちょっと数ページ出てきます。ある男がCIAに頭を轢き潰されちゃうってだけですが。