クリストファー・プリースト「限りなき夏」
「双生児」で、それまでは何ともなかったのに、突然地面が軟らかくなったかのような読書体験を与えてくれたプリーストの短篇集です。ここには8編のお話が収められています。
「限りなき夏」
戦時中のロンドン。空襲警報が響く中、男が1人、橋の上で佇んでいる。実は、彼はその時代の人間ではない。その場所でかつてどんな男女の会話がなされたのか、どうして彼はこの場所から動こうとしないのか。そして凍結者・・・とは・・。
「青ざめた逍遥」
遥かな未来のイギリス。ある目的のために作られた小川。そこには3つの橋が掛けられています。1つは明日へ渡ることが出来る橋、1つは昨日に渡ることが出来る橋、そしてもう1つはそのまま今日に渡ることが出来る橋です。このエリア一帯は人々の憩いの場として開放されており、主人公の少年一家も年に一度のピクニックでここを訪れることを心待ちにしています。少年が橋を渡るときに起こしてしまったハプニング。その時少年が会った人とは・・・。
恒星間旅行が試みられる時代にあって、バスケットを抱え、家族揃ってのピクニックを楽しんでいる光景が、古き良きイギリスそのものの様に思えるところが不思議なところ。少年のお父さんは、フロックコートにシルクハットという出で立ちです・・・。
「逃走」
プリーストのデビュー作とのこと。全体を貫く緊張感とスピード感。押し寄せるパワーと恐怖が主人公と共に読者を包み込みます。現代の先端デジタルアニメーションを観ている印象。
「リアルタイム・ワールド」
何故か完読できすコメントなし。
「赤道の時」
ここからの4篇は、数千年も戦争が続く、架空の群島が舞台であるシーリーズから選ばれています。シーリーズ物とはいっても、それぞれは関連性のないお話です。
この「赤道の時」は飛行機に乗る者からの視点で語られています。新しい飛行理論で時空を飛び回る飛行機たち。どこまでも続く大空と赤道上に浮かぶ島々の情景が美しく描かれます。
「火葬」
据え膳食わずは男の恥・・・が、食わなかったことで、いや、別なものを食べてしまったことで、とんでもない悲劇を招くことに・・。エロティックで恐くて、ちょっとエグイお話です。
「奇跡の石塚」
ここでやられてしまいました。プリーストには気をつけろ!とあれだけ慎重に読んでいたのに・・・。ちょっと油断した隙なのでしょうか、まんまと作者の意図通りに引っかかってしまいましたよ。
「ディスチャージ」
どこか現実感のない戦争・・。その戦地に送られた男は、赴く途中に目にした島々の名前を記憶し、その記憶を頼りに帰還しようとします。今では忘れ去られた絵画技法に執着し続ける男の運命は・・・。
これもなかなかにエロティックです。
「双生児」で、それまでは何ともなかったのに、突然地面が軟らかくなったかのような読書体験を与えてくれたプリーストの短篇集です。ここには8編のお話が収められています。
「限りなき夏」
戦時中のロンドン。空襲警報が響く中、男が1人、橋の上で佇んでいる。実は、彼はその時代の人間ではない。その場所でかつてどんな男女の会話がなされたのか、どうして彼はこの場所から動こうとしないのか。そして凍結者・・・とは・・。
「青ざめた逍遥」
遥かな未来のイギリス。ある目的のために作られた小川。そこには3つの橋が掛けられています。1つは明日へ渡ることが出来る橋、1つは昨日に渡ることが出来る橋、そしてもう1つはそのまま今日に渡ることが出来る橋です。このエリア一帯は人々の憩いの場として開放されており、主人公の少年一家も年に一度のピクニックでここを訪れることを心待ちにしています。少年が橋を渡るときに起こしてしまったハプニング。その時少年が会った人とは・・・。
恒星間旅行が試みられる時代にあって、バスケットを抱え、家族揃ってのピクニックを楽しんでいる光景が、古き良きイギリスそのものの様に思えるところが不思議なところ。少年のお父さんは、フロックコートにシルクハットという出で立ちです・・・。
「逃走」
プリーストのデビュー作とのこと。全体を貫く緊張感とスピード感。押し寄せるパワーと恐怖が主人公と共に読者を包み込みます。現代の先端デジタルアニメーションを観ている印象。
「リアルタイム・ワールド」
何故か完読できすコメントなし。
「赤道の時」
ここからの4篇は、数千年も戦争が続く、架空の群島が舞台であるシーリーズから選ばれています。シーリーズ物とはいっても、それぞれは関連性のないお話です。
この「赤道の時」は飛行機に乗る者からの視点で語られています。新しい飛行理論で時空を飛び回る飛行機たち。どこまでも続く大空と赤道上に浮かぶ島々の情景が美しく描かれます。
「火葬」
据え膳食わずは男の恥・・・が、食わなかったことで、いや、別なものを食べてしまったことで、とんでもない悲劇を招くことに・・。エロティックで恐くて、ちょっとエグイお話です。
「奇跡の石塚」
ここでやられてしまいました。プリーストには気をつけろ!とあれだけ慎重に読んでいたのに・・・。ちょっと油断した隙なのでしょうか、まんまと作者の意図通りに引っかかってしまいましたよ。
「ディスチャージ」
どこか現実感のない戦争・・。その戦地に送られた男は、赴く途中に目にした島々の名前を記憶し、その記憶を頼りに帰還しようとします。今では忘れ去られた絵画技法に執着し続ける男の運命は・・・。
これもなかなかにエロティックです。