英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

グールドの平均律

2010-02-26 | 日常

かつての異端児、かつての先駆者も今となってはきちんと殿堂入り・・・。狛犬さん「あ」のリヒテルに対し、狛犬さん「うん」のグールドといったところでしょうか。
でも、よい子のみんなは真似しちゃいけませんよ。そんな弾き方したら音大に通りませんから・・・。
私はバッハが大好きです。特にこの平均律が大好き。最初のプレリュードが自分で弾けたらどんなに素晴らしいだろう、といつも思っていました。でも、自分は小学校2年生でピアノレッスンを挫折した身・・・。そんな人間が平均律を弾くなど、神をも恐れぬ罰当たりな考え、と永らくその考えを封印しておりました。
・・・・・・・・、ある日(昨年)、娘が癇癪を起こしながら(娘はピアノが大嫌いです)ピアノの練習をしているのを眺めていると、ふと「弾いてみようかな」って思っちゃったのです。楽譜を買ってきました。メヌエットすら満足に弾けない人間が平均律にチャレンジです。まあ、第1巻、第1曲ハ長調の前奏曲は確かに1番易しい曲ではあるのですが、赤錆だらけの自分にとっては難曲です。指はツル、首は痛くなる、何故か左ふくらはぎもツッてしまう練習を独学で土曜と日曜に少しずつ・・・・。でも、人間ってすごいですね。土曜よりも日曜日は上手くなる、で、また次の土曜日は下手になる。この繰り返しで約半年、テンポはめちゃくちゃですが、何とか楽譜を見ながら間違えずに弾けるようになりました。(えっへん!)
弾けるようになってこのグールド盤を聞いてみると、曲の構成と音の一つ一つがすごく分かりやすいのでびっくりします。リヒテル盤だとまったくわからない(ただ美しいだけ)のですが・・・・。で、最近はこのグールドといっしょに時々プレリュードを弾いています。彼の鼻歌も真似しながら・・・。私の限界はここまでですが。

ずいぶん昔に打ち上げられた惑星探査船「ボイジャー1号」。今は太陽系を離れてはるか彼方を飛行していると聞きます。このボイジャーには地球外知的生命体に出会った時を想定してメッセージと地球の色々な音楽が金色のレコードとして載せられています。その内の1曲はグールドの弾く平均律第2巻の第1曲プレリュードだそうです。


これがレコードが収められた円盤です。




リヒテルの平均律

2010-02-26 | 日常

LP・BOXセットとCDセット・・・・。LPセットは当時1万円(高い!)もした。
一生持っていて繰り返し聴くにたえうる演奏・・・吉田秀和氏のコメント通り、永らく平均律クラヴィーア曲集の定盤として、信頼のTOYOTAブランドのごとく君臨してきた名盤です。
朝靄の中、薄明かりとともに響いてくるプレリュードは「音楽が始まる純粋な喜び」であり、最後24曲のプレリュードでは音、そして時間までが永遠の彼方に吸い込まれていく様に感じられます。古城を使って録音されたらしいですが、残響音の多いその音色はいつ聞いてもやはり一生もの。

私はこのCDをかけながら夜の都市高速(空港が見える)をドライブするのが好きです。