●拉致工作機関、金総書記が直接指揮 日本政府調査で判明 朝日新聞 2009年11月2日
北朝鮮による日本人拉致事件を計画・実行した朝鮮労働党対外情報調査部(現35号室)が、金正日・朝鮮労働党書記(現在は総書記)から直接指揮を受ける形で活動していたことが、日本政府の関係当局の調べで明らかになった。金総書記からの指示を受ける際には「伝達式」が行われていた。日本政府内では、金総書記が日本人拉致を指示したか、少なくとも知りうる立場にあったとの見方が強まっている。
金総書記は02年9月の日朝首脳会談で、当時の小泉純一郎首相に「特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走ってこういうことを行ってきたと考えている」と述べて謝罪。責任者をすでに処罰したとも説明した。自身の関与を否定するこうした主張の根拠が揺らげば、拉致、核、ミサイル問題を包括的に解決して日朝国交正常化を目指す方針を掲げる鳩山内閣の取り組みは困難なものになりかねない。
政府関係当局の調べでは、日本人が拉致された70年代から80年代初め、対外情報調査部は、金日成国家主席(故人)の後継者の地位を固めつつあった金正日総書記直属の工作機関と位置づけられていた。部長、副部長、課長、指導員、工作員という構成。副部長は3人おり、課は1課から7課まであった。課ごとに日本、韓国、中国などを国別に担当していたほか、工作員養成を担当する課もあった。
金総書記からの命令を受ける際には、朝鮮労働党の本部に部長、副部長、課長が集められ、「伝達式」が開かれていた。命令は「親愛なる将軍様、金正日同志が次のように指摘されました」という言い回しで始まり、それに続く形で具体的な内容が文書や口頭で伝えられた。命令はその後、課長から指導員、指導員から工作員の順に必要事項が文書や口頭で伝えられた。命令は絶対で、背いた場合には職務更迭や処刑などの厳しい処分があったという。
日本人拉致事件をめぐっては、すでに警察当局は金総書記に近い対外情報調査部の李完基(リ・ワンギ)・元部長と姜海竜(カン・ヘリョン)・元副部長が、地村保志さん、富貴恵さん夫妻、蓮池薫さん、祐木子さん夫妻の拉致を計画、指示したと判断している。政府関係者によると、福田政権時代に逮捕状を請求することも検討されたが、官邸側の意向で見送られたという。
日韓外交筋によると、この幹部2人の関与を裏づける過程で、08年2月中旬に日本政府関係者が、78年に北朝鮮に拉致されてその後脱出した韓国の女優、崔銀姫(チェ・ウニ)さんに事情聴取した。崔さんは著書にこの幹部2人と金総書記が写った写真を掲載している。崔さんは事情聴取に対し、金正日総書記が70年代に金日成国家主席から政権運営を譲り受けていたと説明し、日本人拉致については金総書記の指示が「あったと思われる」と証言した。
http://www.asahi.com/politics/update/1102/TKY200911010336.html
http://www.asahi.com/politics/update/1102/TKY200911010336_01.html
●「金総書記が拉致指揮」報道を否定=官房長官 時事通信 2009/11/02
平野博文官房長官は2日午前の記者会見で、北朝鮮の金正日総書記が日本人拉致事件を実行した機関を指揮していたことを政府が確認したとの朝日新聞の報道について「この事実関係を政府としては把握していない」と否定した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009110200308
【私のコメント】
11月2日の朝日新聞は「拉致工作機関、金総書記が直接指揮 日本政府調査で判明」とする記事を伝えている。それによると、日本人拉致事件を計画・実行した朝鮮労働党対外情報調査部は、金正日・朝鮮労働党書記(現在は総書記)から直接指揮を受ける形で活動しており、金総書記からの指示を受ける際には「伝達式」が行われていたという。金総書記は02年9月の日朝首脳会談で、当時の小泉純一郎首相に「特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走ってこういうことを行ってきたと考えている」と述べて謝罪、責任者をすでに処罰したとも説明して自身の関与を否定したが、実際には自ら指示していた可能性が高いことになる。
北朝鮮の日本人拉致は謎が多い。目的がはっきりしないのだ。日本に潜入するスパイを教育する目的であれば、日本から帰国した朝鮮人で十分である。日本人を拉致することが対日外交で得点になるわけでもない。拉致問題が明らかになって以後、日本人の対北朝鮮感情は極度に悪化している。一体何が拉致の目的なのだろうか?
私の考える答えは、「日本人の対北朝鮮感情を極度に悪化させること」が日本人拉致の目的である、というものだ。北朝鮮は日本の残置諜者国家であり、日本の国益のために活動してきた。例えば朝鮮戦争では日本の産業が息を吹き返したし、核実験・ミサイル発射では日本の核武装やミサイル防衛の根拠を与えることになった。しかし、このような北朝鮮と日本の同盟関係が公になると、朝鮮戦争が休戦中であることから考えて日米関係、日韓関係に悪影響が出てしまう。日朝の友好関係を秘密にするためにも、表向きは日朝関係が悪化していることが望ましい。そのような日が来ることを予見して日本人が70年代から80年代初めに拉致され、そして2002年9月にそれが公表されたというのが私の想像である。日本人拉致は恐らく日朝共同作戦であり、金正日だけでなく日本の支配階層も承認していたのではないだろうか。
同様の例は日露関係にも見られる。「日本人の対ロシア感情を極度に悪化させること」を目的とした北方領土問題の政治問題化である。表向きは最悪の日露関係だが、国際金融資本及び中国という共通の敵を有することを考えると、裏では良好な関係を維持しているのではないかと想像される。
北朝鮮には、近い将来に第二次朝鮮戦争で韓国を滅亡させるという大役が待っているであろうことを考えると、日本人拉致問題の最終的解決は韓国滅亡後になる可能性が高いと思われる。来るべき世界恐慌を解決するには、工業生産力が集中した日中韓三カ国のいずれかの工場設備が戦争により破壊されること以外の方法はないだろう。北朝鮮の南進による韓国の滅亡が日本の生き残りのために極めて重要であるからこそ、拉致による日朝同盟の隠蔽が必要になったのではないか、というのが私の結論である。
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北朝鮮による日本人拉致事件を計画・実行した朝鮮労働党対外情報調査部(現35号室)が、金正日・朝鮮労働党書記(現在は総書記)から直接指揮を受ける形で活動していたことが、日本政府の関係当局の調べで明らかになった。金総書記からの指示を受ける際には「伝達式」が行われていた。日本政府内では、金総書記が日本人拉致を指示したか、少なくとも知りうる立場にあったとの見方が強まっている。
金総書記は02年9月の日朝首脳会談で、当時の小泉純一郎首相に「特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走ってこういうことを行ってきたと考えている」と述べて謝罪。責任者をすでに処罰したとも説明した。自身の関与を否定するこうした主張の根拠が揺らげば、拉致、核、ミサイル問題を包括的に解決して日朝国交正常化を目指す方針を掲げる鳩山内閣の取り組みは困難なものになりかねない。
政府関係当局の調べでは、日本人が拉致された70年代から80年代初め、対外情報調査部は、金日成国家主席(故人)の後継者の地位を固めつつあった金正日総書記直属の工作機関と位置づけられていた。部長、副部長、課長、指導員、工作員という構成。副部長は3人おり、課は1課から7課まであった。課ごとに日本、韓国、中国などを国別に担当していたほか、工作員養成を担当する課もあった。
金総書記からの命令を受ける際には、朝鮮労働党の本部に部長、副部長、課長が集められ、「伝達式」が開かれていた。命令は「親愛なる将軍様、金正日同志が次のように指摘されました」という言い回しで始まり、それに続く形で具体的な内容が文書や口頭で伝えられた。命令はその後、課長から指導員、指導員から工作員の順に必要事項が文書や口頭で伝えられた。命令は絶対で、背いた場合には職務更迭や処刑などの厳しい処分があったという。
日本人拉致事件をめぐっては、すでに警察当局は金総書記に近い対外情報調査部の李完基(リ・ワンギ)・元部長と姜海竜(カン・ヘリョン)・元副部長が、地村保志さん、富貴恵さん夫妻、蓮池薫さん、祐木子さん夫妻の拉致を計画、指示したと判断している。政府関係者によると、福田政権時代に逮捕状を請求することも検討されたが、官邸側の意向で見送られたという。
日韓外交筋によると、この幹部2人の関与を裏づける過程で、08年2月中旬に日本政府関係者が、78年に北朝鮮に拉致されてその後脱出した韓国の女優、崔銀姫(チェ・ウニ)さんに事情聴取した。崔さんは著書にこの幹部2人と金総書記が写った写真を掲載している。崔さんは事情聴取に対し、金正日総書記が70年代に金日成国家主席から政権運営を譲り受けていたと説明し、日本人拉致については金総書記の指示が「あったと思われる」と証言した。
http://www.asahi.com/politics/update/1102/TKY200911010336.html
http://www.asahi.com/politics/update/1102/TKY200911010336_01.html
●「金総書記が拉致指揮」報道を否定=官房長官 時事通信 2009/11/02
平野博文官房長官は2日午前の記者会見で、北朝鮮の金正日総書記が日本人拉致事件を実行した機関を指揮していたことを政府が確認したとの朝日新聞の報道について「この事実関係を政府としては把握していない」と否定した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009110200308
【私のコメント】
11月2日の朝日新聞は「拉致工作機関、金総書記が直接指揮 日本政府調査で判明」とする記事を伝えている。それによると、日本人拉致事件を計画・実行した朝鮮労働党対外情報調査部は、金正日・朝鮮労働党書記(現在は総書記)から直接指揮を受ける形で活動しており、金総書記からの指示を受ける際には「伝達式」が行われていたという。金総書記は02年9月の日朝首脳会談で、当時の小泉純一郎首相に「特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走ってこういうことを行ってきたと考えている」と述べて謝罪、責任者をすでに処罰したとも説明して自身の関与を否定したが、実際には自ら指示していた可能性が高いことになる。
北朝鮮の日本人拉致は謎が多い。目的がはっきりしないのだ。日本に潜入するスパイを教育する目的であれば、日本から帰国した朝鮮人で十分である。日本人を拉致することが対日外交で得点になるわけでもない。拉致問題が明らかになって以後、日本人の対北朝鮮感情は極度に悪化している。一体何が拉致の目的なのだろうか?
私の考える答えは、「日本人の対北朝鮮感情を極度に悪化させること」が日本人拉致の目的である、というものだ。北朝鮮は日本の残置諜者国家であり、日本の国益のために活動してきた。例えば朝鮮戦争では日本の産業が息を吹き返したし、核実験・ミサイル発射では日本の核武装やミサイル防衛の根拠を与えることになった。しかし、このような北朝鮮と日本の同盟関係が公になると、朝鮮戦争が休戦中であることから考えて日米関係、日韓関係に悪影響が出てしまう。日朝の友好関係を秘密にするためにも、表向きは日朝関係が悪化していることが望ましい。そのような日が来ることを予見して日本人が70年代から80年代初めに拉致され、そして2002年9月にそれが公表されたというのが私の想像である。日本人拉致は恐らく日朝共同作戦であり、金正日だけでなく日本の支配階層も承認していたのではないだろうか。
同様の例は日露関係にも見られる。「日本人の対ロシア感情を極度に悪化させること」を目的とした北方領土問題の政治問題化である。表向きは最悪の日露関係だが、国際金融資本及び中国という共通の敵を有することを考えると、裏では良好な関係を維持しているのではないかと想像される。
北朝鮮には、近い将来に第二次朝鮮戦争で韓国を滅亡させるという大役が待っているであろうことを考えると、日本人拉致問題の最終的解決は韓国滅亡後になる可能性が高いと思われる。来るべき世界恐慌を解決するには、工業生産力が集中した日中韓三カ国のいずれかの工場設備が戦争により破壊されること以外の方法はないだろう。北朝鮮の南進による韓国の滅亡が日本の生き残りのために極めて重要であるからこそ、拉致による日朝同盟の隠蔽が必要になったのではないか、というのが私の結論である。
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中国は、韓国と協調しつつ、北朝鮮に核兵器開発をやめさせようとしている。この策が成功すると、中国は、韓国と北朝鮮の両方を傘下に入れ、米国に在韓米軍の撤退を迫るだろう。朝鮮半島は、冷戦の場から中国覇権下に変質する。日本が拉致問題を解決して北を支援することは、この中国の覇権拡大を妨害する策でもある。北朝鮮の対外経済関係の大半は中国が相手だ。日本が貿易や経済支援を再開してくれると、北朝鮮は「中国や韓国から関係を切られても日本がいるのでかまわない」と強気に言えるようになり、中国や韓国の言うことを聞かないようになる。今のタイミングで日本が北との関係を復活することは、北の核兵器開発を助長することにもなる。日本は独自の核兵器を持っていないので、北の核を使って代理的に中国を威嚇させる戦略という見方もできる。 (China agrees North Korea's nuclear activities a serious threat, says South)
日本は、北朝鮮だけでなくロシアに対しても「中国の言うことだけ聞く必要はない」と言えるようにする接近策をやっている。安倍政権は、プーチンのロシアとの関係を悪化させたがらず、ウクライナ危機で米国がロシアを制裁するのに一応乗ったが最小限の制裁にとどめている。5月28日には、日本の国会議員33人が、ロシアのサハリン島のガス田から東京近郊まで天然ガスを運ぶパイプラインを敷設する計画を近く提案すると報じられた。 (Japanese Lawmakers Propose $6Bln Gas Pipeline From Sakhalin)
サハリンから日本へのパイプライン計画は10年前からあるが、従来は北方領土問題などで日露対立があり、日本がロシアのガスに依存することでロシアが優位になることをおそれ、計画が進まなかった。2011年の大震災後、日本で原発が使いものにならなくなったため、状況が変わったとされる。だが、ロシアのガスに依存すると、EUがロシアに強い態度をとれないのと同様、日本もロシアを敵視できなくなる。
中国は先日、ロシアに恩を売るかたちでロシアから天然ガスを長期輸入する契約を結んだ。いまさら日本がロシアからガスを買ったところで、ロシアと中国を反目させることは困難だ。中国に脅威を与えたかったのなら、日本はロシアとの和解をもっと早くやるべきだった。むしろ今の日本は、中露結束による日本の孤立を防ぐため、ロシアからガスを買おうとしているかのようだ。 (◆プーチンに押しかけられて多極化に動く中国)
日本が対米従属を続けられるなら、朝鮮半島が中国の覇権下に入ろうが、中露が結束しようが、日本にとって大した問題ではない。だが、米国の覇権はかなり揺らいでいる。オバマ政権は中国包囲網策として「アジア重視策」を掲げるが、その実体は、軍事展開の現状維持の見返りに、日本や東南アジアに米企業による利権食い荒らし容認の体制であるTPPへの加盟を求めるもので、これは「対米従属の値上げ」である。TPPに関する米国の要求はきつすぎて、日本は受容できていない。オバマは訪日時、米国の軍事負担を減らすため日本が自由に海外派兵できるようになれと安倍に求め、安倍はそれを受けて集団的自衛権の拡大解釈を進めている。米国は余力が急減している。いずれ日本は対米従属を続けられなくなる。 (◆WTOの希望とTPPの絶望) (Suspicion undermines US-Japan ties)
米国の覇権が衰退する一方で、中国の台頭やBRICSの結束が強まり、世界の覇権構造が多極化している。日本人は関心を持たないが、中国からコーカサスまでのユーラシア中央部では、中露の覇権が急速に強まっている。そんな中で日本は、対米従属以外の自前の戦略として、今回の、北朝鮮に資金をやって中国の言うことを聞かなくさせる嫌がらせ策を超える戦略を持っていない(嫌がらせ策でも、新たに打ち出しただけ大きな前進だが)。
朝鮮半島は戦前、日本の覇権下(国内)だった。今の日本人の多くは韓国人が大嫌いだから、朝鮮半島なんか中国にやってしまえと思うかもしれないが、これは日本の長期的な国益を無視している。戦前のような上下関係のある植民地化(併合)は「悪」だが、ドイツとフランスなどがEUとして統合したように、日本と韓国(いずれ北朝鮮も)が対等な関係で「日韓併合」するなら、EUよりはるかにゆるやかな統合であったとしても、日本は朝鮮半島を中国に奪われることを防げる。
しかし、このような試論は、日本人と韓国人が小さな無人島をめぐって強く憎悪し合う現状のもとでは、まったく机上の空論だ。このままだと、日本は無策のまま、唯一の依存先である米国をいずれ喪失し、中国沖の孤立した弱小島国に戻るしかない。
拉致問題終結の意味
2014年5月30日 田中 宇
5月29日、日本政府が北朝鮮との間で、拉致問題の再調査の見返りに経済制裁を緩和することで合意したと発表した数時間後、米国議会下院の外交委員会が、北朝鮮に対する経済制裁を強化する法案を可決した。新たな制裁は、資金洗浄と人権侵害に関するもので、核開発に対する既存の制裁の上に科される。たとえ北朝鮮がこんご中国などの圧力に応えて核兵器開発をやめたとしても、米国の対北制裁が残る仕組みになっている。北朝鮮に対する制裁を緩和する日本と、強化する米国という、日米が逆方向に動く事態になっている。 (US tightens North Korea sanctions)
米議会が審議中の新たな対北制裁は、北朝鮮がドルを使った国際決済をできないようにするものだ(ドルの国際決済はすべて米国のNY連銀を通過するので、そこで制裁する)。米国は07年にも同様の制裁を北朝鮮に科し、北朝鮮と取り引きしていた中国領マカオのデルタ銀行が制裁対象にされ、中国政府に大きな脅威を与えた。当時の米ブッシュ政権は、北核廃棄を目標にした6カ国協議の主導役を中国に押しつけ、その上で北への金融制裁を発動し、中国の銀行をも対象にすることで、中国に「早く6カ国協議を進めろ」と圧力をかけた。中国が脅威を感じて6カ国協議を進めて合意案を出すと、米国はそれに乗り、北に対する制裁を08年にいったん緩和した。 (北朝鮮制裁・デルタ銀行問題の謎)
しかしその後、米国は北朝鮮との関係を改善せず中国に任せ切りにしたため、北朝鮮は核開発を再開し、3回にわたって核実験を行った。今年に入り、北が4回目の核実験実施をほのめかす中で、中国は北に圧力をかけ、中朝対立が強まった。米議会が北にドル使用禁止の制裁を再開することは、米国が中国に北の面倒を見させようとする動きの再強化を意味する。 (北朝鮮の核実験がもたらすもの)
冷戦時代の東西分断のなごりである北朝鮮を、崩壊させるにせよ、国際社会に受け入れるにせよ、どこかの大国がその軟着陸を主導する必要がある。昨今の米国は、北朝鮮を敵視する米韓合同軍事演習をさかんに行っているが、これは北朝鮮の脅威を煽るばかりだ。米国はもはや、北の脅威を低下させる解決策をほとんどせず、敵視するだけで放置している。1994年の枠組み合意締結から03年の6カ国協議開始まで主導役は米国だったが、その後は米国の希望により、主導役が中国に移っている。 (North Korea needs 'strategic shaping')
米国が北朝鮮問題の解決役だった時代に、米国は、北朝鮮の問題を解決することを通じて、極東の国際的な安全保障体制を、日韓の対米従属と中朝への敵視で構成されていた冷戦時代の体制から、日韓朝米中露が対等に協調するかたちに転換しようとしていた。94年の枠組み合意は、北が核開発施設を廃棄する見返りに、日韓が北に軽水炉を提供し、日韓から北への経済支援で北を経済的に安定させるシナリオだった。03年からの6カ国協議は、北が核を廃棄し、北朝鮮と日米韓が和解し、6カ国協議を朝鮮半島関連6カ国の地域安保協定に昇格することが最終目的だった。 (日米安保から北東アジア安保へ)
いずれのシナリオでも、日韓は、北朝鮮と和解することで、北の脅威があるので対米従属が必要だという従来の国是を棄て、米国に頼らず独自の外交姿勢を持つ国是への転換を迫られる。日本が何も考えずに枠組み合意や6カ国協議に参加していると、米国の傘下から外されていきかねなかった。そこで日本政府は、98年から拉致問題を重要な外交案件に掲げて「たとえ米朝が和解しても、日本は拉致問題がある限り、北朝鮮と和解できず、敵視せざるを得ない」と言えるようにした。拉致問題は、ロシアとの和解を避けられる北方領土問題や、中国との和解を避けられる尖閣問題と同質の、日本が対米自立を避けるための「外交防波堤」だった。 (ヤルタ体制の復活) (6者協議進展で困る日本)
米国がずっと北朝鮮問題解決の主導役をしていたら、日本政府は拉致問題をずっと「解決」しなかっただろう。北朝鮮が謝罪しても、同時に渡してきた遺骨をDNA鑑定したところニセモノだったと憤って見せ(長く土の中にあって、地中の雑多な生物にさらされてきた遺骨を、DNA鑑定して本人のものと特定することは不可能だと、英国の科学誌ネイチャーが指摘したが、日本では無視された)、日本は拉致問題の解決を拒否した。 (北朝鮮6カ国合意と拉致問題)
しかし03年から米国が中国に北朝鮮問題の解決役を押しつけ、胡錦涛の時代に消極的だった中国が、習近平政権になって北朝鮮問題の解決役をすることに本腰を入れるに至り、拉致問題に対する日本政府の姿勢が変化し始めた。米国が北朝鮮と和解して日韓を対米従属から押し出す見通しが消えた以上、拉致問題を使って日本が独自の北朝鮮敵視策を続ける必要はない。
今年3月には、日本政府が北朝鮮側と交渉し、モンゴルで、拉致被害者の横田めぐみさんの両親が、めぐみさんの娘キム・ウンギョンさんと面会する場を設けた。ウンギョンさんは、めぐみさんがすでに亡くなっていることを面会した祖父母に伝え、遺骨は別人のものだとする日本側の主張を全面否定した。この面会は、めぐみさんがすでに死んでいるとする北朝鮮の主張を日本側が追認せざるを得ない状況を作ることが事前に予測されていたが、それでも安倍政権は面会を実施した。
外交防波堤にする策を乗り越えて拉致問題を解決しようと02年に首相だった小泉純一郎が訪朝したが、事後の官僚機構のプロパガンダ策にかなわず失敗した。安倍首相は、小泉がやり切れなかった拉致問題の解決を成し遂げて、小泉を乗り越えることを目標にしている。外交防波堤としての拉致問題の政治的必要性が低下している以上、安倍は自分が訪朝し、拉致問題を解決した首相として歴史に名を残したいだろう。 (安倍靖国参拝の背景)
(続く)
で、TPPだよね。シナリオは違うけど民衆の考えが下流に流れるとか、アメリカの思惑・・・同じだ。
今さらながら攻殻機動隊(いや、士郎正宗や押井守)は凄いな。
オウム真理教の施設もサリンの製造装置ではなくて麻薬の精製装置だと思う。
http://ayarin.iza.ne.jp/blog/entry/766792
(ここのコメント欄におもしろいことが書いてある。)
小泉の親(祖父?)は稲川会の幹部ということなので北朝鮮からの麻薬は絶対に阻止したいところだ。現在北朝鮮からの麻薬は中国を経由して送られてきている。
http://sibanokuni.exblog.jp/10658196/
どこまでが本当なのだか分からないが、参考程度にリンクを貼っておく。
これは妄想なのですが、1970年代に日本が対米追従路線を変更しようとしたのではないか。その延長線上にこの拉致事件があるような気もします。結果はロッキード事件ということでしょう。
ただ、日本と北朝鮮の残置諜者国家の関係が数十年に及ぶことを考えれば、拉致問題も30-40年程度のタイムスパンを持った工作であってもおかしくないのではないか、というのが私の着想です。1970年代はニクソンショックやベトナム戦争などがあり米国の弱体化が目立ち始めた時期でもあります。
ーーーーー編集「名無しの経営者」
我々の研究者によれば、この2010年は間違いなく欧州人にとって困難な年になる。世界的な貨幣秩序を含めて決定的に重大な年になるであろう。
低開発国も含めてすべての国が、現下の制度危機に巻き込まれる。しかもその進行速度はすばやい。ロバートフリスクは『ドルの死』と言う論文で、日・仏・露・支と湾岸産油国がドル以外の通貨による取引を9年以内に実施することを検討していると書いている。
我々の予測に基づけば、このことは、少なくとも2年以内に起こるだろう。危機は物事を異常な速さで進展さすものだからだ。
9年前の世界を思い返せば、理解しやすいだろう。9年前は、子ブッシュが大統領になったばかりの時だ。その2年後に9・11が起こる。
つまり当時米はイラクにもアフガニスタンにも出兵しておらず、ニューオーリンズは、まだカトリーナで破壊されていなかった。
ユーロは0.9ドルだったし、ユーロ憲章は討議中だった。露は経済危機の最中であり、支那は最貧国であた。
現在バカにされている米経済は、世界の規範として存在しており、現在は消失している米の投資銀行は、無敵だったのだ。また現在破産の危機に瀕している英は欧州における超自由主義の伝道師として仰ぎ見られていたのである。
特記すべきは、9年前にはこれらそれぞれの事象が、専門家にとっても、その起こる数週間前であってさえも、発生を予期できなかったことである。
ーーーーー
つまり現在起こっている事象は、たった9年前でさえ、誰も考えられなかったことだということです。
だとすれば、「北朝鮮の南進による韓国の滅亡が日本の生き残りのために極めて重要であるからこそ、拉致による日朝同盟の隠蔽が必要になったのではないか」というような、現在のところ意外に思われる推論も、有効だと思われます。
「誰も日本人拉致の理由を説明できない」という事実の指摘に、まず小生は感心してしまいました。その通りだからです。その事実を前提にすると、なるほど、そういう結論も在りかなと思えます。通常の人には発想できないとその結論に、もう脱帽です。
世界金融大恐慌を乗り切るために、
(当時まだ発展途上国であった)
韓国を生産調整のため北朝鮮に滅亡させようとして
(その日朝同盟の存在を隠蔽するため)
70年代から80年代初めに日本人拉致工作をして敵対関係を演出していた。
というのはさすがに無理ありすぎではw
70年~80年代におこなっていた拉致を現在の国際環境にあわせて
利用しているというならともかく。
「北方マフィア」であるところの「北朝鮮」や、
「米露連合」や「米帝」の存在や、
「笑い男」という名の路上演劇集団や「仄めかし」漫談漫才とか、
「視覚デバイス・インターセプター」という名の「思考盗聴」とか、
「わしへの視線誘導か?」を実践する「ヨロコビ組」と漁夫の利を得る周りの傀儡達。
「オタマジャクシ」蒔いたり、「鮎」蒔いたり、「ラリP」蒔いたり、
それら演劇の裏で「模倣」「企業テロ」「企業脅迫」「株価操作」「公的資金導入」と、
「セラノ」氏が多数存在し、限られた職務と生活に専念している件。
要人の「芸者と脳殻を交換する遊び」が「中の人」の入れ換えが何を指し示しているかとか、
「インターセプターによる警察の内部監視」「俺の目を盗みやがったな」が「影の組織」のシルエットとか、
そして、元は目立たない異形の男「合田一人」が常に日本政府内に存在し、
状況をプロデュースするために報道機関、広告代理店、路上演劇集団、「通名」とか使い、
他国に利益供与し、草・傀儡として歴史的に癒着してきたという件。
「貴国には、コントロールできないカリスマ指導者(αブロガー)はいらない。
従順な消費者(TV視聴者)がいればそれでいい。」
「ロッキーに犬肉を買おうとするミキちゃん」が、
国民を支配する者達や手先達に、生活保護やら思いやり予算を与える国民を思い浮かべて、
攻殻機動隊って面白い!