国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

下落し続ける米国債はドル覇権終焉の前兆

2013年08月20日 | 米国
金融緩和の終焉で世界大恐慌開始の可能性がある9月17日のFOMCまで1ヶ月を切った今、米国で急激な長期国債の利回り上昇=国際価格の暴落が起きている。直近の最安値の5月と比較して10年米国債の金利は1%以上上昇しているのだ。世の人の多くは株価や為替には関心を払うが米国債の金利には関心が薄い。しかし、米国債の金利や価格は「ドル覇権=米国を通じた国際金融資本の世界支配」の信用度に直結している。リーマンショックで一度破綻した後に連銀の異常な買い支えによって米国株・米国債のバブルが形成され、米国不動産価格下落の打撃を凌いでかろうじてドル覇権が維持されているのが現状であるが、もはやそれが終わりに近づきつつある。 米国で形成された金融バブルは経常収支が赤字の国や発展途上国などの国に一部が輸出され、これらの国々で通貨高を含めたバブルが形成されていた。インドの通貨下落やソブリンCDS保証料率上昇はそのバブルの崩壊を示している。中枢が危なくなった米国の大手金融業が途上国から資金を回収しているのだ。ユーロ上げ幅縮小も同様の理由で説明できる。来るべき米国発(中国も同時か?)世界恐慌では米国株・米国債は暴落するが米ドルだけは暴騰し、米国は輸出産業が苦境に陥って恐慌を更に深刻化させるだろう。 . . . 本文を読む
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日本は何故勝ち目のない大東亜戦争に参戦したのか?

2013年08月15日 | 日本国内
大航海時代に入ってからはこの有利さは致命的弱点に転換した。欧米諸国の海軍力は日本周囲で自由に活動可能であり、日本は彼らに完全に包囲されていた。国際金融資本は最後に残った未踏の地である中国とロシアを占領するためにアジア大陸東岸に軍事基地を持つことを望んでいた。そして、残念ながら日本には彼らに戦争で勝つことは軍事力の格差から見て不可能であった。 ただ、勝算が全くなかったわけではない。国際金融資本は海軍力は強いが陸軍力は弱く、補給を海運に依存するために内陸への侵攻には限界があった。従って、日本が大東亜戦争に勝利するためには、日本本土を放棄し、国際金融資本の軍事力の攻勢終末点である東アジアの海岸からやや内陸に入った地帯で戦う必要があった。その戦いは日本本土が国際金融資本に降伏した後に、残置諜者国家である北朝鮮や、その支援を受けた北ベトナムなどによって遂行された。高麗を容易に征服した元が日本を征服できなかった様に、日本を容易に征服した国際金融資本支配下の米軍は北朝鮮やベトナムを征服することが出来なかった。朝鮮戦争とベトナム戦争は大東亜戦争の継続である。 日本本土の降伏後の戦いに備えるために、日本は東アジアに広く残置諜者と対日協力者を育成する必要があった。ソ連の共産主義に対抗するとともに、日本本土の降伏後に東アジアに形成される多数の共産主義国家の内部に残置諜者と対日協力者を配置することが、日本が満州事変・対中戦争・仏印進駐・米英蘭への宣戦布告と戦争を拡大した最大の理由であると思われる。ミャンマーやインドネシアで日本軍が現地の若者を訓練して軍事組織を作り、日本本土の降伏後に現地人が欧米人と戦い続ける様に仕向けたのはその一例である。また、ベトナム戦争で北ベトナムが塹壕を多数作ってゲリラ戦を戦ったのは、日本が沖縄や硫黄島で取った戦法が北朝鮮を通じて伝わった為であろう。 . . . 本文を読む
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前原誠司は大東亜共栄圏の対国際金融資本戦争の最高司令官として育成されてきた

2013年08月11日 | 日本国内
読書貧乏氏が言うとおり、2009年8月30日の総選挙による民主党政権成立は、2008年のリーマンショックによる国際金融資本の弱体化の隙を狙った日本の独立宣言であった。民主党政権成立後初めての2010年8月12日、前原国交相が所轄大臣として初めて御巣鷹に慰霊登山を行っている。国際金融資本の命令で米軍により行われた卑劣なテロ攻撃の犠牲者達を所轄大臣が弔うことは当然である。逆にそれが自民党政権時代には出来なかったことこそ、日本が国際金融資本の属領であったことを示している。2011年3月11日の国際金融資本による地震兵器を用いた日本攻撃の直前の前原の行動も注目される。前原は3月4日に自民党議員の質問で在日韓国人から献金を受けたことが判明し6日に外務大臣を辞任しているのだ。これは、国際金融資本からの脅迫を拒否した前原が時間稼ぎの目的と国際金融資本に対する抗議の意思表明で外務大臣を辞任したことを示している。その脅迫とは、TPPによる日本の国家主権の剥奪であったことは想像に難くない。2009年9月16日に発足した鳩山政権は米国による内政干渉である年次改革要望書を公式に拒否するという偉大な成果を上げたが、それに激怒した国際金融資本が新たにTPPによる日本の国家主権剥奪を日本に要求、恐らく拒否及び抗議の意思表明及び時間稼ぎ目的で2010年6月に鳩山首相が退陣し菅政権が成立している。2010年9月の内閣改造で前原は国土交通相から転じて外務大臣に就任しているが、これは当時史上最年少であった。京大法学部で外交問題を専門とする高坂教授の門下生となり、以後外交・安全保障を専門にしてきた彼がその実力を見込まれ、国際金融資本との外交交渉の最高責任者として選ばれたことを示している。菅直人首相が外交専門家ではないことを考慮すると、事実上この政権の真の首相は前原であったのだと思われる。 . . . 本文を読む
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ロシアはシベリアや極東を今後も維持し続けることが出来るか?

2013年08月09日 | ロシア・北方領土
フォーサイトの記事「中国軍がロシア極東に電撃侵攻する日」が興味深い。中国が仮にロシアに侵攻すれば、ロシア軍は対抗不可能。バルト三国やポーランドなどの反対により欧州諸国は動かず、米国も中立を守るとする。日本は米国の保護領という立場上か意思を表明しないが、中国の意思により北方領土返還を受けるという予想は、日本も中国の潜在的味方ということになる。周囲を敵国に囲まれた危機的状況でどのように事態を打開すべきかという点を国民に問いかけたものであろう。産経新聞の連載記事で取り上げられているロシア極東アムール州の穀倉地帯は、かつてアイグン条約でロシアに割譲されたが中国人居住者が多いため清の管理下に置かれた江東六十四屯に近いと思われる。北清事変でこの地域の中国人が虐殺され一掃されたことは石光真清の著書や旧制一高の寮歌で有名である。北京政府は1991年の中露国境画定時にこの地域の主権を正式に放棄したが中華民国(台湾)は放棄していない。今後もし中国が動乱・内乱を経て新体制に移行すればこの地域の国境問題は常に蒸し返されるだろう。シベリアでもう一つ注目すべきなのはロシア人の減少とアジア系少数民族の増加である。20世紀になってモンゴルから奪われたトゥーバではソ連崩壊後にロシア人が半減、先住民は増加しておりロシア人は16%まで減少している。北カフカスのカルムイクでも同様の傾向あり。17世紀からロシアの支配下に置かれたサハ共和国でもソ連崩壊後にロシア人の減少とヤクート人の増加が起きて人口割合が逆転した。かつてロシア人が過半数であったが今やヤクート人が過半数。広大な領土と豊富な資源を有し東シベリアの中核を成すこの地域が今後分離独立に動けば、ロシアの受ける打撃は計り知れない。シベリア鉄道が通過しシベリアの中核地域の一部であるブリヤート共和国でもロシア人が徐々に減少、ブリヤート人が増加して30%に達している。今後もシベリアではロシア人が減少し出生率の高い先住民が増加していくと思われる。ロシアが実効支配を維持するにはウラジオストクかユジノサハリンスクに遷都して極東に繁栄するロシア人居住地区を建設するしかないだろう。それが出来ても、数十年後以降には極東のロシア人はアフガニスタンのモンゴル系住民であるハザラ族や、現在のオーストラリア・ニュージーランドの白人の様に異人種の中で孤立した少数派として困難な運命を辿ると予想する。 . . . 本文を読む
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米国国務省が8月末までの渡航警戒情報を全世界に出した理由

2013年08月03日 | 米国
米国国務省は8月2日に、8月末までの期限で米国市民に対する渡航警戒情報を出した。対象は全世界だが、特に中東、北アフリカ地域などで国際テロ組織アルカーイダ系勢力によるテロ攻撃の恐れがあるという。 このニュースで私が思い出したのは、2001年9月上旬に米国政府がアジアを対象にテロ攻撃の危険が高まっているとの情報を流したことである。在日米軍基地も厳戒態勢に入っているとのニュースが流れていたのを思い出す。以前に民間人や米軍へのテロが起きていた中東やインドネシアも警戒情報の対象であった様に記憶している。ただ、今ネットを探してもソースが見つからない。正確な情報をお持ちの方は教えて欲しい。 1997年のアジア金融危機は国際金融資本によるアジア新興国攻撃であったが、その余波で1998年にロシアで財政危機が発生し、その結果8月17日にロシアが国債の債務不履行を発表した。これはLTCMの経営を直撃し、9月18日には破綻が目前となった。この危機はFRBの指示による緊急融資や金利引き下げで回避されたとされるが、実際には米国債関連取引で巨額の含み損が米国金融界に残ったという。この米国債関連取引の決済業務が行われていたのはWTCのツインタワーの高層階の一室であり、それが崩壊したことで含み損は消滅した。これが、同時多発テロがWTCで起こされた理由であった。犯人とされるアルカイダはもちろん国際金融資本の別働隊である。 . . . 本文を読む
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