中国文明は、平和で気候の良い時代に人口が極限まで増加し、気候悪化(寒冷化・乾燥化)と共に大飢饉とそれに伴う内戦で人口が減少するという歴史を繰り返してきた。飢饉や内戦の時期には親が子を殺して食うといった弱肉強食の極限状態が常態化し、それが家族以外の人間、あるいは同郷の人間以外を信頼しないという砂のようにまとまりのない社会を作りだした。危機に際して団結して生き残りを目指す日本人と、他人を信頼できないために自分だけ、自分の仲間だけの生き残りを目指して互いに争い、結果的に外敵につけ込まれる隙を与える中国人の行動様式は全く異なる。数千年の長い歴史が作りだしたこの中国人の民族性は容易に消えるものではない。たとえ一見文明化したように見えても、一度悲惨な飢饉や内戦が起きれば彼らは中国文明のDNAに従って野獣のような弱肉強食の本性を現すことだろう。上海市は少なくとも今後数十年の間は、孤立した西洋文明(日本文明を含む)の橋頭堡であり続けると想像する。 崇明島の環境保護計画は、人口の増加を抑制する点が最も注目される。これは単なる自然保護ではなく、内戦・伝染病蔓延などの危機に上海市民が避難する場所として確保することが目的ではないか。約1000平方㎞の崇明島は幅数㎞の水面で大陸と隔てられており、日本等の海軍力の支援の下に橋頭堡として確保することが中国大陸で最も容易な場所と思われる。中国の臨海地区の大都市の内、大陸が内乱状態になったときにシーパワーの力で維持し易いのは地形から考えて上海・大連・香港と思われる。大連と香港は大陸からの上水に依存しているという致命的欠点があり、この点で揚子江を利用できる上海が優位にある。更に上海には、陸から離れた崇明島という広い避難場所もある。狭く山がちで淡水自給不可能な香港島に比べた安全保障上の優位性は明らかだ。近い将来に上海が香港と同様の特別行政区に指定されれば、現在香港に本拠地を置く外資系企業の多くが上海に移り、中国の玄関口として圧倒的な発展を遂げることだろう。そして、大陸での内戦や暴動を恐れる富裕な中国人は挙って上海に移住するだろう。それは、かつて日本軍を中心とする駐留部隊によって治安が維持され繁栄していた上海租界の再現に他ならない。上海閥は、かつての租界の繁栄を復活させることを夢見て日本資本の進出に協力してきたのではないかと想像する。 . . . 本文を読む
米国がポーランドとチェコに弾道弾迎撃ミサイル(ABM)の配備を予定していることが米露両国間の対立を激化させている。ハドリー米大統領補佐官は「ロシアではなく北朝鮮やイラン(からのミサイル)を想定したものだ」と発言している。しかし、イランと欧米の対立は冷戦と同様の茶番劇である可能性が高いと私は疑う。イランは中東一の軍事大国であるイスラエルに加えトルコ・サウジアラビア・パキスタンなどのスンニ派の大国に囲まれており、これらとの関係が安全保障上の最大の懸念だろう。ミサイル防衛システムはその建設・維持に莫大な費用がかかるとされる。イラク戦争の戦費で米国経済が破綻寸前になっていることを考えると、今後このミサイル防衛システムが米国主導で本当に建設されるとは思えない。欧州の中心であるドイツの同意が得られていないのも致命的である。更に、ロシアはミサイル防衛網を突破できるとされる新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)のトーポリMの配備を開始している。トーポリMは、ミサイル防衛システムよりも遙かに安価であろう。このようにコストパフォーマンスの低いミサイル防衛システムを建設するより、他の手段を取る方が有益であることは自明である。では、このミサイル防衛システムを巡る米国・東欧とロシアの対立は何を意味しているのだろうか?私は、レーガン政権初期の米ソ対立、あるいは現在の米国とイランの対立と同様に、対立を演出すること自体を目的とする茶番劇ではないかと考える。米国の経済的破綻による計画中止でロシア側の勝利に終わるという結末まで含めたシナリオが既に用意されており、米露や東欧主要国はそれに従って対立を演じているだけではないかと想像される。江田島孔明氏が主張する「米軍とロシアの反国際金融資本連合」「ソ連・東欧圏共産主義国家崩壊がKGBの自作自演」との説とも矛盾しない。国際金融資本・英国・イスラエル連合は米国の戦略を知りつつもそれに乗る以外に方法がないため、ポーランドやチェコの反ロシア政策を煽っているのではないか?あるいは、国際金融資本自身も敗北を悟り、わざと負ける戦略で被害を小さくして、来るべき独露連合の支配する欧州での生き残りを図っているのではないだろうか? . . . 本文を読む
2007年2月21日に読売新聞などが報道した「日本の使用済み核燃料のウラン濃縮をロシアに委託する計画」は、もし事実とすれば従来の国際金融資本の日本支配を決定的に覆す画期的なものである。今後のロシアは世界のウラン資源・プルトニウム資源の管理を一手に引き受け、新たな核管理体制の盟主となるのではないだろうか?そして、日本の持つ核変換技術を組み合わせることで、使用済み核燃料に含まれる危険な放射性同位元素の安価で安全な処理も可能となることだろう。核開発を行っている諸国は、多量の放射性廃棄物や使用済み燃料の処理方法に頭を痛めている。これらの廃棄物が日露の技術で安価に処理し、更に新たな核燃料の抽出まで可能となれば、日露連合以外の原子力ビジネスは事実上商業的には存在し得なくなるのだ。将来的には、全世界の老朽化した核兵器の処理や核爆弾用ウランの供給の引き受け、更には「全ての大国が核武装することで世界平和が可能」という構想を実現するために、核兵器の保有を新たに希望する地域大国(日本を含む)へも日露連合(あるいはロシア単独)が核爆弾用ウランの供給を行うこともあり得るかもしれない。世界の大国全てが核武装するならば、その大国に挟まれた小国は自分も核武装しようとは考えなくなるだろうと想像されるからだ。 現在、イランの核開発問題を巡って米中露+英仏独の六カ国協議が続けられているが、その落としどころは「ロシアがイランに核燃料を供給し、使用済み核燃料の処理も引き受ける」という案になりそうである。イランと米国の軍事対立は実は冷戦と同様の茶番であり、本当に対立が起きているのは国際金融資本・英国・イスラエル連合と独仏露日+米軍の反国際金融資本陣営の間であると思われる。日本・ドイツ・イタリアなどの先進国の大国、イラン・サウジアラビアなどの産油国の大国、ブラジル・インドネシアなどの途上国・中進国の大国を含め、現在核武装していないあらゆる大国を含めた新たな世界的核管理システムへと現在の核拡散防止条約体制が移行し始めている様に思われる。それは、五世紀間継続した国際金融資本の世界覇権がロシアを中心とする反国際金融資本陣営へ移行することを意味するのだろう。そして、巨大な核軍備と陸上兵力を有するロシアが世界覇権の軍事部門の中核になることは間違いないだろう。 . . . 本文を読む
シンガポールと周辺国の関係が悪化しているのは、シンガポールを拠点として東南アジア地域から搾取していた国際金融資本の衰退と無関係ではあるまい。タイ南部のクラ地峡の運河計画が実行に移されなかったのはシンガポールの地政学的優位を崩壊させる危険があり国際金融資本からの圧力があったことが大きいだろう。運河を建設した場合は、運河周辺のイスラム系少数民族の分離独立運動を煽る戦略だったのではないだろうか?先日タイでクーデターを実行したソンティ陸軍司令官はこの地域出身のイスラム教徒であることも興味深い。
第二パナマ運河建設が断念された経緯から考えて、現状ではクラ地峡運河建設が実行される可能性は低いだろう。ただ、クラ地峡に石油パイプラインと石油備蓄基地を建設する計画、あるいはビルマのインド洋沿岸からベトナム東岸を結ぶ鉄道路線によるランドブリッジ計画が実行されるならば、石油やコンテナの輸送がマラッカ海峡からシフトすることが考えられ、シンガポールの地政学的優位は一挙に失われるだろう。東アジアと中東を結ぶ超大型石油タンカーは水深の浅いマラッカ海峡を避けて現在ロンボク海峡を通過しているが、クラ地峡の石油備蓄基地を利用すれば航海距離をかなり短縮できそうである。
今月に入り、シンガポールは法人税税率の引き下げや人口予測の上方修正で明るい未来を演出するのに必死である。しかし、タイ・マレーシア・インドネシアという周辺三カ国との関係が悪化している事を考えると、シンガポールの繁栄はもはや終焉を迎えたと見て良いだろう。ベトナムとの関係強化計画も、華僑に対する強い反感がベトナムに存在することを考えると成功する可能性はまずない。華僑は所属国家への愛国心よりも華僑の連帯意識を重視する、東洋のユダヤ商人的存在である。欧米人の手下として地域に同化せず東南アジアの住民から搾取してきた華僑たちは、東南アジアを去ることになるだろう。 . . . 本文を読む
これは私の想像だが、一九五〇年代から一九六〇年代にかけての中国は毛沢東政権の農業集団化・大躍進政策・文化大革命などの政策によって旧来の中国文明の遺産が破壊される危険があったと考えられる。そこで、中国政府の中の心ある人々が化学兵器処理との明目で、化学兵器の砲弾の中に財宝や重要な書類などを入れて保管したのではないだろうか?南京の化学兵器は国民党政権が首都南京を脱出する際に台湾に持ち出せなかったものであり、旧満州地区の化学兵器はかつての満州国に残された満州族やモンゴル族の財宝を含んでいるのではないかと想像する。満州族は旧清帝国の支配階級であり、現在でも旧満州地区や北京周辺(河北省含む)に多く居住し、漢民族と比較して都市住民の比率が高く大学進学率も高いなど、支配階層の中で一大勢力として残存していると想像される。彼らは大躍進や文化大革命の混乱期に、先祖から受け継いだ財宝を破壊されないように隠したのではないだろうか?更に、遺棄化学兵器の中に隠された財宝には日本のものも一部含まれているかもしれない。化学兵器の砲弾と混ぜて財宝を隠すというのは賢明な隠し方である。盗掘者は苦労して発掘したものが化学兵器であったことに非常に落胆し(あるいは落命し)、以後は盗掘者が寄りつかなくなると想像されるからだ。
中国での遺棄化学兵器処理事業が開始されたのは2000年である。ちょうどネオコンを中心とするブッシュ陣営が米国大統領選を戦い勝利した時期にあたっているが、米国の大統領選挙は外交評議会の決定した候補者を国民が追認する儀式である事を考えると、次期大統領をブッシュにすると外交評議会が決定したことをもって遺棄化学兵器処理事業が開始されたのではないかと想像される。そして、国際金融資本の敗北が確定する近い将来に、現在中国国内の倉庫に保管されている「遺棄化学兵器」が開封され、財宝などが日の目を見ることになると予想する。ハルバ嶺から回収される満州族の財宝を元に、満州国が復活することもありうるかもしれない。先日の中国での冬季アジア大会での中国政府の「長白山」キャンペーンは、瀋陽軍区を支配する満州族が、満州族の聖地である長白山を韓国人に奪われないための活動だったのかもしれない。 . . . 本文を読む
2月16日に金正日総書記誕生日記念式典が行われる。長男の金正男氏も出席予定という。六カ国協議合意に関する何らかの発表があるかもしれない。この日には盧武鉉大統領とハンナラ党の朴槿恵元代表(韓国の第5代~第9代大統領・朴正煕の長女)という与野党の有力政治家がともに外遊中だが、2月22日の竹島の日には帰国している様だ。金大中前大統領も竹島の日の前日に沖縄での休暇を終えて帰国する予定のようである。
竹島の日とは、竹島が島根県に編入された2月22日を記念する日である。1905年(明治38年)のこの日、島根県告示第40号に基づき、島根県知事が所属所管を明らかにしている。昨年は島根県庁前で韓国人団体による抗議活動が起きたようだが、今年も同様の抗議活動があるのだろうか?盧武鉉大統領、ハンナラ党の朴槿恵元代表、金大中前大統領といった要人が2月22日に竹島についてどの様に発言するかも注目される。 . . . 本文を読む
昨年秋以降、中国では江沢民前総書記につながる上海派閥を一掃する権力闘争が本格化しているという。しかし、その一方で中国政府は羽田空港と上海虹橋空港(国内線専用)の間のシャトル便の開設に前向きである。上海閥が敗北し北京閥が勝利しているのならば、このシャトル便構想は羽田北京間に変更されてしかるべきだがその様な動きはない。私は、上海閥と北京閥の対立というのは演出されたものであり、実際には上海閥が今も実権を握っているのではないかと想像する。胡錦濤は北京の清華大出身で北京出身の妻をもつ為に北京閥とされているが、彼自身は上海近郊の生まれで上海に縁の深い人物でもあるのだ。上海は日本からの多額の援助や投資に支えられ繁栄を極めているが、その発展故に他の地域の中国人からは妬まれ反感を買っている。上海閥としては、北京を生贄にして中国政府への庶民の不満を解消させ、その上で上海を香港のような特別行政区に格上げすることを狙っているのではないか。「特別行政区」は「高度な自治権を有するが、外交と防衛権を有しない」行政単位であり、かつての李氏朝鮮、あるいは清時代の藩部(チベット・ウイグル・モンゴルなど)と似ている。現在香港のみが指定されている「特別行政区」に、上海に加えて西部の少数民族地域が指定されることは十分考えられるだろう。具体的には、「北京閥の弾圧に上海閥が反撃し始めた」という触れ込みで、「北京閥は北京の繁栄のために五輪を開催し、農民の疲弊を放置している!」「北京閥は五輪を直ちに中止し、その施設と費用を疲弊した出稼ぎ農民の為に使え!」との上海発の政府批判が政府自身によって大々的に広められる。そして、地方政府の腐敗、農民の疲弊などの全ての社会問題の責任が全て架空の「北京閥」に負わされ、ソ連崩壊と同様に中国政府も自ら崩壊することになると想像する。その後、西部の少数民族地域と上海が香港と同様の「特別行政区」に指定され、高度な自治権を得ることになる。これらの地域は将来の住民投票で独立も可能ということにしてもよいだろう。上海にとってこれほど大きな利益はない。そして、新しい中国政府も上海閥が支配し続けることになるだろう。江田島孔明氏は、ソ連崩壊はKGBが自ら計画し演出した謀略であると述べている。中国もまたソ連を見習い、自国を自ら崩壊させることを狙っているのではないだろうか? . . . 本文を読む
2月6日にベトナムで新幹線建設計画が発表された。首都ハノイと最大の都市であるホーチミンを結ぶ1630kmの路線であり、その費用の70%は日本からの政府開発援助(ODA)になるという。これは、地政学的には南シナ海の西岸に位置するベトナムを経済発展させるとともに親日地域にすることで、中国のみが先進国であるというかつての中華的世界観(パックス・シニカ)をアジアに復活させないという日本の決意が存在するように思われる。日本の新幹線システムが海外に輸出されるのは台湾が最初、次がベトナムであり、これは日本がアジアで中国の脅威を封じ込めるという戦略のために重視する国家の順位を示している様にも思われる。次にどの国、どの地域に新幹線システムが輸出されるかが注目される。
、「最初にハノイからフエまで建設され、同時にホーチミン市からニャチャンまで建設される」という情報があるが、「ハノイからフエまで」の建設計画そのものに政治的意味合いがあるのではないかというのが私の想像である。つまり、「ハノイからフエへの遷都計画」、更には現在フランスに居住している元皇太子のバオ・ロンがベトナム国の元首として迎えられる王政復古計画が存在しており、それを国民に知らせる目的で「ハノイからフエまで」の建設計画が発表されたのではないかということである。 . . . 本文を読む
●韓国女子ショートトラック、銀メダル獲得 2007/02/01 朝鮮日報
中国長春冬季アジア大会第4日の31日、韓国チームがショートトラック女子5000メートルリレーで銀メダルを獲得した。受賞台に上がった韓国選手たちが「白頭山は韓国の領土」と書かれた紙を掲げている。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2007/02/01/2007 . . . 本文を読む
「現在の温暖化は太陽黒点の活動性の増大に一致して1970~80年ごろから始まった55年の大周期の前半に相当するものであるといえる。従って、このたびの温暖化は遅くとも2010年ごろまでにピークを迎え、その後20~30年くらいの間は寒冷化に向かうことが予想される。」「ロシアの天文学者、アブドサマトフ天体観測研究所研究員は6日、太陽活動の停滞から、6~7年後に世界の気温が次第に低下し始め、17~18世紀に続くミニ氷河期に入る可能性があると予測した。」という二つの情報はよく合致しており、もし正しいならば、寒冷化という危機が早ければ数年後には到来すると予想される。寒冷化と言っても地球の平均気温の低下幅は1度そこそこと思われるが、同時に発生するであろう降水量減少や気候帯の移動は一部地域の農業に大きな打撃を与えるだろう。大きなダメージが予測されるのは、アフリカなどの熱帯草原~疎林地域と、モンスーンアジア(特にインド亜大陸と華北)ではないかと思う。
1.サハラ砂漠の南に隣接する草原・疎林地域は熱帯収束帯と呼ばれる前線の北上で維持されているが、気候の寒冷化に伴いあまり北上しなくなると想像される。ダメージの大きい国はソマリア・エチオピア・スーダン・チャド・ニジェール・マリ・モーリタニア・セネガルあたりだろう。逆に、アルジェリア・リビア・エジプト・ヨルダン・シリア・イラクなどでは地中海性気候帯の南下により降水量が増え、農業適地となる可能性がある。
2.太陽放射の低下は、夏季におけるチベット高原の日射による加熱と、そこにふきこむ太平洋とインド洋からの水蒸気に富む大気が凝結の際に放出する潜熱の両方を低下させることで、東アジア~南アジアの夏期の降水量を減少させることになるだろう。夏期のモンスーン(季節風)に降水を依存したインド北部~パキスタンあたりと華北(黄河流域)は酷い旱魃になる可能性が高い。人口過剰問題もあり、大旱魃の際には膨大な餓死者が出たり、飢餓による内乱が発生したりする可能性がある。
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◆「利息」は経済社会にとって非合理なもの - 利息取得の禁止で「近代」は終焉を迎える - 投稿者 あっしら 日時 2002 年 10 月 12 日
通貨を貸して、貸した通貨額+利息(通貨額)を得るということがどういうことかを考えてみます。
● 利息の源泉
通貨自体が新たな通貨を生み出すことはありません。
借りた通貨を元手に生産活動か商業活動を行って、他者から元手以上の通貨を稼 . . . 本文を読む
ウラジオストクは日本海に面する良港、ハバロフスクはアムール川とウスリー川の合流点に位置する河川交通の要衝である。この両都市の関係は、バルト海に面する良港であるサンクトペテルブルグとモスクワ川に面するモスクワのそれに類似している。サンクトペテルブルグはピョートル大帝が1703年に建設、モスクワから遷都した都市であり、ロシア革命後にボルシェビキ政権がモスクワに遷都して首都の地位を失っている。ウラジオストクもロシア革命以前は間違いなく極東の政治・経済・交通の中心都市であり、ソ連時代になってその地位をハバロフスクに奪われたという類似した歴史を持っている。恐らく、資本主義国に囲まれ孤立したソ連としては、首都や「極東の首都」が海に面した良港であることは安全保障上望ましくないだけでなく、首都の住民が外国のヒト・モノ・情報にアクセスしやすいことは政治的に望ましくなかったのであろう。
サンクトペテルブルグ出身のプーチン大統領はロシア第2の金融機関ブネシュトルゴ銀行や長距離通信の独占企業ロステレコムなどの国営企業を次々とサンクトに移転させている上、国営天然ガス独占企業体であるガスプロムの本社移転も計画されており、遷都の噂も絶えないという。仮に公式に遷都が行われないとしても、ロシア経済の中枢とも言えるガスプロムの本社移転は首都機能の部分的な移転と言えるだろう。
今回のロシア政府の極東投資計画は、ロシア極東の政治・経済・文化・学術・交通などの首都機能がハバロフスクからウラジオストクに集約されることを意味すると考えられ、モスクワからサンクトペテルブルグへの首都機能移転と東西対象の相似形を形成している。
これは私の想像だが、近い将来に極東連邦管区の本部もハバロフスクからウラジオストクに移転され、ウラジオストクはロシアの東の玄関口、極東のサンクトペテルブルグとして繁栄を極めるのではないだろうか?そして、首都と極東の首都が内陸から海に面した都市に戻ることは、資本主義国の包囲網の中で首都を内陸に置くことを必要としたソ連時代との完全な決別と、西欧や日本との幅広い交流を持っていたロシア帝国時代への復帰を象徴するのではないだろうか? . . . 本文を読む
地球温暖化は二酸化炭素濃度増加の結果ではなく原因であるようだ。では、なぜこのような嘘をついてまで大々的に二酸化炭素排出削減運動を起こす必要があったのだろう?
二酸化炭素排出削減運動が始まったのはソ連が崩壊し独立国家共同体に移行した半年後である。そして、京都議定書で温室効果ガスの削減目標を課された四十カ国には東欧諸国のほとんどが含まれるのに何故か韓国・イスラエル・シンガポール・中東産油国・キプロス・マルタ(いずれも国際金融資本の強い影響下にある国々)や米州の中進国が含まれない。このことから考えて、二酸化炭素排出削減運動は明らかに旧ソ連圏の東欧諸国をねらい打ちにしたものであると考えられる。また、二酸化炭素排出削減運動は国際金融資本の支配下にある国連や英国が中心になって推進している。
江田島孔明氏によれば、1989-1991年の東欧諸国の共産主義体制崩壊はKGBが自ら体制を崩壊させた陰謀であったという。東欧は地政学的要地であり、当時の国際金融資本は冷戦に代わる新たな東欧支配システムを必要としていた。東欧の大国であるウクライナとポーランドは自国産石炭がエネルギー源であったが、自国では産出されない天然ガス・石油への切り替えを強いられた。東欧諸国の石油の消費増加は国際金融資本の世界支配の基軸である石油ドル体制の強化につながると共に、新たな石油ビジネスの創造でもあった。現在も、英国はポーランド人労働者の英国移住を認めたり、ウクライナのオレンジ革命を支援したりすることで両国を親英・親国際金融資本・反ロシア陣営に留めようと努力している様に思われる。
また、当時の国際金融資本は旧ソ連圏の石油・天然ガス資源を支配しつつあった。従来の中東支配を基盤とした石油ドル体制にロシア・中央アジアの膨大な石油・天然ガスを組み込むことで、石油ドル体制がより盤石なものにできるという見通しもあったと思われる。
韓国・イスラエル・キプロス・マルタ・シンガポール・中東産油国はいずれも国際金融資本の世界支配の要石であり、それ故に運動への参加を免れたのだろう。また、セルビア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アルバニア、モルドバ、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンの紛争はいずれも国際金融資本が裏で煽っていた可能性も考えられる。 . . . 本文を読む
『右であれ左であれわが祖国日本(船曳建夫著)』は、戦国時代以後の日本の歴史から三種類の日本の国家モデルを取り上げ、明治維新後の日本の国家像もこれらのモデルの組み合わせとして説明できると主張している。
1.国際日本モデル:キリスト教への理解、南蛮貿易、関所廃止と楽市楽座に代表される信長の政策
2.大日本モデル:キリスト教弾圧、南蛮貿易・朱印船貿易、朝鮮出兵に代表される秀吉の政策
3.小日本モデル:仏教・神道による管理(宗門人別改帳)と鎖国に代表される家康の政策(ただし、確立されたのは家康の死後)
船曳氏は今後の日本の取るべき方針として、上記の3つのモデルはいずれも困難な壁にぶつかっていると分析した上で、世界に対しては「大日本」であり続ける努力を行い、国内的には「小日本」の内に秘めた強さを保つという目標を立て、欧米のみならずアジアをも「国際日本」の舞台とする、という3つのモデルのいいとこどり、悪く言えば三兎を追うとも言える意欲的な「中庸国家」という主張を行っている。具体的には、米国及び欧州・ロシアと緊密な関係を維持し、米露を敵に回す日中同盟は避け、日中間の友好関係維持を目指すと共に紛争へのシミュレーションを怠らないことを挙げている。もし米露が東アジアへの関心を失った場合は小日本の穴熊戦法になるという。更に、台湾への親近感を政治的カードとして使うべきでないこと、インドは日本から遠く、対中牽制の効果は期待すべきでないことも主張している。第二次大戦の敗戦については、1920年代以降の大日本モデルの破綻と位置づけ、第三の道はなかったかと問うている。 日本は日露戦争直前に日英同盟と日露協商の二つの路線の間で選択を迫られ、結局日英同盟を選んで日露戦争に突入したという歴史がある。日露協商を強く主張した伊藤博文は日露戦争直後にロシアとの友好関係樹立を目指して秘密会談に向かう途中で暗殺されているが、これは英国=国際金融資本陣営によるものではないかと想像する。そして、その後国際金融資本が実行したロシア革命により日露同盟の可能性は失われてしまう。 将来中国が強大化した場合、ロシアはシベリアを奪われる危険があり、日本の助けを心の底から望んでいるはずだ。私は、伊藤博文が望んでいた日露協商モデルが最も理想的だと思う。 . . . 本文を読む