国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

北大の水野博士が水素と炭素の常温核融合(核変換)に成功

2008年06月16日 | 常温核融合・重力遮蔽・生物兵器などの超先端科学技術
6月12日の北海道新聞で、北大の水野博士が簡易炉での常温核融合に成功したことが報道された。一般のマスコミに常温核融合が報道されるのは初めてではないかと思われる。5月22日の阪大荒田名誉教授の公開実験成功もあり、漸く常温核融合というものが日本社会に受け入れられはじめた様に思われる。 水野博士の簡易炉での常温核融合成功は、多環芳香族炭化水素の一種フェナントレンと高圧水素ガスを白金・硫黄の触媒下に反応させるというものである。従来の常温核融合反応の多くが重金属を水素と反応させるものであったのに対し、水野博士は水素と炭化水素中の炭素を反応させた点が注目される。炭化水素の水素化は石油化学工業の分野ではありふれた化学反応であり、70気圧・660度という条件も決して特異なものではない。白金触媒、硫黄の存在も石油化学工業では通常のことである。つまり、瀬戸内海や東京湾の石油化学コンビナートがそのまま常温核融合の発電所に変身することも可能になるのだ。電気系とは畑違いの石油化学工業分野に核融合が広まることは、石油枯渇後のこの分野の生き残りという点でも重要であると思われる。 それにしても、膨大な炭化水素系物質の中でフェナントレンを水素ガスと反応させるという方法を水野博士がどうやって思いついたのかが気になる。水野博士は常温核融合が核変換であるという理論を確立した人物であり、その理論からフェナントレンを選び出したのではないかと想像する。だとすれば、他にも有望な物質が炭化水素系物質から見いだされる可能性は十分あるだろう。また、この分野の研究が発展すれば、近い将来に石油価格の暴落や貴金属価格の暴落などの点で商品価格にも大きな影響が出ることが予想される。 . . . 本文を読む
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「米韓同盟は冷戦の産物」との中国政府の公式見解と韓国の激しい動揺は何を意味するか?

2008年06月05日 | 韓国・北朝鮮
中国政府は5月27日に「米韓軍事同盟は歴史的な産物で、冷戦時代の軍事同盟では現代世界の安全保障問題を解決することはできない」と述べ、29日にはそれが公式見解であると述べた。この発言以後のマスコミ報道を見る限り、韓国支配階層は非常に動揺している様である。中国政府の意図は何だろうか? 一つ目の意図は、対米外交一本槍で中国を軽視している李明博新大統領に対する率直な不満の表明だろう。訪中で「戦略的協力パートナー関係」を結んだとは言え、全体としてみると李明博大統領は米国との軍事同盟を最も重視しており、日本や中国との関係は二の次となっているからだ。歴史的に韓国が中国の属国であったことを考えれば、中国の不満はもっともなものである。 二つ目の意図は、中国政府が米国・日本との三カ国協議の場で既に在韓米軍撤退後の朝鮮半島問題について合意に達したか、あるいは合意に達する見込みであることを韓国に通告したのだと思われる。米軍は以前より韓国からの撤退を希望しており、それを日本・中国も支持していると考えられるからだ。米軍撤退後に生まれる空白を埋めるものとしては、北朝鮮による半島統一が日本・中国共に最も抵抗が少ないと想像され、恐らくその線で秘密合意ができているのではないかと私は想像する。北朝鮮はその貧しさ故に中国人が優越感を持つことができる、中国にとって理想的な衛星国である。そして、旧帝国陸軍系の人脈故に日本とも裏で良好な関係を持っており、産業も日本との競合がなく、日本への難民流出も少ないという、日本にとって理想的な衛星国でもあるのだ。拉致問題はこの日朝の良好な関係を隠蔽するために演出されているのではないかと思われる。 6月2日の中央日報の「弾みがつく‘米日中協議体’…韓国は疎外か」という記事で、日米中三カ国協議体に日本・中国・オバマ大統領候補が積極的であること、日本はそこに韓国を参加させることに反対であることを述べている。歴史的に見て朝鮮半島の国家体制は周辺大国の合意によって決定されており、朝鮮半島国家自身は意志決定に参加できなかった。今回も韓国抜きで、在韓米軍撤退後の韓国のありかたが決定されようとしているということだ。そして韓国自身もそのことを悟っており、それ故に激しく動揺しているのだと思われる。 . . . 本文を読む
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