国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

方向転換を必要とする日本の高等教育:キーワードは中国語と地政学

2010年03月18日 | 日本国内
従来の日本は米国外交のイエスマンであり、独自の外交戦略を持つ必要も無かったし持つこともできなかった。しかし、米国の衰退と共にその様な幸せな時代は終わろうとしている。代わって台頭してくるのは10億人以上の人口を持つ中国とインドの二カ国であり、今後少なくとも1世紀の間は東アジアは日中印三大国が主要なプレイヤーになると思われる。人口で劣る日本は、技術力と謀略を使って生き延びるしかない。中国・インドは宗教対立(イスラム)やカースト・少数民族・都市と地方の格差などの深刻な内部対立を抱えている。また、中国とインドは長大な陸上国境で接しており対立の芽を孕んでいる。日本はこれらの対立に着目して対立を煽って両国を操り、漁夫の利を得て行かねばならない。 インドは英語が通じるが、中国では中国語が公用語である。日本の仮想敵国ナンバーワンは中国なので、中国に関する深い理解を持った人材が大量に必要になる。また、地政学的戦略が必要になり、その分野の素養も必要である。対策としては、日本の全ての法学部・経済学部で第二外国語として中国語を必修とし、地政学の講座も設けることが望ましいだろう。ドイツ語やフランス語、スペイン語やロシア語も重要であるが、それらは文学部や外国語学部の人々に任せればよい。なお、第一外国語は当然英語である。理系は研究が大変なので、中国語教育は希望者のみで良いのではないかと思う。 また、東大文系を目指すトップエリート5000人については、更に高い水準の教育が必要である。彼らは地歴2科目の学習を苦にしない優秀な人材であるが、地歴2科目の中で最も重要なのは世界史であり、地理や日本史の重要性はやや劣ると思われる。そこで、地歴を世界史1科目に削減する代わりに、入試に新たに中国語を加えることを提言したい。東大文系の入試科目は日本の文系エリートの知的水準を支えている。中国語を入試に加えることで日本の文系エリートの質は必ず向上するだろう。中国語と英語を自由自在に操り日本の国益のために働く人々が毎年数千人単位で量産されるメリットは計り知れない。 . . . 本文を読む
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