「中国化する日本」を読んだ。この本は、明治維新以来の日本人の意識転換を迫るものである。この本では、宋が貴族制を打破して科挙官僚を通じた皇帝の権力強化に踏み切ったことと貴族の荘園から農民が解放されて居住や職業選択の自由が実現したことを重視し、宋が世界で最も早く近世に移行した国であると説く。そして、近代の欧州の躍進は宋の哲学の影響を受けたものであり、逆に欧州の様な後進地域が世界の最先進地域に躍進できたことが最大の謎であると主張している。また、源平の争いは宋銭を大量に輸入して日本も宋の経済圏に参入しようとする平家と従来の農業主体の経済に固執する源氏の対立であり、源氏の勝利の結果日本は長い武家政治の期間中経済の停滞を経験、対照的に宋や清では経済が発展し人口も急増したと指摘している。著者の主張は多くの引用文献で裏付けられたおり、既に歴史学の定説になりつつある様だ。
1970年代末から中国と米英の三カ国で開始された新自由主義も宋の改革理念を実行したものであり特に中国で大成功を収めたとの認識の元に、著者は日本も中国的な社会に移行していく運命にあると予測している。一見欧米化している様に見えても、欧米の変化のお手本が中国である以上、それは中国化なのだという。
現在の日本では終身雇用制が崩壊し始めている。終身雇用制では多数の正社員に安定し上昇し続ける年功給を支払い続ける義務があるが、現在の様な低成長で競争が厳しく先行きが見通せない時代にはそのような雇用システムには無理がある。また、IT化の進行と貿易の拡大で、モジュール化された製品を賃金の安い途上国で生産し組み立てて先進国に輸出するというビジネスモデルが大成功を収めており、非モジュール化製品に強みを持っていた日本の製造業は苦境にある。この現状で終身雇用にこだわる日本の企業は少数の若手社員が膨大な雑用に追いまくられ、仕事に見合わない高給を得る多数の中高年社員を支えるという不合理な状況になっている。また、海外に留学した大学生・社会人や文系院卒、出産した女性などの「大卒一括採用終身雇用」システムから一度離脱した人々が能力とは無関係に雇用の機会を失っているという現実がある。城 繁幸などの多数の論者が指摘するとおり、終身雇用の崩壊は避けられないだろう。 . . . 本文を読む
スコットランド出身でハーバード大学教授のニアル・ファーガソンが「2021:新しい欧州」という記事を米ウオール・ストリート・ジャーナル紙に書いている。この記事に書かれた欧州地図は中央に巨大なドイツが存在し、周囲の国家が小さく描かれている。ドイツを封じ込めるために設立されたEUは、ドイツが欧州大陸を支配するための機関に変容しようとしている。ドイツが欧州大陸を支配する時代が来たことをアングロサクソンも認め始めたということだ。
更にEUの本部がブリュッセルからウィーンに移動するという記述も興味深い。ゲルマン系とラテン系の境界線上にあり、しかもゲルマン系と行ってもドイツではなくオランダであるベルギーから、ドイツ系でありかつての神聖ローマ帝国・オーストリア帝国の首都であったウィーンへの移動は、ドイツの欧州覇権確立を意味する。更に、私が常々述べている様に、第二次世界大戦はカトリックのオーストリアが同じくカトリックのバイエルンと組んでヒトラーをドイツの最高指導者として送り込み、旧プロイセン地域を破滅させるドイツの宗教戦争という一面があったことを考えると、このウィーンへのEU本部移転はオーストリアの第二次世界大戦での勝利を意味すると思われる。
米国外交評議会が発行するフォーリンアフェアーズでも、ドイツが欧州の指導国家でないことを問題視する記事がある。20世紀の米国・連合国が正義でドイツと日本が悪という価値観は21世紀には通用しない。米国の世界覇権、国際金融資本の世界支配が崩壊し、ドイツが正義を回復する時代が来たのだ。当然日本も正義を回復することになる。そして、日独を悪として糾弾することを国家設立の指命として建国されたイスラエルと韓国は存立意義を失い、敵対する周辺国によって滅亡させられることだろう。日本政府が従軍慰安婦問題を最近になって煽りたてたのは、韓国に反日政策を維持させ、近未来に日本が正義を回復した時に韓国を確実に滅亡させることが目的であると考えている。 . . . 本文を読む
北朝鮮の最高指導者である金正日が死去した。死んだのは影武者で本物は昔死んでいる、正恩の母は皇族の血を引く横田めぐみというネットゲリラ情報もあるが真偽は不明だ。私は金日成・金正日は帝国陸軍の正当な後継者であり、本土が米軍に占領された日本の亡命政権であると想像している。金丸信から前原誠司に至るまで、多数の日本の政治家たちが北朝鮮を訪問しているのがその根拠の一つだ。また、北朝鮮政府は表向きは日本を批判しながらも、核武装を行うことで日本の核武装に正当性を与え、実際には日本の国益に貢献しているのも根拠だ。金正日の後継者は正恩だが、彼の名は日本による朝鮮の発展の恩を決して忘れないという意思を反映しているのではないかと私は考えている。
気になるのは金正日の死因だ。心筋梗塞と報道されているが、これは国際金融資本による暗殺の可能性もあると私は想像している。橋本龍太郎は腸管虚血、小渕恵三は脳梗塞、金大中は肺塞栓、金正日が心筋梗塞で、いずれも血栓形成による臓器の虚血・壊死が死因となっている。これは果たして偶然なのだろうか?東洋人の死因として血栓性疾患は少なくはない。しかし、橋本龍太郎と小渕恵三は親露・反国際金融資本の姿勢を明確にしていた政治家である。金大中・金正日も韓国と北朝鮮の反国際金融資本派の指導者であった。彼らが揃って同じ死因で死去しているのは、国際金融資本によって暗殺された可能性を考えておくべきだろう。何らかの遠隔操作で体内の特定の場所に血栓を作り出すことができればこの暗殺は可能ではないかと思われる。 . . . 本文を読む
米国のフーバー元大統領がルーズベルト大統領を「対ドイツ参戦の口実として、日本を対米戦争に追い込む陰謀を図った『狂気の男』」と批判していたという内容の本が出版された。第二次世界大戦は米国の正義の戦争という20世紀の価値観の転換を迫る出版である。このような本が出版されるのは、もはや米国が正義であった20世紀が終焉し、世界が多極化する21世紀に移行しつつあるという現状を反映している。
しかし、ルーズベルトが悪者という意見には私は賛成しない。真の巨悪は国際金融資本であり、恐らくその中枢は英蘭両国の王室ではないかと私は想像している。ルーズベルトもチャーチルもレーニンもスターリンも、国際金融資本に指名されて国際金融資本のために働いた単なる使用人に過ぎないのだ。彼らの行動は明らかに彼らの所属する国の国益に反しているが、国際金融資本の利益には合致している。
真珠湾攻撃の際の宣戦布告が遅れたのは外務省ではなく陸軍の責任という主張を行っている元外交官もいるようだ。しかし、私はこの主張は、国際金融資本の世界支配が完全に崩れるまでは、国際金融資本の植民地として少なくとも表向きは彼らに忠誠を誓う方が国益に合致するという判断ではないかと思っている。第二次世界大戦はプロレスと同様の八百長であり、日本は悪役を引き受けたのでわざと宣戦布告を遅らせたのだろう。無論、その引き替え条件として、第二次大戦後には日本の本土は米国の支配下に置かれ、日本の繁栄が約束されていたのだろうと思われる。帝国海軍と外務省の英米派が中心となって帝国陸軍や外務省の反英米派を説得して対米開戦が決定されたのだろうと思われる。 . . . 本文を読む
韓国の李明博大統領が米韓FTAに署名し、批准手続きが完了した。今後の最終調整を経て来年1月1日に発効することになる。韓国は事実上国家主権を米国に譲渡することになる。しかし、その米国は今や財政難から2013年以降に軍事費を大幅削減することが確定しており、世界覇権を放棄して北米大陸の地域大国に転落する見込みだ。ラテンアメリカは一体化しつつあり、米国はカリブ海すら失いつつある。米国が東アジアから撤退した後の空白は主に日本と中国が埋めることになる。しかし、韓国は没落する米国との一体化を強めるのみで、中国に対しては米国の威を借りる強硬姿勢を示している。また、国際法に違反して竹島を占領している一方で、中国に対しては国際法を武器に対抗しようとするという愚かな二重規範を用いている。米国の覇権を引き継ぐ日本の属国になる以外に生き残りの道がないのに、実際には日本に対して文化的・経済的侵略を行い、従軍慰安婦問題で日本を非難するという愚かな姿勢を示している。このような愚かな外交政策を採る韓国が今後、米国の衰退とともに滅亡することはもはや確実である。
かつて李氏朝鮮は強大な軍事力を有する豊臣秀吉や満州族を見くびって事大主義から著しく尊大な姿勢を取り、その後彼らの軍事力にひれ伏すという屈辱的な歴史を持っている。更に李氏朝鮮末期には、没落する大国であった清の属国との姿勢を明確にするがその後日清戦争で清が没落、日清戦争後はロシア大使館に皇帝が亡命することでロシアの属国との姿勢を明確にするがその後日露戦争でロシアが没落した。更に宗主国日本の最高指導者であった伊藤博文を暗殺することで日本に楯突き、その結果日本に併合されて国家が消滅することになった。国家存亡の重大な危機で最も愚かな選択肢を選び続けてきたのが李氏朝鮮の外交政策である。現在の韓国外交は間違いなくこの李氏朝鮮の外交政策の理念を受け継いでいる。日本が韓国の文化的攻勢に協力し、石油備蓄の不足した韓国に備蓄基地を建設しようとしているのは、この愚かな韓国外交の方針転換を回避してこのまま韓国を滅亡させることが目的であろう。 . . . 本文を読む
橋下新大阪市長の大阪都計画に関西財界や関西地区の国会議員などが賛成の意を表明している。民意には逆らわないということだろう。中京都構想を推進している愛知県の大村秀章知事や名古屋市の河村たかし市長らが賛成しているのも当然と言える。首都圏での活動歴が長いが地方出身の東国原前宮崎県知事やみんなの党の江田幹事長が賛成するのもまあ納得できる。
しかし、興味深いのは、首都圏出身で地方に縁のない野田首相、石原都知事、都知事の息子の石原伸晃自民党幹事長、蓮舫行政刷新相、「みんなの党」の渡辺喜美代表も賛成していることだ。橋下市長は大阪都への首都機能の部分移転を念頭に置いているので、大阪都の成立によって首都圏は間違いなく寂れることになる。これまで日本の政治家たちは、地方出身者も含めて全員が日本の中枢機能を首都圏に一極集中させて東京を繁栄をさせてきたのだが、その流れが逆転し始めているのだ。一体何故、首都圏の政治家たちが自分の選挙区の有権者たちの利益に反した行動を取り始めたのだろうか?そして、なぜこれまでの地方の政治家たちは自分の選挙区の有権者たちの利益に反した行動を取ってきたのだろうか?
私の考える答えは明快だ。政治家は官僚と相談した上で、自分の選挙区の利益ではなく国家全体の利益を優先してきたということだ。そして、これまでは東京一極集中が国益であり、今後は東京大阪二極体制か東名阪三極体制が国益と言うことだ。では、この変化の理由はなんだろうか? . . . 本文を読む