国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

5重の壁は既にほどんど失われてしまっている様だ

2011年03月15日 | 日本国内
●5重の壁 - Wikipedia

5重の壁(ごじゅうのかべ)とは、原子炉からの放射能漏洩を防ぐ為に設けられた5つの障壁のことで、原子炉の安全設計の「多重防護」のうちの一つである。設けられた障壁が、「燃料ペレット」、「燃料被覆管」、「原子炉圧力容器」、「原子炉格納容器」、「原子炉建屋」の5つであった事からこの名が定着したが、原子炉格納容器が設けられていない原子力発電所も存在し、VVER、RBMKなどが例として挙げられる。なお、RBMK型の原子炉は、ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所の炉型として知られている。障壁が設けられているのは原子炉建屋だけでなく、施設内で放射能を伴う箇所全てが遮蔽されている。BWR(沸騰水型原子炉)の場合は、炉心で発生した蒸気をそのままタービンに送る為、蒸気タービンも遮蔽する必要がある。なお、PWR(加圧水型原子炉)のように二重間接熱サイクルを採用した原子炉についてはこの限りではない。

燃料ペレット:発生する放射性物質をペレット内部に保持する。

燃料被覆管 :燃料ペレットから発生する放射能が外部に漏洩することを防ぐ。

原子炉圧力容器 :冷却材に溶け込んだ放射能が外部に漏洩することを防ぐ。

原子炉格納容器:原子炉圧力容器が破損した際に、放射能および放射線の漏洩を防ぐ。

原子炉建屋 :原子炉格納容器外部まで放射能が漏洩した場合に、外部への漏洩を防止する。
http://ja.wikipedia.org/wiki/5%E9%87%8D%E3%81%AE%E5%A3%81




●武田邦彦 (中部大学): 原発 緊急情報(5) (平成23年3月15日10時 執筆)

本日午前4時頃、東京電力から福島第二原発2号機に水を入れても炉内の水が増えないとの発表があり、その終わりに、

「すぐに、何か、その、危機的な状態に陥ることはないのではないかと考えている」

と言った.これでだいたいの事は分かった。

続いて午前6時頃、爆発によって2号機の格納器の下が破れたとの発表があったが、予定通りである.

・・・・・・・・・今後・・・

原子炉内の放射性物質が漏洩するのを防ぐことができなくなった。だから、周辺の放射線は上昇を続けるだろう.

ただ、これまでのように発電所側が必死になって「絶対に放射線を漏らさない」という切迫した状態では無く、「すでに漏れを止めることはできない」ということになり、判断は正常になるだろう.

その結果、放射線漏れは「かなり酷いが、破滅的ではない」という状態になったと私は考えている.

原発、経産省保安院、政府、専門家の中で交わされた会話は次のようなものだろう。

・・・・・・・・・

A「今、午前2時ですが、2号機に水を注入しても炉内の水位が上がらない」

B「まだ燃料の温度が高く、投入した水がすべて蒸発したのではないか?」

A「いえ、投入した水がすべて蒸発したとすると、圧力は700キロパスカルしか言っていないので、計算が合わない」

B「投入量は分かっているのか?」

A「水量は計算できます.だから、どこからか漏れていると思います」

C「現場では分かっていますよ。炉の下部から水が出ています。強い放射線ですので、炉からでた蒸気がサプレッション・プールで水になってそれが漏れています」

D「そうか、それでは放射線漏れは防ぐことができないな」

C「はい」

D「どうやって発表するか?」

B「最初から漏れているというのも何ですから、まず概略を発表して、2時間経った頃、損傷を発表することにしよう」

・・・・・・・・・

つまり、今日の未明に福島原発は「原子炉内部の放射性物質が外部に漏れることを防ぐことができなくなった。」ということだ。

また、おそらく現場の判断は冷静になるだろうから、核反応は抑制できる状態になり、後は崩壊を待つことになる.

放射線は徐々に福島から広く拡がっていくが、まず第一に風向きだ。鹿児島の新燃岳が噴火したとき、その灰は宮崎の方に「すじ」のように流れた。その写真を思い出して、風に注意することだ。

仙台、福島、東京などの放射線は上がるが、通常の人に放射線障害が出るところまでは行かないか、あるいは1週間ぐらいはかかると考えられる.

いずれにしても、「通常の放射線漏れの酷い状態」になったので、国民は対応をとりやすくなった。

私は本日、大阪から東京へ向かう.大丈夫だからだ。
http://takedanet.com/2011/03/post_a1c1-1.html





●すでに格納容器(外釜)も圧力容器(内釜)も破れているのではないか-正確な情報を出せ!決死作業の方々の無事を祈りつつ。 一隅より 投稿者 一隅より 日時 2011 年 3 月 15 日 12:32:32

○福島第一2号機で爆発音、原子炉格納容器損傷か (読売オンライン 2011年3月15日11時18分)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110315-OYT1T00160.htm?from=main2
 東日本巨大地震で被災し、原子炉の冷却機能が低下している東京電力福島第一原子力発電所2号機で15日午前6時14分、大きな爆発音が起きた。
 原子炉格納容器の下部にある圧力抑制室(サプレッション・プール)の圧力が3気圧から1気圧に下がっており、圧力抑制室の一部が損傷し、格納容器から外部に放射性物質が漏れだした可能性がある。
 (後略)

◇素人の疑問1
 サプレッション・プールとは、要するに格納容器(=いわば外釜)の一部だろう。格納容器の下部にある別設備のようにごまかすな。
 圧力が1気圧とはつまり、外釜に完全に穴があいた?

ところがこれに先立って、次のような記事があります。
 ↓
○福島第1原発2号機、燃料棒は露出したまま-水位あがらず (INTERNATIONAL BUSSINESS TIMES 2011年3月15日05時33分)
http://jp.ibtimes.com/articles/15954/20110314/701497.htm
 東京電力によると、15日午前3時現在、福島第1原子力発電所2号機の原子炉内に燃料棒は露出した状態となっている可能性があると発表した。

 東京電力は記者会見で、原子炉の炉心を冷やすための海水注入には成功していると考えられるが、圧力容器内の水位の回復は確認できていないと述べた。そのため、燃料棒は冷却水から露出した状態のままと考えられると語った。(中略)

 15日午前1時過ぎに弁を開くことができ、炉内の圧力が下がったことから、海水の注入が出来るようになった。しかし炉内の水位が上がっていることが確認できないことから、東京電力では配管の一部破損や、原子炉圧力容器と格納容器がつながっている可能性もあると考えている。
(引用おわり)

◇素人の疑問2
 「原子炉圧力容器と格納容器がつながっている可能性もある。」

 圧力容器(いわば内釜)に海水を注入はできるが水位が上がらない、ということは要するに、内釜にも穴があいているということ。
 内釜から外釜へダダ漏れ?

◇疑問3
 うえのふたつを合わせると、圧力容器(内釜)にも格納容器(外釜)ももう割れている、底が抜けているということではないですか。

--------------------

 ただ、かろうじて、前出の読売記事(11時18分)によれば、
>「東電によると、(圧力抑制室は1気圧に下がっても)、格納容器本体の圧力は7・3気圧で変化していない」、という。

 これが正しい情報なら、わずかに望みがあり、本当によいことなのですが。


 「爆発直後、東電は・・・直ちに原子炉への注水作業に関係のない作業員らを退避させた」ということです。要するに、所長、幹部以下、自分らは逃げた、ということでしょう。

 枝野によれば、注水作業のため50人の方が残っているそうです。われわれ国民のために文字通り生命をかけてくださっている方々です。
 感謝しつつただご無事を祈るばかりです。


上記 INTERNATIONAL BUSSINESS TIMES の情報は
 ↓
七転八起さんの災害板への投稿
「(重要)最新情報(3月15日午前3時)を読むと、福島第一原発は大規模な水蒸気爆発と深刻な放射能汚染を起こす可能性もあると」
http://www.asyura2.com/09/jisin16/msg/525.html 2011年3月15日

および、そこで引用されている、「父さんの日記 http://rightaction.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/3153-a777.html」 参照
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/180.html




●【原発爆発】福島原発2号機で、格納容器が損傷、大量の放射性物質漏れ - MSN産経ニュース 2011.3.15 10:02

経済産業省の原子力安全・保安院などによると、15日早朝に爆発があった福島第1原発2号機で格納容器が損傷し、大量の放射性物質が漏れ出した恐れがあることが分かった。
 東京電力は、燃料の大半が溶融するメルトダウンが起きる可能性について「燃料の損傷がある。可能性は否定できない」と話した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110315/dst11031510020023-n1.htm




●<東日本大震災>スリーマイル以上と仏原子力機関 原発事故  毎日新聞 3月15日(火)12時18分配信

 【パリ福原直樹】フランス原子力安全機関(ASN)のラコスト総裁は14日、日本の福島第1原発の事故について「米国のスリーマイル島の事故(79年)より深刻だ」との見方を示した。AFP通信が伝えた。

 総裁は日本が事故の深刻度を、国際原子力機関(IAEA)が決めた8段階の尺度で「4」としていることについて、「(さらに深刻な)5以上で、6程度との感触がある」と指摘。この判断は「日本側からの情報に基づくものだ」とした。スリーマイル島事故はレベル「5」に指定されている。

 一方、総裁は日本の事故について、旧ソ連のチェルノブイリ事故(86年)のレベル「7」よりは深刻でないとの見方をしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110315-00000050-mai-soci




●原発事故、放射能漏れ各地に拡大 北風に乗る 2011/03/15 13:43 【共同通信】

 東日本大震災に伴う東京電力の福島第1原発事故を受けて、関東各地で15日、通常より高い放射線量が観測された。茨城県内では最大で通常の100倍程度の毎時5マイクロシーベルトを観測。神奈川県内でも通常の10倍近い値が出た。東京都も大気中からヨウ素やセシウムなどの放射性物質を検出。さいたま市や宇都宮市、千葉県市原市でも高い値が検出された。

 いずれも人の健康に影響するレベルではないが、文部科学省は都道府県に委託している環境放射能水準調査の測定頻度を、可能な限り引き上げるよう要請した。

 福島第1原発では、原子炉格納容器の圧力を下げるため放射性物質を含む蒸気を放出。3号機付近では15日午前、毎時400ミリシーベルトの放射線量を検出。14日に最高値だった3130マイクロシーベルト(約3ミリシーベルト)に比べると桁違いに高い数値が観測された。関東各地の高い値は、北からの風に乗って放射性物質が拡散している影響とみられる。

 茨城県東海村にある東京大の研究施設の敷地内と、日本原子力研究開発機構の敷地内では15日朝、通常の約100倍の毎時5マイクロシーベルトを観測。両機関は通報の基準を超えたとして国に通報した。東大によると、15日午前7時46分から約20分間、毎時5マイクロシーベルトが続いた後、毎時3マイクロシーベルトより低い値で推移した。東大の上坂充教授は「午前1時ごろから数値が上がり始めた。放射性物質が風に乗ってきていると思うが人体には影響がないレベルだ」と話している。

 また茨城県のモニタリングでは、常陸太田市内で通常の約100倍の放射線量を観測。数値は風によって変動した。那珂市、ひたちなか市、日立市などでも通常の数十倍程度の値を観測した。

 原発の事故などで放射性物質が放出されると、これが風に乗って流れる「放射性雲」が発生する。放射性雲が通過する際に線量が高くなるが、遠く離れるほど薄く拡散するという。
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011031501000389.html




●“放射線量が低下 若干安ど” NHKニュース 3月15日 17時30分

枝野官房長官は、午後4時すぎの記者会見で、福島第一原子力発電所について、午前中、高い数値を計測した敷地内の放射線の量が、その後、低下していることを明らかにしたうえで、「若干、安どしている」と述べ、引き続き数値の改善に取り組んでいく考えを示しました。

この中で、枝野官房長官は、福島第一原子力発電所について、「1号機と3号機は、現時点で安定的に給水が行われている。2号機については給水が行われているが、安定的という見方をしてもいいものかどうかは、経緯を見る必要がある」と述べました。そのうえで、枝野長官は、午前中、正門付近で1時間当たり8217マイクロシーベルトの放射線の量を計測したことについて、「緊張感を持って受け止めなければならない数値だが、瞬間的な数値なので、低下してきており、この点は若干、安どしている」と述べました。さらに、3号機の付近で400ミリシーベルトの数値を計測したことについて、「火災が起きた4号機から、大変高い放射性物質が継続的に出ている状況ではない可能性がある」と述べ、引き続き数値の改善に取り組んでいく考えを示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014694611000.html




【私のコメント】
3月11日の地震発生以後、当ブログの閲覧者数・訪問者数が激増している。訪問者数は従来は一日平均2300人程度だったのが、13日と14日は7000名を越えており、3倍以上の伸びである。本日も昨日と同様のペースで閲覧者数が伸びている。閲覧される記事は地震兵器関連のものに集中しており、地震兵器に強い関心を持っている人が当ブログを訪問している様である。地震兵器についての私の見解は過去の私の記事やコメントで詳しく書いているのでここでは繰り返さない。

さて、私は一つ疑問を感じている。海水注入が実行されているにも関わらず、水位が安定しないのは何故かという素朴な疑問である。核燃料の熱で蒸発しているのか、あるいは圧力容器(内釜)に亀裂が生じて冷却水が漏れているのかのいずれかしか考えられない。私が引用した二本の記事「武田邦彦 (中部大学): 原発 緊急情報(5)」と「すでに格納容器(外釜)も圧力容器(内釜)も破れているのではないか-正確な情報を出せ!決死作業の方々の無事を祈りつつ。 一隅より」を見る限り、後者の可能性が高い。更に「福島第1原発2号機で格納容器が損傷し、大量の放射性物質が漏れ出した恐れがある」との報道もある。

原子炉には放射線・放射性物質漏洩を防ぐ5重の壁がある。燃料ペレット、燃料被覆管、原子炉圧力容器、原子炉格納容器、原子炉建屋である。

このうち、燃料ペレットと燃料被覆管は冷却水喪失による加熱で溶解し失われている可能性が高い。水素爆発の原因となった水素は水蒸気が850度以上となった被覆管の材料であるジルコニウムと反応して生まれたものである。既に核燃料は摂氏850度を確実に超えているのだ。

また、水素爆発によって一号炉と三号炉の原子炉建屋は吹き飛んでいる。海水注入にも関わらず水位が上がらないことから圧力容器が損傷している可能性が高い。15日早朝に爆発があった福島第1原発2号機で格納容器が損傷している可能性が高いとの報道もある。もはや5重の壁はほとんど失われ、穴の開いたバケツに硼素を含んだ海水を必死で注ぎ込んでいるというのが現状だと思われる。

今後の問題は、この海水注入作業をいつまで継続すべきかという点である。現場の放射能レベルによっては、作業員に骨髄死や腸死による死者が出る危険性もある。そのコストと、海水注入作業を停止して核反応をなりゆきにまかせ、危険地域の住民を全員退避させる(原発放棄)のとどちらが賢明かという判断を近日中に日本政府は迫られることになると思われる。原発20km圏内の住民の全員避難は、後者のシナリオを実行するために必要不可欠である。もしそれが実行されたなら、原発周辺区域はチェルノブイリ周辺の死の町と同様の状況になることだろう。フランス原子力安全機関が指摘するとおり、今回の事故はレベル7のチェルノブイリには及ばないが、レベル5のスリーマイル島事故を上回るレベル6程度になると思われる。苛酷事故であることは間違いない。

日本の原発はいずれも人口過疎地帯に建設されている。万一の事故の際に周辺地域が汚染されてもダメージが小さくなるようにとの配慮からである。原発放棄という選択枝を念頭に置いた政策判断が望まれる。

菅首相は先日、「放棄などありえない。もしそんなことをすれば東京電力は潰れる」と東京電力関係者に激怒した様だが、この様な感情的な人物は日本の最高指導者としては不適切であるように思われる。現場に長時間乗り込んで視察したのも、担当者の業務妨害に他ならない。首相官邸にじっと居座り、部下から上がってくる情報を冷静に判断していく人物が首相に望ましい。




【追記】
●プルサーマル - Wikipedia

MOX燃料の軽水炉での燃焼に関わる部分
高速増殖炉と比べて燃焼中に核燃料の高次化が進みやすく、特にアメリシウム241が生成されやすくなる。核燃料の高次化が進むと、反応が阻害され、臨界に達しなくなってしまい、核燃料として使用できなくなる。
上記と関連し、事故が発生した場合には従来の軽水炉よりプルトニウム・アメリシウム・キュリウムなどの超ウラン元素の放出量が多くなり、被ばく線量が大きくなると予測される。
原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。[4]
燃え方にムラが生じ、よく燃えるところの燃料棒が加熱・破損しやすくなる。もっとも、これは現行の方式ではコストを下げるために一部の燃料棒のみにMOX燃料を入れるから起きる現象で、コスト面を犠牲にして全燃料棒にMOX燃料を入れるように変更すれば回避できる。
水蒸気管破断のようなPWRの冷却水温度が低下する事故や、給水制御弁の故障のようなBWRの炉内圧力が上昇する事故が発生した場合において、出力上昇速度がより速く、出力がより高くなる。(燃料体の設計および原子炉内での配置を工夫することによって対処が可能[4])
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%AB




●MOX燃料 - Wikipedia

MOX燃料(モックスねんりょう)とは混合酸化物燃料の略称であり、使用済み燃料中に含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、二酸化プルトニウム(PuO2)と二酸化ウラン(UO2)とを混ぜたものである。 主として高速増殖炉の燃料に用いられるが、既存の軽水炉用燃料ペレットと同一の形状に加工し、核設計を行ったうえで適正な位置に配置することにより、軽水炉のウラン燃料の代替として用いることができる。これをプルサーマル利用と呼ぶ。

MOXとは(Mixed OXide)の頭文字を採ったものである。

問題点ウラン新燃料に比べ放射能が高い(特に中性子が著しく高い)ため、燃料の製造については遠隔操作化を行い、作業員の不要な被曝に十分配慮して行う必要がある。
ウラン中にプルトニウムを混ぜることにより、燃料の融点が下がる。これにより燃料が溶けやすくなる。また熱伝導度等が、通常のウラン燃料よりも低下する。これにより燃料温度が高くなりやすくなる。
核分裂生成物が貴金属側により、またプルトニウム自体もウランよりも硝酸に溶解しにくいため、再処理が難しい。
FPガスとアルファ線(ヘリウム、ガス状)の放出が多いため、燃料棒内の圧力が高くなる。
性質の違うウランとプルトニウムをできる限り均一に混ぜるべきであるが、どうしてもプルトニウムの塊(プルトニウムスポット)が生じてしまう(国は基準を設けて制限しているが、使用するペレット自体を検査して確認することはできない)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/MOX%E7%87%83%E6%96%99




●Japan nuclear accident at Fukushima could be second Chernobyl | News & Politics | News & Comment | The First Post
<前略>
Japanese Cabinet Secretary Yukio Edano said today that there was the possibility of an explosion at the No 3 reactor but he was confident the steel containing vessel around the core of the reactor would withstand the blast – as it did when No 1 reactor blew up on Saturday.

Large said he found this hard to believe. The "jellyfish" shape of Saturday's explosion and the decision to vent the reactor's secondary containment – releasing radioactive vapour and necessitating the evacuation of local people – all suggest fuel rods had melted and leaked from the primary containment.

Large suggested the Japanese government could be hiding the true severity of the accident from its people in order to avoid a large-scale panic in which citizens might put themselves in harm's way by self-evacuating, fleeing into the dispersal zone instead of out of it.
<中略>
In the meantime, the biggest worry facing the Japanese authorities is that an explosion at No 3 reactor could have more dire consequences than a leak from No 1 because the two devices run on different fuel. No 3 runs so-called MOX fuel, based on plutonium.

Large said MOX was "effectively an experimental fuel". In addition to having a more complex radiological footprint than uranium-based fuel, making it harder to deal with in the event of a leak, more fuel is usually released in a plutonium meltdown than when a uranium-based reactor fails.
<後略>
http://www.thefirstpost.co.uk/76297,news-comment,news-politics,japan-nuclear-accident-could-be-second-chernobyl-fukushima



【コメント追記】
現在煙を上げ周囲に霧のようなものが漂っている福島第一原発三号炉はMOX燃料を使用しているらしい。このMOX燃料は温度が高くなりやすく融点が低くホウ酸の効きが低下するなど、事故になりやすい性格を持つ。仮にメルトダウンから再臨界に至り爆発事故が起きるならば、従来の軽水炉よりプルトニウム・アメリシウム・キュリウムなどの超ウラン元素の放出量が多くなり、より多くの放射性物質が放出されて被ばく線量が大きくなると予測されるという。三号炉の行方が最も注目される。

英国のファーストポスト紙の記事によれば、英国の核専門家であるジョン=ラージ氏は以下のようにコメントしている。

「枝野官房長官は、三号炉に爆発の危険があったが、原子炉中心部を取り巻く格納容器?(containing vessel)は、土曜日の一号炉爆発時と同様に、爆発に抗して保たれたと確信している、と発言している。しかし、ラージ氏はこれは信じがたいと言う。土曜日のクラゲ型の爆発と、反応器の第二次障壁の通気口を解放して放射性ガスを放出するという決定、及び周辺住民全員を避難させる必要性、これらは全て、燃料棒が融解し、第一次障壁から漏れてしまったことを示唆している。日本政府は事故の真の深刻さを隠蔽しており、その目的は、住民がパニックになって自力での脱出を試み、脱出すべき地域ではなく避難すべき危険地域に入り込んでしまうことを回避するためではないかとラージ氏は指摘している。」




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2 コメント

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確か、閉回路の小型原発を米帝が開発したはずだが (不思議)
2011-03-15 18:51:20
これを買わないか? という売り込みが有りそうな気がします。

老朽原発は、即廃炉に。その他は、改修して、しばらく使うのか。
もちろん、予備電源、予備ポンプ、使用済み核燃料プールの改修、
既存電源とポンプの防御隔壁、原発相互の空輸設置スキームの確立が必要と思われます。

三倍の兵力装備兵站でことに当たれば、今回の福島も対処できた可能性があります。

シナリオ通りなどという話がなければですが。

使用済み核燃料プールが震災で発熱し、空焚きになり爆発したという想定があるそうです。
それが4号機の原因を考えると、1から6号機まで同じ問題があると。
返信する
>確か、閉回路の小型原発を米帝が開発したはずだが (princeofwales1941)
2011-03-15 19:03:12
米国では原発推進派が、「福島の原発と異なり米国の最新鋭の原発はポンプの動力ではなく対流によって無動力で冷却しているので、冷却機能が失われても安全である」との主張をしているそうです。このような、非強制的な冷却方式を日本は真剣に検討する必要があると思われます。
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