ハチャトゥリアン(1903〜1978)は、ロシア帝国支配下にあったグルジア(現ジョージア)で、アルメニア人の家庭に生まれました。
バレエ、交響曲、協奏曲などの分野に傑作を残していて、ピアノ曲はあまり多くはありません。
ハチャトゥリアンの曲としては、フィギュアスケートで浅田真央さんが使った「仮面舞踏会」と言えば、あぁそうか、と思われる方が多いのではと思います。
トッカータですが、まず、トッカータというのは、バロック時代に多く作られましたが、鍵盤楽器で駆け抜けるような速い音型や細かな音型を使った、即興的な雰囲気を持った曲のことで、イタリア語のtoccare(触れる)という言葉に由来しています。
J.S.バッハのトッカータとフーガニ短調がよく知られています。
ハチャトゥリアンのトッカータは、1932年の作曲で、若さに溢れている‥と言えるでしょう。
民族楽器をイメージした打楽器的な音型と曲調で、独特な雰囲気を持っています。
中間部は、アルメリア民謡のような抒情的な旋律が歌われます。
私がプログラムを組むと、どうしても好きな作曲家、ショパン、リスト、ドビュッシー、プーランクに偏ってしまうため、たまには違った作品も…と思って選曲しましたが…。