茶々日和~まったりしましょ~

愛犬茶々(Mダックス・メス)とのまったりした暮らしと、趣味の観劇記です。よろしくお願いします。

リンバロストの乙女、そばかすの少年

2014-10-26 19:35:40 | 読書・映画
ジーン・ポーターの「リンバロストの乙女」がおもしろかったので、「そばかすの少年」もネットで探して読みました。
角川のシリーズではなく、光文社古典新訳文庫のシリーズの一冊です。

「八人のいとこ」と「花ざかりりのローズ」が少女マンガの王道だとしたら、こちらは、何だろう?
そうですねえ、「リンバロストの乙女」は、ちょっと昼ドラっぽいノリです。

簡単にあらすじを言っちゃうと、主人公の少女エルノラは、リンバロストの沼のそばで、母と二人で暮らしています。
エルノラの母は、最愛の夫が自分の目の前で底なし沼にはまってしまい、助けようとしたときに陣痛が起こってエルノラが生まれたために、夫を死なせてしまいます。
夫の死が原因で、エルノラの母は、エルノラに対して愛情をもつことができなくなってしまいます。
エルノラは、冷たい母に傷つけられながらも、隣家の夫婦や鳥のおばさんに支えられながら、学校へ行きたいという夢をかなえ、自立していきます。
エルノラの母も少しずつ変わりはじめ、ついに、実は最愛の夫が沼にはまってしまったのは、浮気を隠すために沼の近くを通ったためだったという事実を知ります。
愛すべき相手は不実な夫ではなく娘だったということに気づいた母は改心し、優しい母親にかわっていきます。
そんな二人のまえに、病気療養のためにリンバロストにやってきたフィリップが現れます。
フィリップには、美しいけれど気まぐれなポリーという婚約者がいます。
けれども、次第にエルノラにひかれるようになったフィリップは、ポリーのわがままに愛想をつかし、というふうに三角関係がもつれていきます。
最後はちゃんとハッピーエンドですが、ドロドロした展開が、なかなかおもしろいです。
ポリーが敵役らしくがんばってくれるので、盛り上がります。

さて、エルノラは、とても強情な少女です。
強情というのは、意志が強く、我慢強いという意味です。
隣人の経済的援助には頼らず、自分の才覚だけで、学校の費用を作り、お友達とのおつきあいもこなしていく賢すぎる少女です。
このかわいげのなさが、エルノラの欠点かな?と思うのですが、あっぱれな少女です。

「そばかすの少年」は、「リンバロストの乙女」のなかにちらっと出てくる「そばかす」ことオ・モーア卿が主人公のお話で、この作品を先に読んだ方がわかりやすいと思います。
みなしごのそばかすが、その勇気と誠実さで周りの人々から信頼を勝ち取り、天使のようなエンジェルという少女と恋に落ち、最後には、自分のルーツを見つけ出すというお話。
物語の舞台がリンバロストの森で、バードレディ(乙女では「鳥おばさん」と訳されています)が大活躍しています。
(村岡花子さんの訳はちょっと古くて癖があるので、新訳の方がわかりやすいかな?という気がします。)

すっかり家庭小説にはまってしまったので、次は「十七歳の夏」という、なんだかもぞもぞしそうな本を読みたいと思います。
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