
ここは、もと孔子廟だったところを博物館としたもので、石碑が林のように林立しているところから碑林と名付けられました。(ここは有料)
お父ちゃんが今回の西安旅行で一番行きたかった所だそうです。
ところが、ここで痛恨の大失態!
この日、陝西歴史博物館、西安博物院と写真を撮りまくってきたため、碑林の門を撮影しようとしたところでカメラのバッテリーが切れてしまったとか。
諦められなかったお父ちゃんが運転手に「どうしてももう一度行きたい!」と談判したところ、彼はとてもいい人で「最終日の朝一に、一時間だけなら」と言って何とか時間をやり繰りしてくれたそうです。
だから、写真は仏像だけになっています。

朝一番で誰もいないせいか、ピーンと張り詰めたような雰囲気が伝わってきます。
このあと紹介する仏像は、いずれも過去の展覧会で来日したことがある像です。

馬頭観音(唐 8世紀)
中国では「馬頭明王」と呼ばれています。
頭頂の馬頭が欠損しているのが残念ですが、眉根を寄せて目を大きく見開き、歯牙をあらわにする忿怒相の中にも、端正で均整のとれた優れた作風が感じられます。
日本の馬頭観音の原形を感じさせる興味深い像とのこと。

降三世明王(唐 8世紀)
珍しい降三世明王の坐像です。
馬頭観音に比べるとやや手足の肉付けが少ないように感じられますが、表情には精彩があります。
どちらも中国では珍しい密教系の尊像です。
これらは長安城の東北、長楽坊にあった安国寺址から出土したもので、唐の武宗による廃仏の際に難を逃れるために地下に隠されたのではないかと考えられています。
(実はこれら安国寺址から出土した仏像群について、博物館のかなり上級の職員から特別に仰天の情報を入手したのですが、重大すぎてとてもブログには載せられません、とお父ちゃんが言っておりました)

観音菩薩(唐 8世紀)
玄宗の離宮があった景龍池の廟に伝来したと伝えられる白大理石の美しい像です。
光背を欠くものの、像本体、台座の各部にいたるまでほとんど損傷が見られず、保存状態のとても良い像です。
ふっっくらとした面相や、頭髪の毛筋まで克明に表現されていて、優れた作です。
仏像解説は、すべてお父ちゃんによるものです。