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2005/03/12 00:44
子どものころテレビでみた後、お風呂に入るときや寝るときなど、一人でしーんとしている所にいるのがこわかったです。
こわさをあおるような映画ではないんですけれど、容姿の怖さもあるんですが、彼を目の前にしたときに、自分は、どんな対応をするだろうか・・・というのが突きつけられたような気がして、彼を怖がっている自分自身がとても怖いと・・・そんな風に思ったような気がします。だから、それ以来、この映画をみるのがこわくなっていました。こんな話を映画にして、人の心を天秤にかけてもてあそぶなんて!とか、映画に対して逆切れしちゃったりもしました。
今回見て、あの時そう思ったのも仕方がないとも思いました。
ジョンメリックにあったときに、それぞれの人間が、どういう反応、対応をするかというのが大きなテーマになっているように思いました。
ジョンメリックを見世物にする人、こわいものみたさでみたがる人、手を差し伸べようとする人。たてまえ上それをする人もいます。
そして、劇中の人がどうかというのと同時に、見る側にも、突きつけられるわけです。
幸いにも映画は、ジョンメリックの人生を悲劇的に描いていますから、同情的になるとは思いますけど・・・それでも、果たして、目の前に現れたときに、手を差し伸べたり、自然に接したりすることができるのだろうかというのは、やっぱり考えてしまいますよね。
この映画では、そのときの社会的な状況があまり描かれていないので、直接的にそれが突きつけられるような気がします。
当時の社会状況から考えると、それが見世物として成り立つ状況で、あの時代であれば、むしろ、見世物にした人や病院から追い出せと主張した人のが当たり前なのかもしれません。
ジョンメリックの味方の人たちも、本当に彼を人間として、友人としてみていたのか、そうでなかったのか、あまりよくわからないですけれど、そうであってほしいなあとは思います。
ベットに横になって寝るのは、彼にとって、人間である証であり、幸せの証だったのかもしれませんね。劇での興奮がさめやらぬ中で、最後に幸せを感じながら横になるシーンは、ずっと覚えていたシーンです。
もう一つ覚えていたシーンは、酒場の連中にもてあそばれて、ぐるぐる回っているシーン。ここもインパクトあります。音楽が効果的です。助けてやれない歯がゆさを感じました。