隠し剣 鬼の爪 特別版松竹このアイテムの詳細を見る |
2004/11/06 04:49
隠し剣 鬼の爪 とはいったい・・・というはなしではない
山田洋次監督の時代劇第2弾ということですが・・・ちょっと悲しかったのは、見ていると、たまに「たそがれ」を見ているような錯覚になったところ。なんとなく、ちょっとダブるところもあったし・・・
お手伝いさんとの身分を越えた禁断の愛!!(そういうはなしではないけれど・・・)と、友人を切らねばならぬ男の葛藤・・・そんなこんなが、武家社会の中で展開します。
身分というなんだかよくわからないものによって本来好き合っているもの同士が一緒になれない。
また、藩命の一言で、友人と殺しあわなければならない。それにそむいたらそれこそ自分の身がどうなるかわからない・・・・
どっちも大元にはその時代を支えた社会があるわけですね。
その武士道なるものを貫こうとすると、ゆがんだ社会の餌食になってしまう。それは、藩のためを思って新しい空気を入れようとした相手にも言えるし、藩命と言う事で、信念にそむき斬り合いをした主人公にとってもそうだろうし・・・
そして最後、その矛盾に嫌気がさして身分を捨てて蝦夷にわたる決心をします。もちろんそうなったら、心に決めたことがあります。ということで、ハッピーエンドで終わるところがいいですね。
面白いのは、剣術の先生が教えてくれた技。鬼の爪も最後に斬った技も、ある意味卑怯な技(ではないのか?)であって、でも、必殺技なんでしょうね。そうです。技を秘密にする限り、同じ人には2度と使わないはずですから、必殺です。その卑怯さは、生き残るための確実な手段として好感が持てます。
鬼の爪のところは、かっこいいです。仕置人のようで・・・
松たか子もよかったですよ。暗闇で病に臥せっている姿はいいです。
斬られたほうの奥さん、たかしまさんもよかったです。色っぽいし、強い愛があるし・・・俺だったら断れないな。やるだけやって一応説得して、だめだったら斬るとか考えちゃったろうな。(おぬしも悪よのう・・・)
緒方拳もよかったです。死に方最高でした。
山田洋次監督の映画に出てくる子役は何でみんなうまいんでしょうか・・ほかの映画・・・たまたま予告編で吉永小百合が出る映画で、子役のせりふが出ましたけど、言わされてる感じでつまらなそうな演技ですもんね。妹役の演技はすごかったです。比べるには年も違うけど・・・
前作の「たそがれ」よりは無理ない感じがいいと思います
しかし、何で時代劇なんだろうか・・・
できれば、現代社会をストレートに描いてほしいなあ・・・