![]() | 点と線 (新潮文庫) |
松本 清張 | |
新潮社 |
あまりにも有名な松本清張さんの推理小説です。恥ずかしながら初めて読んだのですが…
北海道から九州までの点を線につないでいく、ダイヤグラムのように線を引いて行くわけですね。
正直、最初から犯人は何となくわかって、ああ、この人が犯人だったら、何のひねりもない、なんの面白みのない小説だな。大したことないな。なんて、思っていましたが、実はそれが、松本清張さんの仕掛けた罠だったのかもしれません。犯人探しの小説ではないのです。刑事さんと一緒に、犯人の残した点をつなぐ作業を一緒にさせる。そして、すべての点が線でつながった時に、その犯罪の全貌が明らかになる。という話でした。
しかし、結構小説が後追いなところもあって、・・・これも読者は、犯人が誰かがわかっているから先に想像してしまうということかもしれませんが、飛行機のこととか、現場にいた死んだ2人のほかの存在なども、仮説として立てながらそれを刑事さんが後追いで気づいていくというような感じもありました。これも、松本さんのしいたレールなのでしょうか。
時間の流れでああだこうだいうところは、めんどくさくて飛ばしながら読みました。
事件の真相はすっきりしました。
でも、じつは、根本的解決になっていないすっきりしない感じを残すところも、すごいですね。