純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

夏の純米酒・・・冷蔵配送するべき?

2014年07月03日 | HP関連
ウェブ発注されたお客様より

お問い合わせがあった

「生酒の場合はシーズンを通してクール便配送であり
火入れ酒の場合は5~9月を目安にクール便を推奨、
又は必須としているwebサイトが多いのに
地酒のDONでは、なぜ暑い時期にクール便配送をしないのですか?
配送時の車内で50度になっちゃうこともあるのではないですか?
そんな時、酒質が変わらないのでしょうか?
私は今回の注文を冷蔵配送していただくことを希望します」




私の考えは・・・



例えば「日置桜」は

完全発酵させた純米酒を

屋外タンクで

真夏は40度

真冬は零下

というような状況で数年間の熟成実験をしたそうです

その間にタンク底には数センチの澱(おり)がたまったそうですが

その上澄みは、透き通るように美味かったそうです



基本的には強健な酵母で完全発酵させた純米酒はこれぐらい強いと思っています



そう考えると

1~2日程度の夏の運送状況で

その香りや酒質が変わってしまうようなお酒というと

「生酒」か「アル添酒」か「甘口にするために途中で発酵を止めた純米酒」

などが該当するのではないでしょうか

(完全発酵の純米酒といえども生酒の場合は、零度前後を境にして温度が上昇すると「生ヒネ香」がついてしまうので、冷蔵配送は必須だと私も思います。)



当店では

搾ってから2~3年以上した「熟成純米酒」の取り扱いが多いです


「熟成」とは

「積算温度」×「時間」

に比例して旨味が深まって

味わいが開いていくことです



一般的に「生酒」「アル添酒」「大吟醸酒」などは

熟成させるようには設計していません

瓶詰め時の味わいがmaxで

そこから時間が経ち

温度が上がるほど

味が劣化するような設計で造られていると考えるべきかもしれません



積算温度×時間

に比例して味の劣化が進行するとすると

低温で流通させて

一刻もはやく呑んでもらわなきゃいけない

だから暑い夏場は「火入れ酒」であっても

冷蔵配送を薦めるウェブサイトが多いのは当然でしょう


ところが

当店が扱う「完全発酵の熟成純米酒」の場合は

冷蔵しちゃうと

それだけ旨味が開くのが遅くなるという考え方なので

「いくら暑い夏でも常温流通が当然だ」と

私は今の今まで考えておりました


ところが

お客様が夏場にクール便を希望されるお考えは

お酒に対して

とても優しい「思いやり」だと思います



瓶詰め時のそのままを呑んでみたい

また瓶詰時の渋味なども味わいたい

というお客さまのご要望にも

お応えする必要も当然あります

そういう意味でクール宅急便の必要性がでてきますね



そこで

地酒のDONのホームページでは

「クール便」をお客様が指定して

カートに入れることができるようにしました


現在の契約では「クール宅急便」のヤマト運輸のみですが

よろしくお願いします


追伸:
本物の完全発酵純米酒を見分ける方法として
このような方法もあります。
「燗冷めの純米酒を
翌日に燗にしてもう一度呑んでみる」
この方式で味わいの骨格が変わらない純米酒が本物の純米酒です。
かなりハードルは高いですが・・・。(笑)



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