純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

今回は残念です・・・協会9号熊本系酵母のお酒!

2012年11月09日 | 純米酒
昨日

とある酒蔵の営業さんが来店された!


「食中酒として御好評いただいている

自信をもってお薦めできる

純米吟醸酒です」とのことで・・・

あるお酒を紹介いただいた


以前にギフト商品等で

取り扱わせていただいていた時の

この蔵の印象は

その当時流行りの

吟醸香が相当に香る

食前酒として呑むタイプの

お酒だった感が強い


今回試飲させていただいたが

確かに依然の印象と比べると

その純米吟醸酒は

吟醸香は僅かにあるだけで

酸も結構しっかりしていて

ボディがあった


常温での試飲に関しては

結構印象が良かったのだが

ひとつ気になる点があった


その純米吟醸は9号酵母の熊本系で

で醸されていた点だ


協会9号酵母は一般的には

果実系の上品な吟醸香と

酸が少ないスッキリ系の

お酒を醸すという特徴が知られていると思う

ただ一口に協会9号酵母とはいっても

現在は色々な系統があるらしい


なかでも熊本系酵母は

かなり強い吟醸香を出すことで有名だ


以前の全国新酒鑑評会では

「YK35」

と言って

Y・・・・山田錦
K・・・・熊本系9号酵母
35・・・精米歩合35%

の大吟醸であることが金賞受賞への早道だということで

猫も杓子も「YK35」の大吟醸を出品していたような時期もあった


このように吟醸系の造りに貢献している熊本系酵母であるが

その最たる特徴でもある強い吟醸香は

実は食中酒としては邪魔になってくるのである


お酒の審査において

常温下で

呑まずに舌先のみで味わう場合には

香りは重要な要素になるのだが

実際に呑んで味わう・・・

また食べ物に合わせる・・・

燗につける・・・

ということになると

審査で上位にくるものが

本当に美味いのかというのは

疑問が出てくるということである



実際吟醸香が強いものは

燗につけると香りが立ちすぎて

鼻がもげそうになる(笑)


もちろん造りによって

香りを抑えることはできるので

どんな場面で

そのお酒を呑ませるのかをイメージして

蔵元や杜氏は酒を醸していると思う


さて今回のこの純米吟醸酒を燗につけてみた・・・

残念ながら・・・というか

やっぱり・・・というか

かなり強く香りが立ってしまって

燗の味わいを利くところまで至らなかった


燗につけると

食中酒としては不向きのようだ


常温で香りが上品だったので

期待していたんだが・・・

残念です


今回は購入を見送ります m(__)m



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