珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

母の小銭

2011年02月12日 | 母のこと

数日前、母を連れて買い物に行った後、部屋でお茶を飲んでいると、母が「これお願い」と言いながらテイッシュペーパーの箱を一回り小さくした位の箱を持ち出してきた。

それは、予想通りした通り母が溜め込んだ小銭だった。4000円近くあると言う。

五年くらい前から、年に一度くらい、そうやって母は小銭を出してくる。

買い物をしたときにもらったお釣りが溜まったものだ。

その大量の小銭を、私が銀行の母の口座に入金してくるわけだけれど、とても窓口に持ち込む気にはなれないからATMを使う。

ATMを使うと言っても、小銭は半分以上が1円玉、残りが5円玉、10円玉、50円玉だから、4000円分となれば2度や3度、4度や5度でも終わらない。

後ろに誰かが並んだら、その日はそれで終わりにする。とてもその場で頑張って続けるわけにはいかない。だから、車に積んでおいて何日かかけて入金する。

 そもそもどうしてこんなに小銭を溜め込むのかと、「お買い物の支払いの時に半端分を出せば良いじゃないの」、と文句を言えば「面倒くさいもの」と中学生のような答えをする。

冗談じゃない、その小銭を押し付けられる私の身にもなってほしいと腹立たしかった

でも、あるとき、スーパーのレジにならんでいた時のことだ。

私の前で、支払いをするおばあさんが、お財布の中の小銭をだそうとかき回しているのをイライラしながら待っていた。

そのとき、ああ、母はこうやって他人を待たせるのが嫌なのだと、気づいた。

そうか、だから、いつもお札を出しておつりを貰っているのだろう。

私はスーパーなどの支払いはクレジットカードだし、コンビニはお財布携帯ですませているから、現金で支払うことはほとんどない。

だから、迂闊にもそこに思いが至らなかったのだ

もっと早く気づいてあげればよかったけれど、それからは、母の小銭に腹立たしさを感じることがなくなった。

 

母のように片付けてくれる人が身近にいる人は良いけれど、いない人は何とか自分で使うしかないだろう。

そう思うと、レジでお年寄りがお財布の中から小銭を出すのに時間がかかってもイライラしなくなった。

そして、お年寄りにはもっと優しい気持ちで接したいとも思う。

それにしても、もう少し早く、せめて2000円くらいになったら出して欲しいな~