昨夜、wowowで映画「かもめ食堂」を観た。
以前から観たいと思っていたのに、放送に全然気づかず
見始めたのは30分以上経ってから。
場所はフィンランド、ヘルシンキ、
小さな日本食堂「かもめ食堂」を営む小林聡美演じるサチエが、
町の書店で日本人旅行者みどりに声をかけ、ガッチャマンの歌の歌詞を教えてもらう場面からだった。
現地の少年に尋ねられて、答えられなかったことが気にかかっていたのだ。
いきなりガッチャマンの歌詞と言われても、そう簡単にスラスラ書けるもの?と
思うけれど、相手が片桐はいりなら不思議じゃない、いかにも有りそう。
いろいろ話しているうちに、その旅行者みどりは、かもめ食堂を手伝うことになる。
お客さんのほとんど来ない暇な店なので、お給料はいらないからと頼み込むのだが、
その気持ちがとてもよくわかる。
数日後、もたいまさこのマサコがふらりとやってくる。
空港に荷物が届かなくて困っているのと言いながら、少しも困っているようすはない。
のんびりと服を買ったり、森でキノコ採りをしているうちに
やはり、かもめ食堂を手伝い始める。
映画は、どことなく風変わりな3人の女性のかもめ食堂での日常を
映していくのだけれど、
何となく引きつけられて目が離せない。
3人がかもめ食堂へ行きついたのが、恋に破れてどうこうという
ありがちの傷心旅行でないのも良い。
両親を介護し看取って、肩の荷を下ろしたマサコの、何かを見失ったような、
それでもどこか満たされたような、何とも言えない表情がとても良い。
気の合う女友達と、こんな風に働いて、こんな風に暮らせたらいいなと思う。
でも、サチエの、「誰も同じではいられないのよね。
いつかは変わらなきゃならないのよね」
という言葉にはっとさせられる。
そうよね、この3人の生活は、きっとそんなに長くは続かない。
でも、いつか、「あの時は楽しかったね」なんて、思い出を語り合える関係で
いてほしいなと思う。