御戒壇巡り?胎内巡りね
真っ暗闇の迷路を仏さまの胎内に見立てて、その中を巡り、遂には光の中へ出て来ることで、再生の意味があるとか。
一度やってみたいと思っていたのよ。
子供たちは二人とも修学旅行の時、京都の清水寺で経験して、けっこう楽しいと話していたっけ。
夫には断られたが、経験者の娘が付き合ってくれた。
右手で壁に触れながら6つ目(7つ目かも?)の角を曲がると錠前があるそうで、その錠前はお地蔵様のお手と結ばれているとか。
その錠前に触れたまま願をかけるのだそうだ。
入口は、申し訳ないけれど、何だかお化け屋敷に入るような感じ
「一度入ったら戻らないでください」と書いてある。
むむ・・・
ちょっとびびるけれど、暗闇の中へ勢いで突入する。
ところが、一歩入った途端後悔がどどっと押し寄せた
あっという間に漆黒の闇
怖い!とにかく怖い!半端じゃない!
お化け屋敷なんかと比べようもない
何も見えない、真っ暗闇ってこんなに怖いものなのだ。
昔の人が暗闇の中で聞いたかすかな音や、ささいな気配を、「もののけ」と恐れたのがわかる気がする。
きらめく星や月のある夜は、どんなにか勇気づけられたことだろう
でも、ここには、星も月も、蛍の光も、何にもない
引き返したい、でも、罰当たりよね。
もともと観光客は私たちだけ。
先に中に入っている人はいない。
後に続いて来る人もいない。
娘と左手をしっかり握り合って、右手で壁をたどりながら進む。
一刻も早く出たい一心で、角を幾つ曲がったかも憶えていない。
長~い時間が経った頃、娘が、「あ、あった」と、声を上げた。
そうか、錠前があるんだっけ。
その錠前に触ったまま、願をかけるのよね。
ここまで来たら出口はすぐそこだ
娘に続いて触ってみると、時代劇によく出てくるような形状の錠前だ。
それに触れたまま、ゆっくり願をかける。
家族の健康を、幸せな人生を、日本の繁栄を、世界の平和を・・・etc。
入らなきゃよかったと、さんざん後悔していたくせに、出口を前にすると、途端に気が大きくなる
無事この世に戻ってきて、娘に訊いてみた。
「前もあんなに怖かった?」
すると、彼女が言う。
「修学旅行だもん、みんなでキャーキャー言いながら歩いたし、前にも後ろにも観光客がいっぱいで、全然怖くなかったよ。でも、今日は怖かったー」
そうか、やっぱり、「みんなで渡れば怖くない」ないのね
でも、それじゃあ、ありがたみもないわね~。
再び光に触れたその瞬間の喜びは、怖ければ怖いほど大きいように思う。
でも、私、一度でいいわ
ところで、用ができまして、今日の午後から、また娘のところへ行ってきます。
帰りは10月2日です。
よろしく~